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03月02日-03号

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  1. 京都市議会 2016-03-02
    03月02日-03号


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    平成28年  2月 定例会     平成27年     定例会       京都市会会議録 第3号     平成28年2月市会                     平成28年3月2日(水曜日)出席議員(67名)   1番 森 かれん議員   2番 菅谷浩平議員   3番 こうち大輔議員   4番 やまずまい子議員   5番 大西ケンジ議員   8番 山本陽子議員   9番 平井良人議員  10番 やまね智史議員  11番 江村理紗議員  12番 大津裕太議員  13番 宇佐美けんいち議員  14番 森川 央議員  15番 西山信昌議員  16番 かわしま優子議員  17番 国本友利議員  19番 平山たかお議員  20番 津田大三議員  21番 西村善美議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 村山祥栄議員  26番 豊田貴志議員  28番 山本ひろふみ議員  29番 青野仁志議員  30番 平山よしかず議員  31番 吉田孝雄議員  32番 湯浅光彦議員  33番 加藤昌洋議員  34番 森田 守議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 くらた共子議員  38番 河合ようこ議員  39番 樋口英明議員  40番 加藤あい議員  41番 赤阪 仁議員  43番 天方浩之議員  44番 中野洋一議員  45番 隠塚 功議員  46番 山岸たかゆき議員  47番 安井つとむ議員  48番 曽我 修議員  49番 久保勝信議員  50番 しまもと京司議員  51番 椋田隆知議員  52番 下村あきら議員  53番 西村義直議員  54番 吉井あきら議員  55番 田中明秀議員  56番 山本恵一議員  57番 山中 渡議員  58番 井坂博文議員  59番 北山ただお議員  60番 玉本なるみ議員  61番 西野さち子議員  62番 井上けんじ議員  63番 鈴木マサホ議員  64番 大道義知議員  65番 ひおき文章議員  66番 寺田かずひろ議員  67番 中村三之助議員  68番 橋村芳和議員  69番 小林正明議員  70番 繁 隆夫議員  71番 富きくお議員  72番 井上与一郎議員欠席議員(なし)   議事日程   開議日時 平成28年3月2日(水)午前10時第1 議第1号ないし議第20号,議第22号,議第24号ないし議第26号,議第29号ないし議第31号,議第33号,議第37号,議第38号,議第40号ないし議第44号,議第46号,議第48号ないし議第52号,議第71号ないし議第76号及び議第270号 平成28年度京都市一般会計予算 ほか47件第2 議第21号 京都市地球温暖化対策条例の一部を改正する条例の制定について第3 議第23号 京都市職員の退職管理に関する条例の制定について第4 議第27号 京都市職員の勤務時間,休日,休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第28号 京都市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例の制定について第6 議第32号 京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について第7 議第34号 京都市個人情報保護条例等の一部を改正する条例の制定について第8 議第35号 京都市区役所事務分掌条例の制定について第9 議第36号 京都市消費生活条例の一部を改正する条例の制定について第10 議第39号 京都市医療法に基づく病院及び診療所の人員及び施設の基準に関する条例の制定について第11 議第45号 京都市建築審査会条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第47号 京都市火災予防条例の一部を改正する条例の制定について第13 議第53号 指定管理者の指定について(文化市民局関係)第14 議第54号 指定管理者の指定について(文化市民局関係)第15 議第55号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第16 議第56号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第17 議第57号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第18 議第58号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第19 議第59号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第20 議第60号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第21 議第61号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第22 議第62号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第23 議第63号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第24 議第64号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第25 議第65号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第26 議第66号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第27 議第67号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第28 議第68号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第29 議第69号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第30 議第70号 指定管理者の指定について(保健福祉局関係)第31 議第267号 京都市国際親善交流基金条例の一部を改正する条例の制定について第32 議第268号 京都市個人市民税の控除対象となる特定非営利活動法人に対する寄附金を定める条例の一部を改正する条例の制定について第33 議第269号 京都市社会福祉奨学基金条例の一部を改正する条例の制定について第34 議第271号 京都市地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例の一部を改正する条例の制定について第35 議第272号 京都市緑化・公園管理基金条例の一部を改正する条例の制定について第36 議第281号 一級河川旧安祥寺川改修工事請負契約の締結について第37 議第282号 市道路線の認定について第38 議第283号 市道路線の廃止について第39 議第287号 損害賠償の額の決定について第40 議第288号 損害賠償の額の決定について第41 議第289号 損害賠償の額の決定について第42 議第290号 損害賠償の額の決定について第43 議第291号 損害賠償の額の決定について第44 議第292号 損害賠償の額の決定について第45 議第293号 損害賠償の額の決定について第46 議第294号 損害賠償の額の決定について第47 議第295号 損害賠償の額の決定について第48 議第296号 損害賠償の額の決定について第49 議第297号 損害賠償の額の決定について第50 議第298号 損害賠償の額の決定について第51 議第299号 損害賠償の額の決定について第52 議第300号 損害賠償の額の決定について第53 議第301号 損害賠償の額の決定について第54 議第302号 損害賠償の額の決定について第55 議第303号 損害賠償の額の決定について第56 議第304号 損害賠償の額の決定について第57 議第305号 損害賠償の額の決定について第58 議第306号 損害賠償の額の決定について第59 議第307号 損害賠償の額の決定について第60 議第308号 損害賠償の額の決定について第61 議第309号 損害賠償の額の決定について第62 議第310号 損害賠償の額の決定について第63 議第311号 損害賠償の額の決定について第64 議第312号 損害賠償の額の決定について第65 議第313号 損害賠償の額の決定について第66 議第314号 損害賠償の額の決定について第67 議第315号 損害賠償の額の決定について第68 議第316号 損害賠償の額の決定について第69 議第317号 損害賠償の額の決定について第70 議第318号 損害賠償の額の決定について第71 議第319号 損害賠償の額の決定について第72 議第320号 損害賠償の額の決定について第73 議第321号 損害賠償の額の決定について第74 議第322号 損害賠償の額の決定について第75 議第323号 損害賠償の額の決定について第76 議第324号 損害賠償の額の決定について第77 議第325号 損害賠償の額の決定について第78 議第326号 損害賠償の額の決定について第79 議第327号 損害賠償の額の決定について第80 議第328号 損害賠償の額の決定について第81 議第329号 損害賠償の額の決定について第82 議第330号 損害賠償の額の決定について第83 議第331号 損害賠償の額の決定について第84 議第332号 損害賠償の額の決定について第85 議第333号 損害賠償の額の決定について第86 議第334号 損害賠償の額の決定について第87 議第335号 損害賠償の額の決定について第88 議第336号 損害賠償の額の決定について第89 議第337号 損害賠償の額の決定について第90 議第338号 損害賠償の額の決定について第91 議第339号 損害賠償の額の決定について第92 議第340号 損害賠償の額の決定について第93 議第341号 損害賠償の額の決定について第94 議第342号 損害賠償の額の決定について第95 議第343号 損害賠償の額の決定について第96 議第344号 損害賠償の額の決定について第97 議第345号 損害賠償の額の決定について第98 請願審査結果について(経済総務委員会)第99 請願審査結果について(まちづくり委員会)第100 議第253号ないし議第266号,議第273号ないし議第280号,議第284号ないし議第286号及び議第346号 平成27年度京都市一般会計補正予算 ほか25件(予算特別委員長報告)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時開議〕 ○議長(津田大三) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。田中たかのり議員森田ゆみ子議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理いたしました請願2件及び陳情2件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付いたします。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 日程に入ります。 日程第1,議第1号ないし議第20号,議第22号,議第24号ないし議第26号,議第29号ないし議第31号,議第33号,議第37号,議第38号,議第40号ないし議第44号,議第46号,議第48号ないし議第52号,議第71号ないし議第76号及び議第270号,平成28年度京都市一般会計予算ほか47件,以上48件を一括議題といたします。 昨日の議事を継続し,質疑を続行いたします。 湯浅光彦議員に発言を許します。湯浅議員。 〔湯浅光彦議員登壇(拍手)〕 ◆(湯浅光彦議員) 皆さん,おはようございます。私,右京区選出の湯浅光彦でございます。公明党京都市会議員団を代表してひおき文章議員,久保勝信議員と共に京都市平成28年度予算案について質問させていただきます。市長及び関係理事者におかれましては,市民に分かりやすい,また共感の持てる答弁をお願いいたします。 まず冒頭,2月7日に行われました京都市長選挙におきましては,私ども公明党として支援をさせていただいた門川市長が,35.68パーセントという低投票率の中においても共産党推薦の相手候補に対し25万4,545票と実に12万5,426票の差を付け圧倒的な勝利を勝ち取られました。市会与党として共に戦った自民党,民主党の皆様と共に心からお祝い申し上げます。おめでとうございました。 この結果もひとえに厳寒の中,公明党を御支援くださる方々が私どもの選挙支援と何ら変わらぬ,いやましてそれ以上の献身的な応援の賜物と,ここに改めて党員支持者の方々をはじめ御支援いただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 京都市は,これから全国的にも大きく注目を浴びる都市となることは間違いありません。文化庁の京都移転,迎賓館の通年開所,北陸新幹線の京都ルート,リニア新幹線の誘致など,門川市長には,是非とも重要な3期目,国,府と連携し,市民にお約束した133のマニフェストを力強く推進し,未来の京都のために全力で市政運営に取り組んでいただきたいことを切に願うものであります。よろしくお願いします。 〔津田議長退席,大道副議長着席〕 ◆(湯浅光彦議員) (続)さて本来,選挙とは次の4年間どうするのか,公約を責任を持ってどう実行していくのかを有権者に訴え御判断をいただくものであると思います。しかし共産党推薦候補は陣営としての戦略なのかどうか,ただ批判と無責任な公約を掲げ,どう実現するかも定かでない主張に終始し,市民にとって決して有益な判断材料を提供することはなかったと言わざるを得ません。 とりわけ今選挙戦においていまだ議会において何ら議論もされていない敬老乗車証について,「今年9月以降1回100円程度払う制度への改悪を明言」などとビラに掲載し,多くの市民を不安に陥れました。多くの問合せが寄せられ京都市ホームページに9月から見直しの予定はないと反論掲載されましたが,決まってもいないことをさも決まっているかのごときことに対し,本当のところ事実なのかどうか改めて当事者として矢面に立たれた市長として,その思いと共にお聞かせいただきたい。 また,今回私どもも支援をする中で屋外広告物条例や四条通拡幅について様々な御意見,御指摘を頂きました。今後厳しい財政状況が見える中で,市長の強いリーダーシップを発揮し市民のための市政運営を続けていかなくてはなりませんが,そのためには市民の理解を得て政策を実行していくことが重要です。当然窓口となる部署との交渉は大事でありますが,同時に現場の声をお聴きし,理解を得て進めていくことが重要ではないでしょうか。そのためには丁寧な情報公開と説明責任,納得の対話の機会を充実させ,共に参加意識を持って市政運営に取り組むことが必要であると存じます。 まずは市長の今後の4年間の市政運営における決意を先ほどの件と共にお伺いしたいと思います。 ○副議長(大道義知) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 湯浅光彦議員の御質問にお答えいたします。 この度の選挙では,公明党をはじめ与党会派の先生方,御支援される方々,幅広い皆様から力強い御支持を賜り,引き続き市政を担わせていただくこととなりました。皆様の大きな期待と信頼にお応えし,全力で京都の今と未来のために誠心誠意,市政運営に取り組むことを改めて決意いたしております。 まず,敬老乗車証と市政運営等についてであります。敬老乗車証については,社会福祉審議会の答申等を踏まえて,今後十分時間を掛けて検討していく旨を市会でも再三御答弁申し上げており,また,私の公約においても,「より使いやすく持続可能な制度を構築する」と明記しております。それにもかかわらず,今年9月以降1回100円負担になるという事実無根のビラが配布されたことは誠に遺憾であり,市としても強く抗議したところであります。選挙戦では,そのような残念な行為もありましたが,多くの方々から熱い激励,また京都市政への高い評価のお声を頂戴いたしました。一方で,屋外広告物対策や四条通の歩道拡幅工事など政策はすばらしいが,その政策の理念や目標が十分に市民の皆様に伝わっていないとの御意見も頂きました。謙虚に受け止め,誠実に対応してまいります。今後の市政運営に当たりましては,改めて,徹底した市民参加による市民の皆様が主人公の市政を重視し,そのために,市民の皆様への説明責任を果たすこと,市政の理念や目標を分かりやすくお伝えすることと共に,そうしたことに,更に意を注ぎ,更に市役所の市職員の伝える力を一層磨き上げていきたいと考えております。同時に,伝える側,伝えられる側という関係を更に超えまして,市民の皆様と共に伝え合う関係を築きながら,お一人お一人に寄り添った市政を進めるという私の市政運営の原点に立ち返り,市民の皆様とお約束しました133の公約を着実に実行してまいります。以上でございます。 ○副議長(大道義知) 湯浅議員。 〔湯浅光彦議員登壇〕 ◆(湯浅光彦議員) 次に,京都経済の更なる活性化と雇用の安定についてお伺いします。大手製造業を中心に業績が好調で賃金も上昇しており,中小企業にもその恩恵が行き渡ると期待をされるところですが,実際我々の周りを見渡せば景気の実感は感じられないとする声が多くあります。一方で京都市では,有効求人倍率は1.29と42年ぶりに大きく改善し,1月27日の京都財務事務所の判断は「持ち直し」から「回復」へと6期ぶりに判断を上げ,「京都の生産活動の力強さは近畿でも抜きん出ている。賃上げを検討する企業もあり,個人消費が上向くか動向を注視したい」とし,京都市中小企業経営動向実態調査結果では2016年度賃上げ検討企業が49.1パーセントに上るなど先行きの明るさを示しております。 また国においても自公政権による同一労働,同一賃金の大きな流れが出来ようとしております。そもそも日本のGDPと雇用のおよそ70パーセントを占めるのは製造業ではなく,実はサービス産業です。経済政策や社会システムの議論をする場合,7割以上を占める地域経済,とりわけサービス産業について各々どういった産業特性があり,どういう雇用特性があり,どういう仕事の特徴があり,どういう人たちが,どういう働き方をして,どういう生活をしているのか,そのことを直視しなければ地域の成長戦略は語ることはできないとも指摘をされております。 物流,飲食,宿泊,対面小売,医療,介護,保育など地域経済を支える業種は京都市民の大半が勤める業種であります。グローバル経済世界ではICT化や設備投資で大きく生産性が向上し,少ない人手に対して賃金を上げることができますが,地域経済ではより多くの人が働き賃金上昇は望みにくく,これこそ現代的格差が生じる経済的構造であるとも指摘されています。 今後この地域経済では,生産年齢人口の減少と共に労働力不足がより深刻化してまいります。この構造的な人手不足に直面し続ける地域経済が成長力を維持するうえで,今後の課題は,労働生産性の向上と労働参加率の向上です。日本の非製造業の労働生産性は先進国の中でもかなり低く,アメリカの半分,ドイツ,フランスからも大きく離されております。また,生産性の低い会社はブラック企業化する危険もあります。地域経済圏で生産性を向上させるには,緩やかな新陳代謝と最低賃金の底上げ,労働監督,安全監督の強化,地域金融機関との連携強化,転廃業への支援が求められてくると思います。 京都市の産業に大きな比重を占める観光,飲食をはじめとしたサービス産業の実態調査と生産性向上に向けた取組の強化を望みます。市長の御所見を伺います。 次に,子供の貧困問題についてお聞きします。厚生労働省の発表によれば,平均的な所得の半分を下回る世帯で生活する18歳未満の子供の割合が平成24年に16.3パーセントと過去最悪となり,子供の六人に一人が貧困状態にあり,今日の報道で京都は17.2パーセントとなっておりました。また,ひとり親家庭では,54.6パーセントと,二人に一人という大変深刻な状況にあります。また,経済的に苦しい家庭への就学援助制度の支給率も,景気回復の影響でやや改善は見られるものの,全国平均で15パーセントを超え,本市では,平成26年度に小学校で21.0パーセント,中学校で26.4パーセントと依然として高い水準にあります。 こうした先進国の中でも大変厳しいと言われる我が国の状況を背景として,公明党は,生まれ育った環境によって将来が左右されない社会を実現し,保護者の経済格差が子供の教育,進学にも影響を及ぼす貧困の連鎖を断ち切り,教育の機会均等などを総合的に推進することを目的とした子供の貧困対策推進法の成立に向け,国会をリードする取組を進めてまいりました。同法を基に閣議決定された子供の貧困対策に関する大綱では,家庭の経済状況にかかわらず子供が質の高い教育を受け,能力,可能性を最大限伸ばして,それぞれの夢に挑戦できるようにすることが,一人一人の豊かな人生の実現に加え今後の我が国の成長,発展にもつながるものとの考え方が示され,学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けて総合的に対策を推進することとされました。 本市でも,この間,児童生徒の置かれた様々な環境に働き掛け支援を行うスクールソーシャルワーカーの配置拡大の取組や,今年度からは,基礎的な学力や家庭での学習習慣が身に付いていない中学生に学生ボランティア等が補習を行う未来スタディ・サポート事業を実施するなど具体的な取組を進めており,28年度予算案では未来スタディ・サポート事業拡大の予算が計上されるなど,今後の一層の充実を期待しているところです。 一方で,私は,「三つ子の魂100まで」とのことわざにもあるように,幼少期の教育は非常に大切であり,子供たちが小中学校に進学してから学習保障などを様々な形で支援することに加えて,幼少期から,家庭環境にかかわらず質の高い幼児教育を受けることのできる体制の必要性を感じております。 またこのことは,単にことわざとしてだけでなく,ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンアメリカシカゴ大学教授が,その著書の中で,ペリー就学前プロジェクトというアメリカで行われた研究ですが,経済的に恵まれない家庭の三,四歳を追跡調査した結果から,就学前から教育を受けさせていた子供の方が,意欲や忍耐力,社会性といった非認知能力が育まれ,生涯賃金が高く,犯罪率なども低くなったという傾向が出たことを基にしまして幼児教育の重要性を指摘されており,科学的にも証明された大変大切な視点だと考えます。 そこで,子供たちの人間形成の基礎を築く上で大変重要な幼児期に,家庭の経済状況等にかかわらず,子供たちが,しっかりとした幼児教育を受けることのできる条件整備を進めるべきだと考えますが,教育長のお考えをお聞かせください。 あわせて,この乳幼児期においては教育と共に保育所での対策も重要です。保育所は,親の就労支援のための施策だけではなく子供の発達のチェック,健康や生活問題の早期発見,健診,予防接種,病気児のケア,栄養の改善,学びと遊びによる知的,情緒的発達の促進,コミュニケーションスキルの促進など大人になるための準備期間として保育サービスはとても重要であり,現に京都市の保育所では,人手がない中,一生懸命取り組んでいただいております。小中学校と違い親との接触が毎日行われ,様々な課題を抱える親のニーズを把握し,福祉事務所や就労支援など必要な支援につなぐことができる福祉の入口となり得るポテンシャルが保育所にはあります。しかし現状のマンパワーでは大きな無理をお願いしているところであり,保育所を貧困と向き合う最前線とすれば,家庭の問題にまで踏み込んで解決できる仕組みが必要です。いわば保育の現場を含めた子供の貧困解決のためのソーシャルワークの仕組みを検討していくことが必要と考えますが,市長の考えをお聞かせください。 次に,空き家対策の成果と課題を踏まえた更なる取組についてお尋ねします。空き家となっている現在の状況は,全国レベルでは,売却,譲渡先を募集9.8パーセント,賃貸借主募集7.4パーセント,不動産業者に相談中5.8パーセント,特に何もしていない72.0パーセント,その他5.0パーセントとなっています。また空き家活用を阻む要件として,立地,建物,所有者,相続先の四つが指摘されております。京都市の特徴は,全国平均13.5パーセントを上回り,空き家率14.0パーセント,賃貸売却の予定なしが39.5パーセントと余り活用を考えておられず,放置すれば迷惑物件となる可能性が大きいと言えます。さらに戸建てが多く,また路地としての再建築困難との空き家も多いという特徴も抱えています。 京都市は,本格的に空き家対策を始めて2年を迎えますが,これらの特徴も踏まえ全国的にも珍しい不動産事業者と連携した地域の空き家相談員の構築や,空き家活用・流通支援等補助金の実施など空き家所有者の支援に積極的に取り組み,空き家が芸術家のアトリエや障害をお持ちの方の就労支援施設に生まれ変わるなど様々な活用事例が見られるようになってきております。こうした取組が,住まいとまちの解説者である中川寛子氏の書籍「解決!空き家問題」,(実物を示す)こちらでございます。空き家問題において,先進的な事例として紹介されていることはうれしい限りであります。 一方で,私が空き家所有者の方のお話を伺うと,特に遠方にお住まいの方は,京都市の空き家対策の取組を余り御存じでないことがあり,今後は取組についての周知徹底に工夫が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 また各界の専門家の方々との意見交換において,空き家の中には,相続に起因して権利関係に関する登記が行われないまま放置され管理が満足に行われていないものが相当数含まれているともお聞きをします。また最近では投資目的で特に高級マンションなど外国籍の方も含め京都の不動産を購入されるという話を耳にしますが,現金で購入された場合,登記義務はなく,どなたの持ち物か分からなくなるおそれが高いとのことです。もちろん登記制度については国の所管であることは承知しておりますが,発生予防という観点から今後の大きな課題ではないかと思われます。例えば京都市としても,空き家の指導の中で相続により空き家の登記上の所有者と実際の所有者が違う場合には,実際の所有者に相続登記を行うよう働き掛けるなど,相続登記未了による空き家問題の複雑化を防ぐための対応を進めることが必要ではないでしょうか。 平成28年度は,空き家等対策計画の策定に取り組まれますが,司法書士や不動産業者をはじめ土地家屋調査士,行政書士など専門家の意見を十分にお聴きし,この間の空き家対策の成果と課題を踏まえ,先駆的な京都市の空き家対策を更に発展させていくことが重要であると考えます。市長のお考えをお聞かせください。 最後に地球温暖化対策についてお尋ねします。京都市は,京都議定書誕生の地として,温暖化対策に対する取組を市民,事業者と一体となって取り組んできました。門川市長1期目の平成20年度に京都市は,全国13都市の環境モデル都市に選ばれ,内閣府による平成25年度の評価では,全国13都市の中で最も高い評価を得るなど,市民,民間団体等と連携し,低炭素社会における都市の活力の創出を目指した取組を進めてきた成果と高く評価をしております。 今回の門川マニフェストでは,市民ぐるみで環境に優しい循環型社会の構築を柱の一つに掲げ,中でも京都議定書からパリ協定につながった気候変動に立ち向かう世界のきずなを踏まえオール京都で更なる挑戦を進めると,地球温暖化対策を強力に推進する意欲を示しておられます。先ほどもパリ市長もおっしゃっていらっしゃいました。 パリ協定で画期的と言われるのは,全世界の人々が参加すること,世界が長期目標を共有したこと,そしてそこから逆算して各国が立てた目標を更新し確認を受けるという点です。具体的には,長期目標として2度削減目標,さらに1.5度にも言及され,その実現に向けて主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出,更新し,その実施状況を報告し確認を受けるとされております。 京都市は,地球温暖化対策条例において,2030年度までに1990年度比で40パーセント削減,当面の目標として2020年度までに25パーセント削減を掲げ,更に長期的には,80パーセント削減を目標に掲げています。これは政府がCOP21で示した削減目標よりも高い目標であり,京都市の誇りと使命感の表れでもあります。東日本大震災以降の電源構成の変化もありますが,京都議定書誕生都市,また環境先進都市の誇りと使命感を持って是非とも目標を堅持し,達成への道筋を示していただきたいと思います。 一方で,これまでの温室効果ガス排出抑制の取組にもかかわらず,地球温暖化によるものと考えられる気象災害等の悪影響の深刻化が指摘されています。温室効果ガス排出を抑制するこれまでの緩和策だけでなく,地球温暖化に伴う気候変動の影響に対して自然や社会の在り方を調整する適応策を講じる必要が指摘されています。 国は,COP21に向けて昨年11月に気候変動の影響への適応計画を閣議決定し,国計画における基本戦略の一つとして,地方公共団体における適応計画策定,普及啓発等の協力等を通じ地域における適応の取組の促進を図るとしております。この気候変動適応策は,地域の自然や社会条件に応じて望まれる取組内容が大きく左右されるため,地方自治体の役割が大変重要になってきます。 そこで,今回の地球温暖化対策計画が改定の好機に当たります。京都市においても何らかの形で適応策を盛り込むべきと考えますが,先のCO2削減目標の達成への道筋と併せて市長のお考えをお聞かせください。 公明党は一人一人が輝く政治の実現に向けて全力で取り組んでまいることをお誓いし,私の質問とさせていただきます。御清聴,誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(大道義知) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,湯浅光彦議員の御質問にお答えいたします。 サービス産業の生産性向上に向けた取組でございます。湯浅議員御指摘のとおり,極めて重要であると認識しております。特に宿泊,飲食,医療,福祉,教育といったサービス分野は,市内の経済循環を促進するとともに,市外からの所得を稼ぐ本市の重要な産業であります。そのため,今後の本市の産業政策の方向性を示す新たな産業戦略ビジョンにおいても,サービス分野の振興による産業連関の強化と産業の高付加価値化を掲げ,サービス分野を軸に業種間の連携を促進し産業全体の付加価値を高めるとともに,担い手の育成や生産性の向上に取り組むことといたしております。 とりわけ,観光を支える宿泊,飲食業における正規雇用を増やし所得水準を高めるため,これまでから1年を通じて観光客を確保することで安定雇用につなげる閑散期対策に特に力を入れ,この10年間で,繁忙期と閑散期の観光客数の差を3.6倍から1.5倍まで縮小したほか,購買力が高い富裕層を顧客とするラグジュアリーホテルの誘致,専門性の高い通訳ガイドや外国人向けタクシーの充実をはじめとする観光の担い手の育成などに取り組んでまいりました。 加えて,来年度は,宿泊業を対象に,業界,学識者,行政で構成する研究会を立ち上げ,就労実態と企業の雇用ニーズの調査を実施し,雇用者と働き手の両方の視点から課題を明らかにする中で,生産性を高める具体的な方策を検討し,安定雇用と雇用の質の向上を実現し,ひいては市民の皆さんの豊かさにつなげてまいります。 次に,貧困家庭等の子供への支援についてでございます。一人一人の子供の将来が,生まれ育った環境によって左右されることのないよう健やかな育ち,学びを保障していくことは社会の使命であり,私は,今日の極めて重要な課題と認識しております。 湯浅議員御指摘のとおり,保育所は,日々の子供の心身の状況を把握できるとともに,保護者と直接関わる機会も多く,子供について様々な情報がキャッチできる,いわば気付きの窓口の一つであり,貧困状態にある子供や養育力に課題のある御家庭を早い段階で支援していく,様々な施策へとつなげていく上で,非常に重要な役割を担っております。 こうした視点から,市民の皆様との大切なお約束,公約の一つとして,子供や青少年の貧困問題の解決を目指したプロジェクトチームを新年度早々に設置し,貧困家庭等の子供への支援策を充実強化することとしており,このプロジェクトにおいて,保育所をはじめ子供たちの育ちの様々な場面におけるソーシャルワークの仕組みづくりも含め,社会全体で貧困問題の解決を目指す方策について全庁的に検討を重ねてまいります。 今後とも,親の経済力や養育能力,子供の教育環境など,子供やその御家庭が置かれている状況を踏まえつつ,一人一人の子供やそれぞれの家庭に寄り添い的確に対応できるよう,最重点で取り組んでまいります。 次に,空き家対策についてでございます。本市では,空き家の活用促進を柱とする,全国でも先進的な空き家対策条例を議会で審議,制定いただき,平成26年4月に施行し,不動産事業者等がボランティアで相談に応じていただく地域の空き家相談員や地元の自治組織の皆様と連携して空き家対策に取り組んでおり,今年度は,当初の想定を上回る勢いで空き家改修の補助金の申請を頂くなど,本市の取組が市民の皆様に浸透してきたものと考えております。 来年度は,地域の空き家相談員を現在の200名から約300名に増員し,身近な相談体制の充実を図るとともに,市外にお住まいの方も含め,空き家所有者お一人お一人に,固定資産税納税通知に併せまして空き家に関する啓発チラシを送付するほか,空き家の流通がより見込まれる交通利便性が高い地域などを重点地区に設定し,空き家所有者に事例を御紹介しつつ活用を働き掛けるなど,積極的かつ直接的な啓発を実施してまいります。 次に,平成27年5月に全面施行された空き家の特別措置法に基づき策定する空き家等対策計画につきましては,従来から多大な御協力をいただいている司法書士や不動産事業者をはじめ幅広い分野の専門家の皆様に御参画いただき,この間の取組の成果と課題をしっかりと総括したうえで,専門家の知見を最大限にいかした計画として策定し,本市の空き家対策を更に進化させてまいります。 次に,地球温暖化対策についてでございます。温室効果ガス排出量を2030年度までに1990年度比40パーセント削減という本市の目標は,国の2013年度比26パーセント削減よりはるかに高い厳しい目標でございます。その目標達成に向けては,世帯数の大幅な増加やサービス産業の活性化により増加した家庭や業務部門の排出量削減が急務であります。そのため,現在,住宅やオフィスビル等の省エネ化の推進対策の強化に加えまして,2030年以降の先を見据えた中長期的な検討課題を盛り込むべく,環境審議会でも御議論いただきながら,地球温暖化対策計画の改定に向けて検討を重ねているところでございます。目標達成への具体的な道筋をしっかりとお示しできるよう取組を進めてまいります。 また温暖化の影響による被害の防止や軽減のための,いわゆる適応策については,地球温暖化対策計画の中に初めて位置付けることとし,広く市民に周知することはもとより,今まで経験をしたことがないような大雨を想定した浸水対策や気温上昇に伴う熱中症予防の啓発など対策の方向性を示し,着実に取り組んでまいります。 今後とも,画期的なパリ協定の採択を受け,また,京都議定書誕生の地,環境先進都市としての誇りと使命感を持って,目標達成に向けて市民,事業者の皆様と一体となって,さらに,先ほどパリ市長との話し合いでも課題にしましたが,パリ市等との連携も深めまして地球温暖化対策を推進してまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(大道義知) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 幼児教育についてでございます。幼児期は,好奇心,協調性,忍耐力等の心情,意欲,態度が育まれ,生涯にわたる人格形成の基礎を培う大切な時期であり,湯浅光彦議員御指摘のとおり,貧困の連鎖を断ち切り子供の能力や可能性を最大限に伸ばすためには,どのような経済的状況の家庭であっても質の高い幼児教育を受けることができる条件整備が重要であります。本市の幼稚園は,公立,私立共に確かな教育方針の下,質の高い幼児教育が行われており,保育料につきましては,年収約270万円未満の世帯はほぼ無料とし,加えて,本市園児の9割以上が通園する私立幼稚園では,例えば年収約360万円未満の世帯は半額程度とするなど家庭の負担を軽減しております。さらに,公立,私立共に小学校3年生までに上のお子さんがおられる場合の第二子を半額とし,27年度からは京都府と連携し,年収約680万円未満の世帯につきましては第一子の年齢に関係なく第三子以降をほぼ無料としております。また共働き家庭や家族の介護が必要な家庭でも幼稚園に通いやすくなるよう,多くの幼稚園で,平日午後6時までの預かり保育を拡充するなど多様な家庭環境に対応した取組を進めております。今後とも,国に対し更なる財政支援を要望するなど保護者負担の軽減に努め,幼児教育を受ける環境の充実を図ってまいります。以上でございます。 ○副議長(大道義知) 次に,ひおき文章議員に発言を許します。ひおき議員。 〔ひおき文章議員登壇(拍手)〕 ◆(ひおき文章議員) 北区選出のひおき文章です。私は,湯浅議員に続き今議会に提案されている平成28年度予算案に対し質問します。門川市政3期目初年度の予算案です。門川市長はじめ理事者の皆さんは,予算案並びにその執行の重要性を十分に把握して御答弁ください。 まずは今回の市長選挙,圧倒的な大勝利おめでとうございます。私たち公明党も全力で支援しました。正に痛快な大勝利です。支援をした私たちは,門川市長には,歴代の京都市長並びに全国の政令指定都市の市長の中でも高い評価が得られるように頑張っていただきたい。また今後は,京都の先人たちより受け継いでいる,まちづくりは人づくりからという哲学を踏まえ,更に魅力ある京都を創ることを期待します。 それでは質問に入ります。まず初めに有権者年齢拡大に伴う取組について質問します。昨年6月17日に成立した改正公職選挙法で,選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。18歳選挙権で新たに有権者となる18,19歳の人は全国で約240万人,京都市では約2万7,000人で,共に全有権者の2パーセントに当たります。18歳選挙権は世界の大勢で,昨年12月現在で199の国,地域のうち約9割の176の国,地域で認められています。公明党は45年以上前から国会質問で選挙権年齢の引下げを訴えてきました。日本の選挙制度において70年ぶりの大きな制度改正であり,日本の未来を創るための大きな第一歩です。新たな有権者の存在は政治を動かす力そのものになる可能性が期待できます。是非とも多くの若者が政治に関心を持ち,参加してもらいたいものです。 学校現場では,既に生徒が選挙の仕組みなどを学ぶ主権者教育が行われ,若者に有権者としての自覚を促す取組が始まっています。今後ますます政党や政治家の役割が重要になりますので,今回の制度改正が十分に効果を発揮できるように私もしっかりと取り組みます。 本市においては,制度改正に伴い教育委員会,選挙管理委員会の連携の下,取組を進めていますが,更に強化すべきです。教育委員会では,市立の小学校から高校まで主権者教育を導入する予定で,来年度から各学年に合わせ,身近な地域課題をテーマに模擬投票などを実施する方針です。選挙管理委員会では,若い世代に対するこれまでの啓発事業に加え,若者の投票参加を呼び掛ける活動を行う学生団体との連携を強化し,若者の自発的な活動を促す取組を行っていきます。現在までに教育委員会では,市立高校教員を対象に,主権者教育推進のための初の研修会を昨年11月に行いました。参加した教員は,「政治的中立性の下,どうすればいいのか模索中だ。政治への関心と公選法の内容を両輪で教えるのが難しい」と話していました。また,高校生を対象にした模擬投票などの啓発運動を受ける子供たちの中には,政治を自分の問題として積極的に受け止めようという姿勢の一方で,「自分の選択は正しいのか,次世代の暮らしまで自分たちが決めていいのか」などの不安や戸惑いの声も聞こえます。教える側の教師と教えられる側の生徒共に今回の公職選挙法改正の意義は感じているが,戸惑いがあるのも事実です。このような現状等を踏まえ,今後具合的にどのように取り組まれるのかお伺いします。 また,特に投票率の低い市長選挙に対する今後の取組として,市長が若者と直接対話をすることが大事です。特に大学の多い京都市では,市長が大学に赴いて学生等との対話や講演を行い,市政への関心を持てるようにすべきです。併せてお答えください。 次に,京都経済の更なる活性化と安定した雇用の創出の推進について質問します。平成28年度予算案の4本柱の第一は経済,雇用です。門川市政3期目の最も重要な政策であり,国の経済再生,成長戦略と連動して必ず成果を出し,中小企業,小規模事業者や市民の方々が景気の回復を実感できるようにしなければなりません。先ほど湯浅議員が紹介したとおり,京都財務事務所が1月に発表した京都経済情勢報告は,企業の生産活動が高水準に推移しているため,これまでの「持ち直し」から「回復」に改めました。京都府,京都市,産業支援機関が取り組む京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクトで,本年度まで2年半の雇用者数が目標の2,000人を上回る3,300人に達しました。厚生労働省から採択を受けた全国23府県ではトップで,府は厚生労働省に来年度から3年間の継続を申請しました。京都市が昨年12月に行った京都市中小企業経営動向実態調査でも,現在までの実績や今後の見通しは,細部にわたる項目において良好となっています。今年の賃金水準についても,引き上げる予定と回答した企業は49.1パーセントとなり,前年より5.4ポイント上昇しました。市は,業績見通しが上向き賃上げへの意欲が高まりつつあるとしています。ただし現在の金融市場の混乱は日本経済の下押し材料になる可能性があり,政府,日銀は市場や金融システム全体に目配りをすべきです。 本市の経済政策は,平成28年度から新たに京都市産業戦略ビジョン(仮称)に基づき推進されます。京都経済を取り巻く状況の変化を踏まえた新たな視点からの取組が大いに期待されます。そこで以下の点について質問します。 1点目は,若者の意欲や力を引き出すビジネス環境の創出,特に京都で起業,業を起こすことに挑戦する人を増やすための取組の強化です。伝統産業と並んで京都経済を象徴するのは,ものづくりを中心としたベンチャーです。京都市では戦後,堀場製作所やワコール,ローム,京セラ,日本電産などが次々に誕生し,ベンチャーの都と呼ばれました。全事業所に占める新規開設の割合を示す開業率を見ると,平成24年から26年の京都市は,6.4パーセントと調査開始以来最高でした。しかし,人口100万人以上の政令指定都市の中では最も低く,ベンチャーの都復活に向けた対策が必要です。 そこで是非とも取り組んでもらいたいのが,起業家教育の強化充実です。起業家教育とは,子供たちに,チャレンジ精神や創造性などの起業家精神,情報収集や分析能力,判断力,コミュニケーション能力といった資質,能力を育成するために実施される教育です。小中学生にこれらの精神や能力を学んでもらおうと,国は,今年度から起業家教育普及促進事業を各地で展開しています。京都市では,山科区の大宅小学校,左京区の修学院中学校で行われています。 国が起業家教育を導入する背景には,先進国と比べた日本の起業率の低さがあります。国は,成長戦略の中で,開業率(起業率)が廃業率を上回る状態を目指しています。起業率を高めることで,新規雇用やイノベーション(技術革新)の創出,生産性の向上につなげ,経済成長が見込めます。小中学校の段階で起業家教育を普及させることで,将来,起業を促す狙いもあります。また,子供の自己肯定感を高める教育的な効果も期待されます。 国の「子ども・若者白書」によると,日本の若者のうち,自分自身に満足している割合は5割弱,自分には長所があると思っている割合は7割弱で,いずれも諸外国と比べ日本が最も低い状況です。自分に自信がなかったり,長所に無自覚でいると,いざという時に本来の能力を発揮できないこともあります。これまで起業家教育を実施してきた学校への調査では,起業家教育の導入によって,小学生ではチャレンジ精神,積極性が高まったという回答が8割以上,自信,自己肯定感が高まったが7割以上に上っています。地域の担い手となる新しい企業の育成や,経済をけん引する新しい産業の創出を目指して,起業家教育に注目が集まっています。 本市における現在までの取組の成果と課題を踏まえ,今後,更に重要となる本市独自の起業家教育を推進すべきですがいかがでしょうか。 2点目は,新たな企業の誘致,企業の立地環境の整備促進についてです。新たな企業の立地により,中小企業への発注など新たな商取引が生まれ,雇用機会が創出される。京都に集まる人が増えることで新たなにぎわいが生まれるなど企業誘致は様々な点で都市の活力や魅力の向上に寄与しますので,今後積極的に取り組むべきです。現在京都の企業立地は順調に増えており,本市の企業立地促進助成制度の利用が高水準で推移しています。穏やかな景気回復を受け,企業が設備投資を積極化し,昨年度までの累計が100件に達し,目標の100件を1年前倒しで達成しました。昨年度までの補助金交付額は約17億8,000万円で,雇用増加数は約2,800人,投資額は何と約1,000億円に上ります。本年度も企業の投資意欲は旺盛で,過去最多だった平成25年度の実績15件を上回り20件となりました。さらに市内企業も含め多くの企業が京都での企業立地や事業拡大を希望していますが,新たな産業用地の確保が困難となっています。 経済産業活性化のチャンスを何としてもいかさなければなりません。そのためにも来年度予算案の新規事業である新たな産業用地の創出に向けた調査をしっかりと行っていただきたい。そして,外国企業も含め市内外の企業の積極的なニーズに応えられるよう,新たな産業用地の創出に向けたビジョンを策定し,企業立地促進制度と併せて新たな企業の誘致,企業の立地環境の整備を強力に推進すべきですがいかがでしょうか。 次に,子育て環境日本一への取組について質問します。小さな子供たちが本来最も自分の身を守ってくれるはずの親によって,命を失われるという事件が後を絶ちません。このような悲惨な事件の報道を目にする度に,私の心は張り裂けそうになります。現在我が国では,少子化,家族規模の縮小,地域の共同関係の希薄化等を背景として,家庭や地域の子育て力の低下が懸念されています。平成25年10月に実施した京都市子育て支援に関する市民ニーズ調査では,特に母親において子育てに不安や負担を感じている人が多く見られます。またこの5年間で,児童虐待の相談,通告件数が大幅に増加し,児童虐待として認定される件数も増加しています。正に未然防止や早期発見などの取組が重要です。 さらに,近年では,スマートフォンの急速な普及に伴い,長時間利用による生活習慣の乱れや犯罪やいじめに巻き込まれる危険性が危惧されるなど,子供の生活や安全性への悪影響も懸念されています。瞳を輝かせ,夢と希望にあふれた子供たちが更に増えていくためにも,子育ての楽しさをみんなで共有できるまちづくりを進めたいと考えます。 現在本市では,平成19年2月に誕生した子どもを共に育む京都市民憲章(愛称:京都はぐくみ憲章)の理念の下,平成27年1月に新たに策定された京都市未来こどもはぐくみプランに基づき,子育て支援策を推進しています。このプランは正に総合支援策として,京都市子ども・子育て支援事業計画をはじめ子育てに係る六つの計画を一体的に盛り込んで策定されました。子供の年齢は,0歳からおおむね18歳未満で大変幅広く,関係部局も保健福祉局,文化市民局,教育委員会等にわたっています。このプランを確実に推進し成果を出すためには,子育て支援体制強化のために新たな局を創設し,具体的な取組を推進すべきです。子育て支援のための局の創設は,今まで公明党市会議員団として積極的に取り組み,私も含め多くの議員が本会議や委員会で取り上げました。 平成18年8月公明党市会議員団は,福岡市の次世代育成支援行動計画について調査しました。福岡市では,子ども未来局や次世代育成支援協議会を設置するとともに,福岡市子ども未来基金を創設し支援策を推進していました。この内容については,平成18年9月定例会の本会議質問で我が会派の曽我議員が紹介しています。私も平成23年10月の経済総務委員会で触れました。従来京都市は,担当局の創設には,関係部局が広範にわたる,設置している他の政令指定都市では事業が必ずしもスムーズに推進されていない等の理由で積極的ではありませんでした。しかし平成28年1月現在で,20政令指定都市中17都市が「子ども」等を冠する局を設置しています。本市の長年にわたる検討の成果と他都市の状況を踏まえ,本市独自の全国でも先進的な子育て支援のための局を作るべきです。 今回の市長選挙のマニフェストで門川市長は,子どもはぐくみ局(仮称)を創設,子育て支援コンシェルジュを創設,子どもの医療費の負担軽減を更に拡充ということを公約しており,以上述べてきた点を踏まえ具体的に実行すべきですがいかがでしょうか。 最後にオープンデータの利活用の推進について質問します。オープンデータとは,行政機関が保有する様々な情報を誰もが二次利用できる形で,無償で公開するものであり,近年より透明性を高め,市民の参画や行政と市民の協働を促進するオープンガバメントの流れを受け,公共データの活用促進(オープンデータ)への関心が高まっています。オープンデータの民間での利活用の促進により,行政機関が中心となりサービスを提供しなくても,民間主導でネットワークを通じた多様な公共サービスが創造されます。諸外国を見ると,特に英国,フランスや米国が積極的に公共データのオープン化と有効活用を進めています。我が国でも,平成24年7月に高度情報通信ネットワーク社会推進本部(IT戦略本部)で決定された,電子行政オープンデータ戦略に基づき推進されていますが,地方公共団体での活発な取組はこれからです。 国の電子行政オープンデータ戦略では,オープンデータの意義,目的について,1,行政の透明性,信頼性の向上,2,市民参加,官民協働の推進,3,経済の活性化,行政の効率化の3点が挙げられています。以上のとおり今後ますます重要性を増すオープンデータの利活用に関し,本市でも先進的に取り組んでいただくために,2月23日公明党市会議員団として門川市長に対し,「京都市におけるオープンデータの利活用の推進に向けた提言」と題した政策提言を行いました。(実物を示す)これがその提言書です。この提言を参考にして,今後ぜひとも全国のモデルとなるような取組を行っていただきたい。本市でも今後積極的に取り組む方針であり,「京プラン」後期実施計画(骨子)の行政経営の大綱の中で取り上げています。 本市の取組を推進するには,次の点が重要です。国の電子行政オープンデータ戦略に対応し,本市の状況を踏まえた独自の京都市オープンデータビジョンを策定し,具体的な取組について職員,民間企業,団体,市民等に明確に情報発信する。現在20政令指定都市中11市が指針あるいはガイドラインを策定しています。このことと併せて,イノベーションを生み出すプラットホームとしてのオープンデータ活用環境の整備に取り組む。以上の点をしっかり踏まえ推進すべきですがいかがでしょうか。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(大道義知) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) ひおき文章議員の御質問にお答えいたします。 まず,主権者教育についてでございます。先の市長選におきましては,残念ながら前回の投票率を下回る結果となりました。京都を含め我が国における今日の投票率の低下,とりわけ若者世代の低い投票率は,民主主義の根幹に関わる危機であると認識しており,この度の公職選挙法の70年ぶりの歴史的改正を契機として,より一層の若者に対する主権者教育の推進が必要であると認識しております。本市においても,公共の精神を育み,社会問題への関心を高め,責任を持って政治参加する若者の育成に取り組まねばなりません。このため,教育委員会においては,小学校から高等学校までの発達段階に応じて,各校で取り組むべき授業の実践例等を示し,個々の学校の先生がそれぞれ自信を持ってしっかりと指導できるための教育学習指導案集を今年度末までに本市独自で作成し,その活用を通じて,体系的な取組をより一層推進することとしており,そうした取組を支援してまいります。 また,選挙管理委員会においては,学生選挙サポーターなど大学生による選挙事務協力に加えまして,高校生による選挙事務体験の実施や明るい選挙出前授業の中学,高校への拡大と共に,選挙啓発を行う学生団体への支援制度の充実に取り組んでいるところであります。 私は,若者の市政への関心を高めるためには,これまでから,各種審議会への若者の参画,学生の参画,また大学に出向いてのパブリック・コメントの実施など,政策形成過程へも参画することを促進する,そんなことも取り組んでまいりました。大学のまち,学生のまちとしての強みをいかし,大学生が,また大学が地域のまちづくり等に積極的に参加する仕組みづくりを最優先で実施してまいりました。私自身も今日まで大学に出掛けシンポジウムに参画する,あるいは講義をする等にも取り組んでまいりました。今後もひおき議員御指摘のとおり,私自身も含めまして,学生との対話や大学での講義等も行うなど,大学生や大学の,市政や地域のまちづくりへの参画を一層推進し,その成果を政策の中にも積極的に取り入れることで,市政への関心を一層高めていけるように,そしてそのことが京都の活性化になるように取り組んでまいります。 次に,子どもはぐくみ局についてでございます。子育て支援のための局組織の創設については,公明党市会議員団をはじめ市会の先生方から,その必要性について貴重な御意見を賜ってまいりました。私自身もこの間,保育所等の待機児童ゼロの達成など取組を一層推進するとともに,ひおき議員御指摘の,家庭や地域での子育て力の低下や児童虐待件数の増加等の問題に的確に対応するとともに,子どもはぐくみ憲章の実践など子育ての喜びを市民の皆さんと共有し,創造的な取組ができる,そうしたことも含めた中核となる子どもはぐくみ局の構想を描いてまいりました。 新局の創設に当たっては,子供のライフステージに応じた切れ目のない施策展開を実現するため,各局で実施する子ども・子育て支援事業の融合にとどまらず,市民に最も身近な区役所における複数の子供関連窓口の一元化など大規模な組織の再編が重要であると考えております。このため,この4月に新局創設に向けた庁内検討チームを設け,市会の先生方や子育て支援に関わる各関係団体等からもしっかりと御意見を頂き,十分に準備を整えたうえで,平成29年度当初に設置いたします。 また,公約でお示ししました子育てに関する支援施策をワンストップで総合的に案内する子育て支援コンシェルジュについても,来年度の早々に準備を開始し,市民の皆様のニーズにしっかりと応えられるものとなるように検討を深め,できるだけ早期の設置に向けて取り組んでまいります。同時に子ども医療費の負担軽減など従前の取組の一層の深化にも努めて,全ての子供たちが健やかで心豊かに育まれ,市民の皆様が子育ての喜びを実感できる京都を実現してまいります。 次に,オープンデータの利活用の推進についてでございます。先日の提言書をじっくりと読ませていただきました。オープンデータは様々な方々に広く活用いただくことにより,市民の皆様の安心安全に資するとともに新たなサービスの創出による産業の振興に寄与するなど,これから飛躍的に発展させていくべき分野であると私も認識しております。こうした認識の下,京都市におきましては,公共交通優先の歩くまち・京都における交通分野のオープンデータ化事業,道路,河川,公園などの維持管理を市民の皆様と協働して行うアプリみっけ隊の実証実験,さらに,全市町村の統計情報を手軽に比較できる次世代統計アプリの開発などに先行して着手しているところでございます。 今後,あらゆる政策分野において,オール市役所でオープンデータの取組を積極的に推進するため,その目的や考え方を明示したガイドラインを早期に策定してまいります。来年度は,このガイドラインの下に,市民の皆様や市内の企業等が利用しやすい環境整備を図り,オープンデータの利活用を促進するため,必要なデータを容易に入手できるポータルサイトを構築するとともに,データ利用に係るニーズ把握とアイデアの共有を行う意見交換会を開催いたします。京都市といたしましては,今後,オープンデータ活用環境の整備を強力に進め,更なる市民サービスの向上や地域経済の活性化など,全国のモデルとなるような新たな価値イノベーションを生み出してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(大道義知) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) 企業立地,企業誘致の推進についてでございます。京都経済の活力を高め,市民の豊かな暮らしを実現するためには,京都市内に立地する企業の新たな投資を促すとともに,京都の立地環境の魅力を高め,新規雇用を生み出す企業を呼び込むことが重要であります。そのため,本市では,専任の部長,課長を配置しワンストップ窓口を設けるなど企業立地を推進するための体制を強化するとともに,企業立地促進助成制度の充実を図るなど市内での設備投資を積極的に支援し,助成制度の利用は,今年度過去最高の20件になりました。さらに,外資系や首都圏企業,大使館等を対象にした企業誘致セミナーを,産学公の京都力を結集して東京で開催し,市長自らがトップセールスを行うとともに,京都の強みや優れた立地環境を発信するなど京都への企業誘致に向けた取組を継続的に展開しているところであります。こうした取組により,京都での立地について関心が高まる中,ひおき議員御指摘のように,国内外の企業の投資意欲に応えるための用地の確保が求められており,京都創生総合戦略や「京プラン」後期実施計画(案)にも新たな産業用地の創出を重要な取組として位置付けを行いました。そこで,来年度は,今後更に企業の進出が見込まれる久我,羽束師の工業専用地域をはじめ,市内の未活用の土地について,新たな産業用地としての活用に向けた調査を実施いたします。今後,その調査結果を踏まえ,市有地の有効利用を含め,地区計画や用途地域などの都市計画手法の活用や道路をはじめとするインフラ整備の手法など具体的な方策を検討し,魅力ある立地環境の整備に取り組んでまいります。今後とも京都経済の更なる活性化に向け,全庁を挙げて企業立地,企業誘致を推進してまいります。以上でございます。
    ○副議長(大道義知) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 起業家教育についてでございます。ひおき文章議員御指摘のとおり,経済の活性化は本市の最重要課題の一つであり,現在,策定作業中の京都市産業戦略ビジョンにおきましても,ベンチャー企業の育成,とりわけ起業家の育成や起業家教育が重点項目として位置付けられております。そうした下,本市では,これまでから起業家教育を生き方探究教育と位置付け,小学校から発達段階に応じた体験活動を伴うカリキュラムを示し全校で取り組んでおり,産学公連携で運営する京都まなびの街生き方探究館での企業創業者の生き方や情熱等を学ぶ京都モノづくりの殿堂の取組が,本年度の文部科学省,経済産業省のキャリア教育推進連携表彰の最優秀賞を受賞するなど高く評価されております。さらに,経済産業省起業家教育普及促進事業の指定を受ける本市の小中学校では,地元商店街等と連携した商品の開発,販売を実施し,また,高校では,株式会社を校内で設立し商品の開発,生産,販売を行い,その経営成果を株主総会で報告するなど先進的な活動に取り組んでおり,来年度は,こうした活動を更に拡充し,その成果を広く発信して,全国のモデルとなる本市独自の起業家教育を推進してまいります。また,産業観光局において,起業家精神にあふれる大学生や若手社会人を対象にビジネスモデルの策定やプレゼンテーション技術の向上等を目指した起業ビジネス講座を開催するとともに,インキュベーション施設などを活用し,京都市内での起業,開業の推進やベンチャーの育成が図られております。今後とも,小中学校段階から起業家の志や努力等から自分の生き方を考え,自己肯定感を高め,チャレンジ精神や創造性などの起業家として求められる資質,能力の育成に一層努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(大道義知) 次に,久保勝信議員に発言を許します。久保議員。 〔久保勝信議員登壇(拍手)〕 ◆(久保勝信議員) 山科区選出の久保勝信でございます。湯浅光彦議員,ひおき文章議員に引き続き,市政一般について質問を行います。市長,並びに副市長,関係理事者の皆様の誠意ある御答弁を期待いたします。 まず初めに,全ての子供たちが安心して学ぶことのできる環境づくりのための取組について,お伺いをいたします。昨年,新しい教育委員会制度に変わり,新教育長の設置がされ,在田教育長が就任され,間もなく1年を迎えられます。就任当時のマスコミのインタビューなどでも,「恵まれない子供たちに,できる限りの支援を行うのが,公教育の最も大きな役割の一つである」と語られました。今,特に,家庭の経済状況の差が学力の差として表れていることが課題となる中で,学習が困難な生徒の学力を保障するための取組として未来スタディ・サポート教室に着手をされ,中学1年生から3年生の学習が遅れがちな生徒に対して,国語,数学,社会,理科,英語を1年間を通じて放課後に学習するという取組を現在31校で実施をしていただいております。この事業には,各校10人程度の生徒が参加をし,大変好評であり,勉強して分かる喜びや楽しみが実感できていると伺っております。どうか,全校実施へ向けての取組をお願い申し上げます。 また,この経済格差と学力格差の問題と同様に,子供たちを取り巻く今日的な課題として不登校の問題があります。全国的にも,最新のデータでは,25年度から26年度で小中学校の不登校児童生徒が約3,200人増加し,12万人を超える数値となっております。毎年新規で不登校になる生徒が,約6万2,000人いると言われ,前年の40パーセントが復帰しますが,前年と合わすと12万人を超え,この新規で不登校になる約6万2,000人の生徒をいかに減らすかが,今,国においても大きな課題となっていると伺っております。また,それに加えて,約4万2,000人の生徒が,問題を解決できないままに義務教育を終えてしまっているという現状があります。本市においても,この5年間900人台で推移するなど,依然として高止まりの状態にあります。不登校の定義は,年間で30日以上休むということでありますから,それ未満を含めると,非常に多くの困りを抱える児童生徒がいるということであります。 そうした中,私ども,公明党議員団においても,国本友利議員,かわしま優子議員をはじめ,これまでからも,不登校の課題解決に向けて,困りを抱える児童生徒と家庭への支援をするための様々な取組を訴えてまいりました。学校での専門的な知識を持ったスクールカウンセラーや福祉機関との連携を進めるスクールソーシャルワーカーの配置拡大をはじめ,思春期の子供を持つ保護者を対象とする,子供の関わり方の参考となる冊子の作成や地域社会から孤立しがちな家庭に対する訪問型の家庭教育支援の充実など具体的な提案を行い,今,教育委員会においても着実に取組を進めていただいているところであります。 しかし,私自身,地元山科で市民相談などで色々お伺いする中で,子供たちが抱える困りや悩みを解決することの難しさを本当に実感しており,不登校の未然防止はもちろん,不登校になった子供たちの心のケアや居場所づくりには,家庭と地域,学校,そして関係機関,団体が一層連携して地道な取組を積み重ねなければならないと思います。 そこで,支援が届きにくい家庭に対して,地域人材を中心にきめ細やかな活動を組織的に行う仕組みを進めていくためにも,教育相談や子育て,児童相談も含めた一元化総合窓口を区レベルに新たに設けるとともに,家庭教育支援については,地域,関係機関,団体が入った家庭教育支援チームを作り,支援,啓発,相談による見守り体制を作り,地域課題に応じた柔軟な取組が重要であることを提案いたします。 子供たちが直面する課題やその背景は,ますます複雑,多様化する中で,これからも,子供たちが安心して生活し学ぶことのできる環境づくりを進めていただきたいと考えておりますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 次に,障害を理由とする差別の解消に向けた取組についてお伺いいたします。2006年12月,第61回国連総会において,障害者への差別をなくし社会参加を促す障害者権利条約が全会一致で採択をされ,2008年5月に発効されました。この条約は,締結国に対して,障害者が健常者と同等の権利を得られるよう立法措置を行うことを義務付けているほか,誰もが有する教育や,健康,就職,結婚などの権利を保障するよう求めております。また,障害の重さは,個人の側ではなく社会との相互作用によって決まるとする理念に立ち,障害者が暮らしやすいかどうかは社会の側に責任があるというのが新しい国際ルールとなりました。 我が国においても,2007年に条約に署名しておりましたが,国内法が未整備であったため,「拙速な批准を避け国内法の整備を進めるべきだ」との当事者団体の意見を踏まえて関係法の整備を進めてきました。私ども公明党は,国内法の整備に向けて当事者団体との意見交換を重ね,障害者基本法の改正,障害者虐待防止法,障害者総合支援法の成立も主導してまいりました。さらに,2013年6月,障害を理由にした差別的取扱いの禁止などを盛り込んだ障害者差別解消法を成立に導き,そして2014年1月に条約が締結されました。 この障害者権利条約が批准されることにより,差別なき社会に関する世界共通のスケールが日本に持ち込まれ,目標も条約に沿って設定できるようになりました。しかし,この条約は,障害者の新しい権利を主張しているわけでなく,障害のない市民との生活水準の平等性,公平性を求めており,格差を埋めていくことが大きな目標となります。そして,この4月から施行される障害者差別解消法についても,こうした法整備の一環であり,差別の禁止をより具体化するものであります。 本市におかれては,障害者差別解消法の施行に当たって,このほど,京都市職員の業務上,服務上の指針となる,いわゆる対応要領が策定をされ,先の教育福祉委員会にも報告をされました。この法は,行政や民間事業者に対して,障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止し,そして社会的障壁を除外するための合理的配慮を行うことを義務付けており,全庁統一的な考え方の下で,これに適応するために本市の対応要領を策定されたとのことであります。この対応要領を実効性あるものとし,障害のある人もない人も共に共生できる社会を実現していくためには理念やビジョンをしっかりと共有し,そのための具体策を,より着実に推進していくことが大切であります。また,そのことが本市だけでなく,民間事業者も含めたオール京都での取組につながっていくものと考えます。 そこで,特に,障害を理由に差別的な取扱いを受けた場合に,その状況を受け止め丁寧に相談に応じる仕組みや,本市としての協議機関の具体化も必要であります。施行の初期段階においては,新たな総合的な相談窓口の設置や専門相談員による関係機関への調整,制度や慣行など構造的な課題に取り組む推進会議の設置もすべきと考えます。そのうえで,本市の対応要領に基づく新たな実効性ある取組をお示しください。 次に,高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう,住民参加型による多様な地域の助け合いについてお伺いいたします。本市の高齢者人口は,約38万人ですが,いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025年には43万人を超え,高齢化率は30.4パーセント,およそ市民の三人に一人は高齢者,そして五人に一人が後期高齢者になると見込まれております。また,市内の要支援,要介護認定者数は,今,約8万人ですが,2025年には約3万人増え,10万人を超えると見込まれております。こうした本格的な長寿社会の到来を10年後に控え,今から備えをしっかりとしていく必要があります。 こうした中,高齢者の皆様が,住み慣れた地域で暮らし続けられるよう,住民参加型による多様な地域の助け合いを創出するため,平成27年度の介護保険制度改正により介護予防・日常生活支援総合事業,いわゆる新しい総合事業が実施されることとなりました。これまで要支援1,2に対する訪問介護と通所介護は全国一律の基準で介護保険給付として提供されてきましたが,今回の改正により,総合事業については今ある介護予防サービス事業所によるサービスに加え,市町村が地域の実情に応じてNPOや住民ボランティアなどによる多様なサービスと併せて提供できるようになります。 総合事業の成否は,地域での受皿作りをはじめ,サービス提供体制の確保に掛かっていると言っても過言ではありません。今ある介護予防サービス事業所はもとより様々な高齢者支援のサービスを実施している多くの団体から参画,協力いただけるよう,しっかりと仕組みづくりを進めることが不可欠であります。加えて,多様な団体からの参画を得るためには,報酬や基準などをできる限り速やかに示していく必要があります。また,これまでの介護予防は,要支援者に対する機能回復訓練が中心でありましたが,これからの介護予防は,地域社会への参加などを通じて,一人一人の生きがいや自己実現につなげていくことが求められております。門川市長の市民の皆様との133のお約束の中にも高齢者の皆様に,活躍していただくための仕組みづくりが挙げられております。地域には元気な高齢者の皆様がたくさんおられますが,こうした元気な高齢者の皆様が,地域で様々な活動を通して,地域貢献や高齢者自身の介護予防にもつなげていけるような地域づくりを進めていく必要があります。 そこで,お伺いいたします。28年度は,総合事業の実施に向けた準備を進めるうえで非常に重要な年であります。本市の予算案では,地域支え合い活動創出コーディネーターの設置や高齢者の支え合い担い手養成などの事業費が計上されておりますが,29年4月からの新しい総合事業のスタートに向けて,今後,どのように取り組まれていくのか御所見をお伺いいたします。 まず,ここまでの答弁をお願い申し上げます。 ○副議長(大道義知) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 久保勝信議員の御質問にお答えいたします。 障害を理由とする差別の解消についてでございます。人権文化の息づくまち・京都では,我が国で初めて障害のある子供たちの教育の場が設置され,また,全国に先駆けて取り組んだ障害のある人に優しいまちづくりなど様々な先進的な取組が今日まで進められてまいりました。障害者差別解消法の施行に当たりましては,こうした京都での積み重ねを踏まえ,障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現に向け,更に取組を強化してまいります。 具体的には,まず法の趣旨を本市の全職員が理解して行動できるよう,全ての職場を対象とした京都市対応要領を1月に策定し公表いたしました。この対応要領により,全ての職員が障害のある人に対して,できる限りの配慮や工夫を尽くす合理的配慮を提供するよう徹底し,それぞれの職場において,一人一人の職員が相談窓口となって障害のある人や御家族からの相談にしっかりと対応してまいります。また,職員に寄せられた相談に対する具体的対応を,各局区等に設置している人権行政推進主任や担当の保健福祉局が組織的にサポートするとともに,久保議員の御指摘を踏まえまして関係機関,専門職,障害のある方当事者等によるネットワーク組織である京都市障害者自立支援協議会権利擁護部会に行政も新たに加わり取組内容や相談事例について協議,検証した結果等をいかしていくことで,取組の推進にしっかりとした役割を果たしてまいります。さらに,この4月1日からの法の施行に当たりましては,新たに作成したリーフレットを最大限に活用するなど,あらゆる機会を捉えまして広く市民や事業者の皆様にその理念や趣旨を発信,啓発し,本市の職員,また職場が率先して行動するとともに,幅広い市民の皆様の理解の下に共生社会の実現に向け取り組んでまいります。 次に,高齢者の地域での生活を支える新たな総合事業についてでございます。私は,高齢者の皆さんが,住み慣れた地域で暮らし続けられるようにするためには,お一人お一人に寄り添い,地域できめ細やかに支え合う仕組みづくりが何より重要であると認識しております。本市では,これまでから政令市の中でも充実した体制の民生委員や本市独自の制度である老人福祉員など関係団体等による京都ならではの地域力をいかした生活支援サービスの充実に取り組んでまいりました。平成29年4月の総合事業の開始に向けては,要支援者へのデイサービス及びヘルパー派遣に加えまして,例えば電球の交換や見守りなど日常生活のちょっとした困り事や不安にも対応できる多様なサービスを提供していけるよう,本年度NPO等に対する実態調査や既存の介護事業者に対する参入意向調査に取り組んでまいりました。今後調査の結果や現在取り組んでいる高齢者支え合い活動創出モデル事業の実施状況等を踏まえまして,多くの参画を得て,きめ細かなサービスが提供できるよう鋭意検討を深め,事業の枠組を来年度早々にもお示ししてまいります。また,新たに取り組む高齢者支え合い担い手づくり事業等を通じまして,高齢者に地域の支え手として様々な活躍をしていただく,そのことが生きがいづくりにつながり,ひいては健康寿命の延伸にもつながるようなあらゆる政策の融合が必要であると考えております。さらに,行政区単位で設置する地域支え合い活動創出コーディネーターを中心に,関係機関と緊密に連携しながら,地域のニーズにしっかりと対応した,多様な生活支援サービスの充実,強化に取り組んでまいります。今後とも,世界一健康長寿のまち・京都の実現に向けた取組と重ねまして,京都の地域力をいかし全力で取組を進めてまいります。 ○副議長(大道義知) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 子どもたちが安心して生活し学べる環境づくりについてでございます。久保勝信議員御指摘のとおり,家庭の経済状況による学力格差や不登校問題等の課題解決を図るうえで,困りを抱える子供たちや家庭への支援は極めて重要であります。本市では,これまでから各学校でのきめ細かな家庭訪問により子供たちの様子や家庭環境等を的確に把握するとともに,全校配置のスクールカウンセラーや来年度以降も配置拡大を図るスクールソーシャルワーカー等の専門家の知見をいかし,児童相談所等,関係機関と連携して,各家庭への必要な支援に取り組んでおります。議員御提案の,支援が届きにくい家庭への区レベルの一元化総合窓口や家庭教育支援チームにつきましては,昨年度から,現在全ての区役所,支所に,経験豊かな校長等である首席社会教育主事を子ども育みサポーターとして配置しており,更にその役割と機能を充実させるとともに,今後全庁的に検討されます子どもはぐくみ局の下で新たに創設される子育て支援コンシェルジュ等との連携や,地域の方々にも御協力いただく支援の仕組みづくりを検討してまいります。また,子供たちが安心して学べる環境づくりにつきましては,本市独自に,小学校3年から中学3年生まで計13回にわたりきめ細かく実施する確認テストや,予習,復習教材の活用を通して確かな学力の定着を図る小中一貫学習支援プログラムにつきまして,就学援助の対象家庭については無償で実施しており,さらに今年度からは様々な理由で学力や学習習慣が身に付いていない中学生を対象に補習等を行う未来スタディ・サポート教室を新たに開始し,来年度は更に拡大を図り,今後全ての中学校での実施を目指してまいります。今後とも一人一人の子供を徹底的に大切にする本市教育の理念の下,取組の充実に努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(大道義知) 久保議員。 〔久保勝信議員登壇〕 ◆(久保勝信議員) 次に,ひとり暮らしの高齢者の葬儀,納骨などの支援についてお伺いをいたします。本市の市営葬儀は,約11年前に,利用件数の大幅な減少と共に運営経費の大半が公費で占められていたことから,公営葬儀事業の役割,必要性なども含めて,事業そのものの在り方を見直す検討がされた結果,平成17年4月をもって廃止をされました。廃止以降は,生活保護受給者の方についても民間事業者が葬祭扶助基準内での葬儀も行われてきましたが,しかし依然として所得の低い方への葬祭執行については配慮が必要ではないかというお声は今も根強く残っております。また,本市には,約8万人を超えるおひとり暮らしの高齢者の方がおられ,ますます増加傾向にあります。そして残念なことに,引き取り手がない御遺体も年間約40体に上っております。民生委員の方や町内会の役員の方からも,おひとり暮らしの高齢者の終活課題,いわゆる葬儀,納骨,死亡届出人などについて,あらかじめ相談に応じてほしいという御意見も多くいただいております。そして,何より,おひとり暮らしの高齢者の方々からは,死後どうなるのか,葬儀はどうしたらいいのか,非常に不安であるというお声も多く聴きます。こういったお声に対して,揺りかごから墓場までと呼ばれる福祉サービスの幅をもう一つ広げて,ひとり暮らしで身寄りがなく生活にゆとりがない高齢者の方々の葬儀,納骨,死亡届出人などの終活課題について,あらかじめ解決を図り,生き生きとした人生を送っていただくことを目的とした事業が,今,必要であると考えます。 横須賀市においては,昨年6月よりエンディングプラン・サポート事業として,ひとり暮らしの高齢者の方々の終活課題についての相談事業を始められ,解決策について一緒にプランを立て,これを保管して登録されており,大変好評であると伺っております。そして何より,おひとり暮らしの御高齢者の方々からは,死後どうなるのか不安だったが,これで安心できるというお声も大変多いそうであります。本市においても,ひとり暮らしの高齢者の終活課題についての相談事業を開始すべきと考えます。 また,葬祭執行に当たり,国保の被保険者が死亡した際に葬祭費が5万円支給されますが,後払いのために葬祭費用の捻出に苦慮されることが多く,申請日支給に,近づけるような仕組みに改めるべきであります。本市としての御所見をお伺いいたします。 最後に,青少年の薬物乱用防止の取組についてお伺いをいたします。昨年,本市においては,小学6年生男子が大麻を使用したとされるショッキングな事案や,高校生の大麻所持容疑での逮捕が相次いで起こるなど薬物乱用に関する青少年を取り巻く環境は大変憂慮すべき状況にあり,未来を担う子供たちの健全な育成のためにも,学校,保護者,地域,関係機関,団体も含めた連携を強化し,徹底した薬物乱用防止対策が,今,急務となっております。 こうした状況を踏まえて,私ども,公明党市会議員団は,昨年の11月20日に,青少年の薬物乱用防止対策に関する緊急要望を本市と本市教育委員会に対して申入れを行いました。現在,具体的な申入れに対して,本市と本市教育委員会においても,着実に取組を進めていただいているところであります。 しかし,私も,保護司として地元山科で活動する中で,薬物乱用に関する青少年を取り巻く環境は,今,大きく変わっていることを実感しております。日本における薬物乱用の歴史からも,今回の汚染期の問題点は,中学生,高校生を中心とする若者たちの覚せい剤をはじめとする様々な薬物の乱用にあると言われております。若者の間では,薬物乱用は伝染病であるということであります。集団で行動する彼らの一人が薬物に汚染されると,あっという間にその集団に汚染が広がっていきます。幾つかの中学生や高校生に対するアンケート調査の結果を見ても,多くの青少年が,薬物の魔の手が迫っていることをはっきりと認識しております。しかし,その一方で,社会のこの問題に対する意識は大変希薄であり,多くの人たちが,一部の地域の,一部の若者の問題としてしか捉えておりません。子供たち一人一人に,今こそ,薬物を自ら拒む力を育てるべきであります。 そのためにも,予防教育が大変重要であります。現在,小中高等学校での薬物乱用防止教室を実施していただいておりますが,学校はもちろんのこと,家庭,地域など青少年に関わる全ての関係機関,団体において,きちんとした予防教育を展開することが,今,求められております。また,予防教育ができる人材の養成も急務であります。 そして,早期発見,早期治療の第二次予防も必要であります。薬物の解毒,断薬の動機付け,家族への指導,更生プログラムを持った医療機関も必要であります。薬物依存は病であり,医療的ケアが欠かせないわけであります。 次に,社会復帰の第三次予防の取組でありますが,更生施設については日本では公的なものはなく,民間ではありますが,どこも資金的に厳しく社会的にも認知されていない状況であります。私たち大人には,全ての子供たちを笑顔に幸せにする義務があります。本市における青少年の薬物乱用に関する御認識と今後の取組について御所見をお伺いいたします。 以上をもちまして,私の代表質問とさせていただきます。 私ども公明党議員団は,今後とも生活現場第一で,小さな声を聴く力,一番近くで,動く,働く議員として,懸命の二文字で働いてまいりますことをお誓い申し上げ,質問を終わります。御清聴,誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(大道義知) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,久保勝信議員の御質問にお答えいたします。 青少年の薬物乱用防止対策についてでございます。昨年,小学校において教師が6年生児童の喫煙防止の指導を行う中で,児童が自宅で大麻使用について言及するという非常にショッキングな事案が明らかになり,私自身も薬物乱用の広がりに強い危機感を覚えており,教育委員会はもとより全庁挙げてあらゆる取組を市民ぐるみで展開しているところであります。 学校教育におきましては,これまでから,保健教育での学習のほか,警察や学校薬剤師などの専門家,更にはPTA等とも連携し,教育や啓発等の取組を進めてまいりました。今後は,更に小学校における薬物乱用防止教室の実施拡大や指導者用資料の作成,家庭,地域と学校が連携した研修会の開催等に取り組むとともに,薬物の入手経路や誤った情報に接するきっかけとなる子供のインターネット利用に対する一層の啓発活動を推進してまいります。 また,薬物依存症となってしまった方に対しては,早期治療,更には社会復帰の支援が重要となります。本市では,こころの健康増進センターや各保健センターにおいて精神保健福祉相談員などの専門資格を有する職員が相談をお受けし,適切な医療の受診につなげております。この精神保健福祉相談員につきましては,今年度新たに12人,合計で169人の職員を養成しており,今後も資格取得者の拡充に取り組んでまいります。 さらに,京都DARCなど,同じ悩みを持つ方同士の支え合い活動等に取り組む自助グループの支援を行うとともに,家族教室を開催し家族への支援を行ってまいります。今後とも,子供たちの笑顔と幸せ,そして市民生活の安全安心を守るため,薬物乱用を許さない地域づくりや薬物依存症となった方の早期治療や社会復帰の支援に全力で取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(大道義知) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) ひとり暮らし高齢者の,いわゆる終活についてでございます。近年大きな課題となってきております,いわゆる終活につきましては,久保議員御指摘のとおり,一人一人の尊厳がしっかりと保たれ,自分らしく生きられる社会の構築を進めていくため,例えば延命治療や葬儀の在り様,残された家屋等の財産の管理といった人生の終末期の問題につきましても自らの意思が尊重されるようにしていく必要がございます。また,自分らしい最期の迎え方について意思能力のある間に自分の意思を書きとめるリビング・ウィルや,生前に自分の葬儀や埋葬等に関する事務を第三者に委任する死後事務委任契約など,人生の終末期にあっても自らの意思が尊重される様々な制度につきまして,より多くの市民の皆様に御自身にも関わる問題として関心を持っていただき御理解を深めていただくことも重要であります。このため,本市では,御指摘の相談事業につきましても,長寿すこやかセンターにおきまして,人生の終末期に関する問題も含め,高齢者をはじめ市民の皆様からの様々な相談に総合的かつ専門的にお答えするとともに,民間の専門家や関係団体等の取組と連携しながら,市民向けのシンポジウムやセミナー等を開催してまいりましたが,更に充実を図りますとともに,今後新たに終活に関する様々な情報を掲載いたしましたリーフレットや市民しんぶんによる周知等にも取り組んでまいります。なお,国民健康保険の葬祭費につきましては,葬祭を行った方を確認したうえで支給する必要があるため前払いは困難でありますが,可能な限り早い支給ができるよう検討を進めてまいります。今後とも,誰もが経験する終活の課題について,広く市民の皆様に関心を持っていただき,高齢者一人一人の尊厳が保たれるよう取り組んでまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(大道義知) 暫時休憩いたします。 〔午前11時45分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(津田大三) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。 山岸たかゆき議員に発言を許します。山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇(拍手)〕 ◆(山岸たかゆき議員) こんにちは。伏見区選出の山岸たかゆきです。民主・都みらい京都市会議員団を代表し,後の天方浩之議員と共に質問します。どうぞよろしくお願いします。 まずは門川市長におかれては,厳しい寒さの中での京都市長選挙,見事3期目の当選を果たされ,私たち議員団として心よりお祝い申し上げます。我が民主党も,未来の京都をつくる会に集う様々な団体とスクラムを組み,市会議員はもちろんのこと,国会議員,府議会議員,支援者が一丸となり精一杯の活動を展開しました。結果は,投票率で前回より1.09ポイント減りましたが,得票率で前回より12.4ポイント増え,共産党推薦の候補者に12万票以上の大差での圧倒的な勝利でした。これは,門川市長が2期8年の間,現地・現場主義に徹し,市民の皆様の命と暮らしを全力で守られたこと,市民の皆様との「安心・豊かさ実感」133のお約束で示された市民の暮らしに関する具体的な政策が市民の皆様に評価されたこと,さらに,府市協調,文化庁や北陸新幹線の誘致をオール京都で進められるのは門川市長以外にないと市民の皆様が判断された結果であると考えます。 昨年末,我が党は推薦決定の際,民主党が目指す京都市像を門川市長にお示ししました。向こう4年間の本市政策に我が党の考えを十分反映していただけると認識しています。本市の財政状況は依然厳しく,課題は山積しています。門川市長におかれては,本市の輝かしい未来のため,市民の皆様に安心と豊かさを実感していただけるよう,市政にまい進していただくことをお願いいたします。私たち議員団も門川市長と十分議論しながらしっかりと連携し,今後の市政を支えていく所存です。 それでは,平成28年度予算案についてお伺いします。私たち議員団は,昨年末,平成28年度予算要望書を門川市長へ提出しました。今回は京都市長選挙を経たうえでの予算となるため,市長選挙に向けて策定した民主党が目指す京都市像の今後4年間に取り組むべき八つの政策方針をベースに,合計100項目の要望としました。そのほとんどが予算措置若しくは前向きに検討との回答でした。そこで,今市会において,それらがどのように反映されているのか,今後の審議の中で確認してまいりたいと思います。 ところで,今回の市長選挙で四条通の歩道拡幅や屋外広告物の取組が話題になりました。市民の皆様の中には,残念ながら否定的な御意見をお持ちの方もいらっしゃいます。門川市長は,期間中,「伝える力,すなわち市民の皆様へ政策を理解していただけるよう丁寧に説明する」と訴えてこられました。そこで,この度の予算執行に当たって,市長の伝える力という思いをどう具体化していかれるのかお伺いします。 今市会に上程の予算案については,門川市長の3期目のスタートに当たり,平成23年度から10年間の基本計画「はばたけ未来へ!京プラン」の後半5年間の初年度として力強いスタートを切る予算,また,市民の皆様が豊かさを感じ,安心安全に暮らせるまちづくりを進め,人口減少社会の克服に挑戦する予算とされています。そして,予算の4本柱を,1,経済,雇用,2,安心安全,福祉,子育て,3,世界の文化首都・京都,4,参加と協働とされました。そのうち,本市の成長戦略を担う経済,雇用については,4本柱の第一に掲げ,主に中小企業支援と観光振興による地域経済の活性化と安定した雇用の創出がうたわれています。そこで,このような政策を力強くかつ着実に推進すれば,どれだけ京都経済の活性化や本市財政の税収増に結び付くのかを具体的な数値目標を掲げて取り組む必要があると考えますがいかがですか。 また,本市は,北米の有力観光雑誌で人気観光地の第一位に2年連続で選ばれ,世界の観光都市として注目されるようになりました。現在様々な観光,まちづくり政策が進められていますが,市民の皆様の間から,「観光客も大事だが市民も大切にしてほしい」との声も聞こえてきます。そこで,「観光による経済効果を京都経済全体に波及させ,訪れる人にも住む人にも満足度の高いまちを実現」については,両者をどう両立した予算とされたのかお伺いします。 次に,財政についてお伺いします。一般会計予算については,規模が7,277億円,前年度比3.0パーセント減ですが,中小企業融資制度預託金の影響を除いた実質的な比較では13億円,0.2パーセント増となっています。これは,社会福祉関連経費の増加にしっかりと対応し,防災,老朽化対策や保育所等の整備についても増額確保した結果とのことです。 今回も増え続ける社会福祉関連経費や施設整備,防災,老朽化対策等の財政需要の拡大に対応するため,職員数の削減や事業の見直し,資産の有効活用等により財源の捻出に取り組んでおられますが,それでは賄い切れず,目標の100億円以下に縮減したとはいえ,93億円の特別の財源対策に頼らざるを得ない状況です。 そこで,平成28年度から5年間の中期財政収支見通しでは,更なる抜本的な財政構造改革により特別の財源対策ゼロを目標としています。事業の見直し,人件費削減の更なる縮減が前提ですが,今後市民サービスを低下させず,職員のモチベーションを維持していかに取り組まれるのかお伺いします。 次にパリ協定を契機とした本市の地球温暖化対策の強化についてです。近年,日本においても,水害,竜巻,猛暑や暖冬など地球の異常な気候変動を日常的に実感するようになってきました。それらを克服するために世界が一つになって地球温暖化対策に取り組む必要性が叫ばれる中,昨年末,COP21がフランスのパリで開かれました。そして,京都議定書以来18年ぶりに新たな地球温暖化対策の世界的枠組となるパリ協定が196の国,地域の全会一致で採択されました。パリ協定は,京都議定書のように,温室効果ガス削減目標が未達成なら罰則が科される法的拘束力はありません。しかし,全ての国が温室効果ガス削減目標の作成,報告義務を負い,5年ごとに検証,更新する仕組みが設けられました。また,世界全体で今世紀後半に温室効果ガスを実質的に排出しない社会を目指すことがうたわれ,長期目標として,平均気温上昇を2度よりかなり低く抑えること,更には1.5度未満に抑える努力も明記されました。本市からも職員が参加し,自らの環境政策を世界に発信し,パリ合意の実現を強く訴えました。その際,京都議定書誕生の地から来たと分かると,世界の人々から特別な目で見られたと伺っています。私が3年前に京都市会海外行政調査でドイツ,スペインを訪れたときも同様でした。また,COP21に合わせて開催された気候変動に関する首長サミットでは,世界から1,000人以上の自治体関係者が集まり,会場は超満員の大盛況であったとのことです。地球温暖化対策は,この度のパリ協定で正に世界共通の重要課題と位置付けられ,新たなステージに進んだことは間違いありません。 翻って,本市の地球温暖化対策ですが,直近の実績である平成25年度では,エネルギー総消費量は,地球温暖化対策条例の基準年度である平成2年度に比べ約2割の削減となっており,省エネは着実に進んでいます。しかし,温室効果ガスの総排出量は約792万トンで,かえって約8万トン,1.1パーセント増加しています。このままでは条例に掲げる平成32年度25パーセント,平成42年度40パーセントの削減目標の達成は厳しいと言わざるを得ません。 そこで,京都議定書誕生の地として世界から注目され,組織の中で環境政策局を筆頭局とし,国内外で環境政策のリーダー役を務め,実際に先進的な取組を行ってきた本市として,パリ協定による新たな盛り上がりを契機に地球温暖化対策を更に強化する必要があると考えますがいかがですか。 また,本日,アンヌ・イダルゴパリ市長が本市を訪れ,この本会議場で友好と連帯の挨拶をされましたが,本市とパリ市は姉妹都市であり,平成30年には友情盟約締結60周年を迎えます。従来の産業や文化中心の交流に加え,地球温暖化対策でもしっかりと連携し,両市で世界の自治体をリードする役割を果たすべきではないでしょうか。そのことが本市の都市格向上にもつながると考えますがいかがですか。 次に,エコ学区の更なる推進についてです。本市の地球温暖化対策を部門ごとに見てみると,産業部門,運輸部門では,温室効果ガス排出量,エネルギー消費量共に減少し改善が進んでいるものの,業務部門,家庭部門では,共に増加し,更なる対策が急務となっています。そのため,業務部門では,BEMS普及コンソーシアム京都が設立され,BEMS(ビルエネルギー管理システム)の普及で省エネを進める取組が本格化してきました。一方,家庭部門では,今年度,市内全学区での実施を達成したエコ学区の取組が重要です。エコ学区とは,温室効果ガスの削減,環境に優しいライフスタイルへの転換や地域力の向上を目指し,地域ぐるみでエコ活動に取り組んでいる学区のことです。 本市は,この度の予算で3年間の支援が期限切れとなる多くのエコ学区に対し,ステップアップ事業として4,000万円余りを予算措置しました。これにより各学区の活動状況に応じて多彩なエコ活動が盛んになることを期待します。 ただ,折角市内全学区に拡大されたのなら,今後は家庭部門の中心を担い,地球温暖化対策やごみ減量等本市の環境政策を市民の皆様に浸透,推進する組織として進化させるべきと考えますがいかがですか。 それでは,ここまでの御答弁をお願いします。 ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山岸たかゆき議員の御質問にお答えします。 この度の選挙では,民主・都みらい京都市会議員団をはじめ与党会派の先生方,支援者の皆さん,幅広い市民の皆様からの力強い御支持と御支援を賜り,引き続き京都市政を担わせていただくこととなりました。責任の重大さを厳粛に受け止め,全力で市民の皆様を主人公とした市政運営に当たる決意でございます。 来年度の予算編成に当たり,私が重視した政策の柱は4点でございますが,その第一に地域経済の活性化と安定した雇用の創出を掲げました。具体的な取組としては,中小零細企業の活性化策や,京都が強みを持つ新産業分野の成長支援などに加えまして,好調な観光の振興を通じて安定雇用や産業振興,地域の活性化等,京都経済全体にその効果を波及させる予算として,例えば京都市認定通訳ガイドと旅行業者等とのマッチングを支援する人財バンクの構築や,伝統産業ふれあい館におけるハード,ソフトの抜本的改革を行い,観光と連携した伝統産業の振興策,地域の特色ある産品を活用した観光資源の創出事業などを盛り込みました。 これらの施策の推進に当たっては,山岸議員御指摘のとおり,具体的な目標に向けて取り組むことが大切であり,例えば観光消費額については,平成32年度までに年間1兆円とする目標を掲げ,平成26年には対前年比で約9パーセント増となる過去最高の7,600億円を達成しました。また,企業立地促進助成制度については,昨年度までに約2,800人の雇用増,約1,000億円の投資につなげ,今年度は過去最高の20件を指定しました。京都創生総合戦略では,平成31年度までに企業立地150件,一人当たりの市民所得の成長率,年平均1パーセントを目標に掲げており,こうした取組が,将来,税収増にもつながるものと確信しております。今後とも,京都経済の更なる活性化を推進し,経済の好循環を隅々に行き渡らせることで,中小企業,零細企業,地場産業を支え,市民の皆様に豊かさを実感していただけるよう取組を進めてまいります。 今回の選挙では,「政策はすばらしいが,その政策の理念や目標が十分に市民に伝わっていない」との御意見も頂きました。謙虚に受け止め,誠実に対処したいと決意いたしております。今後の市政の運営に当たりましては,政策の内容について市民の皆様への説明責任を果たすことにとどまらず,政策の理念や目標を市民の皆様に分かりやすくお伝えすることに,しっかりと意を注ぎ,市役所の,また市職員一人一人の伝える力を今一度磨き上げてまいります。 次に,特別の財源対策からの脱却を目指した市政運営についてでございます。一般財源収入がピーク時から300億円以上減少し回復していない極めて厳しい財政状況の中,未来を見据えた政策を着実に推進するためには,特別の財源対策に依存しない持続可能な財政運営を確立する必要がございます。このため,国に対して地方交付税等の必要額の確保を強く求めるとともに,あらゆる政策について京都経済の活性化,市民所得の向上,ひいては税収増につながるよう総点検し再構築することで,一般財源の増加を図ってまいります。同時に,行財政改革を更に加速させ,民間にできることは民間にを基本とした委託化,民営化や,それに伴う職員の削減,さらには市民サービスの低下を招かない徹底した内部努力による事業見直しに積極的に取り組んでまいります。また,市役所の各職場において業務改善などを提案する,また実行する職員提案がかつては年間100件程度でございましたが,近年年間1,000件を超えてきております。仕事に対する前向きな意欲や改革する力は,着実に根付いてきていると実感しております。引き続き,職員の意欲と主体性を高める人事評価制度等の活用や業績を上げた職員などへの表彰を行い,職員の能力,モチベーション,また各職場のチーム力の向上に取り組んでまいります。これらにより持続可能な財政運営を確立し,今後の5年間で特別の財源対策からの脱却を目指してまいります。 次に,地球温暖化対策についてでございます。本市では,昨年末のCOP21の期間中,パリに代表団を派遣し,パリ合意の実現に向け147万京都市民の願いを届けてまいりました。地球温暖化対策に関する人類史上初の国際的な約束である京都議定書が,今回,全世界の人々が参加するパリ協定として大きく飛躍しました。本日,アンヌ・イダルゴパリ市長も,この場でそのことを語られました。私は,このことを京都議定書誕生の地京都として誇りに思うと同時に,また責任も共有していかなければならないと決意を新たにいたしております。世界で人口の都市集中が進む今日,地球温暖化対策は正に都市問題であり,本市では,これまでから,イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会と連携しながら,本市の小学生向け環境学習プログラムのマレーシアでの導入,マレーシアで223校で現に導入されております。そうした世界で高く評価されている事例を発信し共有するなど都市間連携を更に進めてまいります。 パリ協定では,初めてこうした都市の役割が明記されたことを踏まえ,本市といたしましても温室効果ガスについて,国の目標を大きく上回る40パーセント削減の達成に向け,厳しい状況の下ではありますが,太陽光発電の助成充実や水素エネルギーの普及促進など地球温暖化対策を更に強化してまいります。 また,本日,パリ市長が京都市役所を訪問され,市会議場でお話しされたところでありますが,その前に,私と津田議長,大道副議長とで懇談させていただいた場で,同市長とは,環境分野での連携を促進することを確認したところであります。地球の未来に向けた歴史的な合意の舞台である京都市とパリ市がしっかりと手を携え,世界の都市をリードする役割を果たしてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) エコ学区についてでございます。地域ぐるみで環境に配慮した活動を主体的に実践していただくエコ学区につきましては,平成25年度から3箇年計画で,市内全222学区への展開に向けて取り組み,本年1月,全学区への展開を達成いたしました。この間,各学区では資源ごみの回収など様々な環境活動に取り組んでいただきましたが,今後,参加者の拡大や低炭素社会の構築に向けた更なる取組が必要であると考えております。そのため,平成25年度までにエコ学区となった163学区については,3年間の重点支援期間が終了しても,これまでの成果や課題を踏まえ引き続き活動を支援できるよう,来年度,新たにエコ学区ステップアップ事業を創設いたします。多様な支援メニューに基づき,保育園,幼稚園,小中学校等と連携することにより参加者層の拡大を図りながら,各学区の地域特性に応じた活動分野の拡充,さらには活動の担い手の育成など,きめ細かな支援を行ってまいります。今後とも,山岸議員御指摘のように,地域の環境活動が,自分ごと,みんなごとの実践として,一人一人のライフスタイルの転換につながるよう,また,学区における継続的な組織活動として学区全体に広がっていくよう,しっかりと取り組んでまいります。以上であります。 ○議長(津田大三) 山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇〕 ◆(山岸たかゆき議員) 次に,伏見桃山城の今後の在り方について質問します。私の地元伏見区には,豊臣秀吉と徳川家康が天下を治めた伏見城を中心に城下町が形成されていたという大変重要な歴史があります。私は,それを切り口に,伏見のまちの活性化には,伏見城をしのんで再建された伏見のシンボル伏見桃山城の有効活用が大切と考え,ここ数年市民有志の皆様と様々な活動をしてきました。 今年度は,7月に子供さんにも伏見城や城下町伏見の歴史を知っていただこうと,教育委員会の御協力で,子供向けに伏見・お城マップこども版を作成,授業での活用を目的にお城周辺の小学校12校に配布しました。また,9月23日には,伏見城や城下町伏見の史跡を訪ねる第3回伏見・お城マップウォーキングを実施し,過去最高の170名の参加がありました。3月6日も9時半,御香宮集合で第4回ウォーキングを実施する予定です。 さらに,平成26年の伏見桃山城築城50周年を記念して開催した第1回伏見・お城まつりに続き,11月1日,伏見・お城まつり2015を開催,前回の約5,000名を上回り,約8,000名の方々にお越しいただきました。今回の目玉は,昨年出土した指月伏見城の発掘品の展示,ドローンによる天守閣上空からの空撮ビデオの上映,市民公募によるお城のゆるキャラのお披露目です。このほかにも多彩な催しを実施しました。その結果,346名から回答を得た当日のアンケートでは,「大変楽しかった」と「楽しかった」で前回は70パーセントだったのが,今回は95パーセントでした。これらの声に応え,今年も10月をめどに,伏見・お城まつりを実施する方向で考えています。 こうした活動の意図するところは,伏見城の歴史を伏見のまちの活性化につなげることです。特にいまだ耐震強度問題で閉鎖されたままのお城を改修して有効活用する考え方への賛同の輪を広げることにあります。前回と同様,今回もアンケートでお城の今後の在り方について尋ねたところ,実に9割強の方々が天守閣に登れるように改修すべきと回答しています。また,「外見だけきれいにする」や「現状維持」は1割未満ありましたが,「天守閣は不要」との回答は1件もありませんでした。 平成15年1月にキャッスルランドが閉園されて以降,お城は耐震強度問題に加え,築城50年を経過し老朽化してきていますが,改修されずに今日に至っています。そこで,耐震強化など工事には多額の費用が伴うことは承知していますが,改修を願う多くの市民の皆様の声を受け止め,今後段階的にでも伏見桃山城を改修するお考えがあるのかどうかお伺いします。 ところで,平成26年京都観光総合調査によると,年間観光客数をはじめ主要指標のいずれも過去最高となり,本市は一大観光ブームに沸いています。しかし,日本人,外国人とも課題の上位に,電車,バスなどの公共交通機関,人が多い,混雑を挙げています。その点,伏見は南北に鉄道網が発達し,京都の中心市街地までのアクセスがよく,観光客の受入れにも余裕があります。伏見稲荷大社は,世界最大の旅行口コミサイトで人気に火が付き,連日国内外の観光客でにぎわっています。また,本市は昨年末に宇治市と観光振興等の連携協定を締結しました。以上から,今後伏見から宇治に至る観光政策の充実が課題になってきます。その際,中継点となる伏見の旧市街及び桃山地域のお酒をはじめ数多くの神社仏閣,名所旧跡といった文化,歴史資源と共に,伏見城と城下町伏見の歴史は十分観光にいかせます。 3月の市バスのダイヤ改正で,京都駅,伏見稲荷,伏見桃山,中書島をつなぐ新路線も誕生します。私も現在,市民有志の皆様と伏見観光ボランティアガイド養成講座を立ち上げ,伏見城の歴史も含めた伏見観光ルートの開拓に取り組んでいます。このように観光振興の観点から伏見桃山城の存在価値はますます高くなっていくと思います。 そこで,観光振興をはじめとして,お城を有効活用するため,市民を含めたオープンな検討組織を設置するとともに,有効活用を担うにふさわしい組織を定めるべきと考えますがいかがですか。 次に,18歳選挙権を契機とした投票率向上の取組についてです。最近各級選挙で投票率が上がった話はほとんどなく,下がった話ばかりを耳にします。2月の市長選挙も前回より1.09ポイント減の35.68パーセントでした。それは全国的な投票率の推移にも表れており,国政選挙は,国民の関心度合いで毎回多少上下しますが,長期で見ると6割から7割台の投票率が今や5割台前半となっています。また,統一地方選挙は,首長,議員選挙とも回を重ねるごとに下がり続け,今や5割を切るケースもある状況です。本市の状況は更に深刻です。 そうした中,昨年の通常国会で投票権年齢を18歳に引き下げる,いわゆる18歳選挙権の法律が成立し,この夏の参議院選挙から実施されます。既に京都市会の市会改革推進委員会でも投票率向上の取組が議論されていますが,私は,この法改正を契機に,単に若者だけを捉えた投票率向上ではなく,全世代の投票率向上に取り組む必要があると考えます。その方策として,一つは,長い目で投票率向上を図るために政治教育を充実させること,二つ目は,投票環境の改善です。 一つ目の政治教育の充実についてです。私は,平成25年9月市会の代表質問で,「議場見学を活発にし,地方議会を身近に感じ,政治への関心を高める教育を充実すべき」と提言しました。あれから2年余りが経過しましたが,その後の進展は確認できませんでした。原因は,1,小学4年生で事前学習とセットで施設見学が設定されているものの議会は対象外であり,小学6年生で市役所も含め座学として学んでいること,2,市役所内に議会の役割や歴史などを学べる環境が整っていないことです。しかし,現場や本物を見ることは教育上とても大切なことです。 そこで,現在,市庁舎の整備計画が進められていますが,その整備前であっても子供たちが市役所見学を通じ,議会の役割や歴史などを学ぶとともに,市政も学べるよう全庁的な観点で学習環境を整えていただければと思います。その中で,京都市政出前トークでの子供向けテーマが豊富な実績をいかし,市役所見学用カリキュラムも開発してはいかがでしょうか。また,普段見学できない貴重な場所も可能な限り見学できるよう配慮いただければと思います。また,将来市役所が新しくなったとき,子供たちが市役所や議会を現場で学べる設備の工夫ができればと考えますがいかがですか。 次に,投票環境の改善についてです。現在,国において投票率向上のため,投票日に指定の投票所のほか,駅や商業施設など利便施設で投票できる等の法改正が検討されており,この夏の参議院選挙での適用を視野に入れているとのことです。これまで投票率を少しでも向上させようと,投票時間の延長や期日前投票の創設で投票時間の拡大が実施されてきましたが,今回は主に投票場所の拡大です。 期日前投票では既に他の政令都市で実施されています。仙台市では,仙台駅前の商業ビルに全5区対象の期日前投票所を設置し,全投票者の約1割の利用実績が上がるまでになっています。また,千葉市では,全6区のうち2区で所在区の有権者限定で駅前商業施設に期日前投票所を設置,利用者から前向きに評価されており,今後も投票所拡大の方向で検討しているとのことです。国は,利便施設への投票所設置を義務化する意向ではなく,あくまで可能にするとの立場ですが,この際,本市としても新たな投票率向上策として,期日前投票所の利便施設への設置拡大を検討,実施してはどうかと考えますがいかがですか。 結びに,地元要望を申し上げます。JR奈良線の複線化事業が進められており,この間二度住民説明会が開かれました。その際,特に工事中や運行後の騒音,振動に関する不安の声が多く寄せられました。いよいよ来年度から着工されるとのことですが,こうした御意見を十分踏まえ,沿線住民の皆様の生活環境に影響を与えない事業の推進を求めます。 また,JR桃山駅では,地元の悲願であるバリアフリー化が平成27年3月の基本構想策定を経て動き出そうとしています。ただし,複線化に伴い,線路の線形を変更するためのホーム改修を行ったうえで着手するとのことです。特にお年寄りや障害者から早期の完成を望む声が寄せられています。工事の創意工夫でできる限り早期に完成するよう求めます。 以上で私の代表質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,山岸たかゆき議員の御質問にお答えします。 伏見桃山城の今後の在り方についてでございます。伏見桃山城が位置する伏見桃山城運動公園は,他都市には類のないお城のある運動公園として広く市民の方々に御利用いただくにとどまらず,各種イベントや映画,テレビのロケ地としても活用されております。特に,山岸議員から御紹介がございました伏見・お城まつりは,昨年,一昨年と,多数の方が来場されており,改めて伏見桃山城が市民の皆様に親しまれていることを実感いたしました。御尽力に感謝します。 また,本市といたしましても地元の方々と連携し,伏見桃山城をはじめとした伏見の魅力発信に取り組むとともに,伏見桃山城や伏見稲荷大社を組み入れた京都一周トレイルのルートを設置するなど,観光振興の観点からも伏見桃山城をいかした取組を行っております。 一方,伏見桃山城の改修に当たりましては,耐震補強工事に加えまして,エレベーターや電気,水道などの設備整備に多額の経費を要することから,民間活力をいかした活用策の検討が不可欠であると考えております。今後も,積極的に民間からの活用策を募ると同時に,まずは関係部局によるプロジェクト会議を立ち上げ地域の活性化や観光振興の視点からもしっかりと議論を行い,伏見桃山城の活用策を検討してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) 市役所庁舎における子供たちが議会や市政を学べる環境の整備についてでございます。新庁舎整備につきましては,平成29年度からの建設工事の着手に向け,現在,実施設計等に取り組んでいるところでございまして,市政情報等を発信する市民スペースを充実するとともに,歴史的,文化的価値を有する議場を含めた本庁舎や,全国のモデルとなる先進的な省エネの取組や再生可能エネルギーの設備を市民の皆様に見ていただく見学コースの設定等により,市民に開かれ,親しまれる市役所として整備してまいります。山岸議員御提案の,見学にとどまらず議会を含め市政全般を学習できる環境づくりにつきましては,子供たちが分かりやすく学べるよう関係局とも十分に連携し,見学内容,また見学方法の検討を深めてまいります。以上であります。 ○議長(津田大三) 吉川選挙管理委員会事務局長。 〔吉川選挙管理委員会事務局長登壇〕 ◎選挙管理委員会事務局長(吉川昌弘) 利便施設への期日前投票所の設置についてでございます。本市においては,期日前投票所を,法的に義務付けられた区役所11箇所に加え,3支所,4出張所に設置するなど投票環境の向上に努めております。最近の選挙では,期日前投票のPR効果もあり,期日前投票者数並びに投票者数に占める期日前投票者数の割合が増加してきておりますが,全体の投票率は減少しており,期日前投票者数の増加がそのまま全体の投票率のアップにつながる状況には至っておりません。なお,政令市では,各行政区単位で投票,開票作業を行う定めとなっており,商業施設などの利便施設に期日前投票所を設置し全市の有権者に利用していただくためには,本市の場合は,11行政区分の投票箱や記載台等を用意し,それぞれに投票管理者や立会人等の従事者を配置する必要があるなど課題が大きいとともに,二重投票や不正アクセス防止のための専用回線敷設等に多額の経費を要することもあり,今後,費用対効果面も含めまして,国等の動きも注視し総合的に検討してまいります。 ○議長(津田大三) 次に,天方浩之議員に発言を許します。天方議員。 〔天方浩之議員登壇(拍手)〕 ◆(天方浩之議員) 西京区選出の天方浩之です。山岸たかゆき議員に引き続き,民主・都みらい京都市会議員団を代表して質問をいたします。 まず初めに,今後の本市の景観政策についてお尋ねいたします。本市の景観政策は,昭和5年の風致地区の指定以来,昭和47年の市街地景観条例の制定,平成7年の市街地景観整備条例への全面的改正,平成19年の新景観政策の実施といった数々の節目を経て歴史都市・京都を守ってまいりました。とりわけ平成19年の新景観政策は,思い切った建築物の高さ制限の強化,きめ細やかなデザイン基準の導入,38の眺めを保全する新たな本市独自の制度の導入,屋外広告物の規制強化と誘導等の五つの柱から成っており,世界的にも注目される政策です。私は,この新景観政策が京都の美しい景観を未来に伝えていくために重要な役割を果たすものと信じております。しかしながら,新景観政策施行以後も御所に隣接する梨木神社境内におけるマンション計画や,銀閣寺,仁和寺,下鴨神社など世界遺産の周辺であるバッファゾーンにおける施設建設計画などが持ち上がりました。 下鴨神社のマンション計画は,21年ごとに行われる式年遷宮の費用を捻出するための計画であると報道され,どのような計画となるのか心配しましたが,定期借地権分譲であり,将来にわたって下鴨神社が責任を持って管理しつづける立場にあり,その意見の表れとして糺の森との一体性に配慮した緑豊かな緑地が計画されており,御蔭通や参道は拡幅し,旧社家を購入するなど世界遺産下鴨神社の価値を高めるような計画であると分かりました。美観風致審議会でも慎重な審議をしていただいて許可されています。 本市では,昨年度から,歴史的景観の保全に関する検証事業を行い,世界遺産をはじめとする市内61エリアの景観の再点検を実施し,良好な景観を保全するために必要な措置を検討することになっています。今後これらの事例において出てきた課題にしっかりと向き合い,世界遺産の周辺など特に景観の保全に取り組んでいかなければならない場所については,思い切った規制と共に良好な景観を誘導するような支援制度が必要ではないかと考えています。いかがお考えでしょうか。 次に,自転車走行環境と安全な歩道空間の確保についてお尋ねします。自転車の走行環境については,一昨年3月までに合計44.6キロメートルの整備がされました。その内訳は,京都市役所に隣接しております御池通では,歩道上の自転車通行位置の明示がされ,北大路通,油小路通などを含めて計36.7キロメートル,京都府庁の東側では,車道上で自転車の専用通行空間を交通規制により指定された自転車専用通行帯,計4.8キロメートル,五条通などで歩道,自動車道を分離したうえで,縁石などの工作物で分離し,それのみを走ることができる自転車道は計2.4キロメートル,烏丸通では,路肩の活用により車道の一部を利用する混在型計0.7キロメートルです。整備された場所が市内中心部に多く,その8割は市役所に隣接している御池通に見られる自転車通行位置の明示です。 こういった状況の中で,今後,本市は車道の左側に自転車が走行する位置を示した自転車走行推奨帯を中心とした整備を進めるとしています。昨年の6月1日には,自転車による危険な違法行為について罰則も強化されましたが,整備された44.6キロメートルの場所においても,ルールを守った自転車利用がされていないケースも目立っているところです。 平成22年度の国勢調査によりますと,本市は,20の政令指定都市の中でも,通勤,通学における交通手段としての自転車分担率が高いのが特徴でありますが,一方で,平成22年度道路交通センサスによると,自転車歩行者道を含む歩道設置率は必ずしも高くなく,幅の狭い歩道が他都市に比べると多いのも実情です。今後,本市全体として郊外を含めた歩道における歩行者の安全確保,そして車道の左側を安全に走行してもらうために本市が進めていく自転車走行推奨帯での自転車利用,双方の課題を克服していくことは簡単ではなく,新たに自転車歩行者道の指定をするなど京都スタイルの実行が求められます。今後ルールを守った自転車利用の在り方と歩行者の安全を守るために,より本市としての周知と一層の市民の協力が必要であると考えますがいかがお考えでしょうか。 また,昨年4月からの京都・新自転車計画では,これまでのように個々の道路で整備を進めるのではなく,走行環境の面的な整備によるネットワーク構築として,交通事故の発生が多く自転車交通量が最も多い今出川通,東大路通,塩小路通,千本通で囲まれた都心部地区,いまだに放置自転車が多く,バリアフリー移動等円滑化基本構想の重点地区に指定されている西院地区,東西の公共交通機関の整備が十分でなく,自転車の活用を検討するとしているらくなん進都地区の三つの重点地区を挙げています。この三つの重点地区では,自転車安全走行の充実や交通機能の強化のための地区の指定であると思われ,今後平成31年度までの4年間で整備する計画です。今後の重点地区として,外国人観光客,高齢者などにも分かりやすく,もちろん市民の皆様にも分かりやすい心で感じる自転車に乗って楽しいまちとしての視点が必要ではないかと提案します。いかがお考えでしょうか。 あわせて,パリやロンドンでは,シェアサイクルが盛んであるとお聞きます。本市は,自転車の保有率が高いのが現状であり,タクシー保有台数が他都市と比べて高く,市バス事業の積極的な展開も試みられているところであります。私鉄を含めた電車網は,南北は阪急電鉄や京阪電鉄,市営地下鉄烏丸線など,市内東西へは地下鉄東西線,京福電鉄などが構築されています。そこで,駅間移動の手段としてのシェアサイクルを活用することにより,南北や東西の路線の各駅間の移動手段として,交通機能の充実を図ることが重要だと考えます。 また,更なる増加が見込める観光客対策,気軽さ,健康,経済的など便利な乗り物としての自転車のメリットをいかす上でも,市内全体の交通網を考えたうえでの自転車を用いたシェアサイクルの導入を進めることについてお考えをお聞かせください。 次に,学校における運動部部活動の活性化についてお聞きします。2020年東京オリンピック・パラリンピックやその前年のラグビーワールドカップの日本開催など,御存じのように,世界3大スポーツ祭典とも言われるビッグイベントが続けて開催されます。昨年のラグビーワールドカップイングランド大会での日本代表の活躍が,我々に多くの感動と勇気を与えてくれたことは記憶に新しく,何よりも,その選手の中に,京都市立中学,高校出身の選手がいたことは,私たち京都市民の誇りであり,今後このような大舞台で子供たちが活躍することを夢に描いて努力し活躍してくれることを強く願っています。 そのためには,2年前のこの場でも申し上げましたが,子供たち自身が興味を持ち,打ち込みたいと思った種目にしっかりと取り組める環境が整っているのかが重要だと考えます。今,本市には,スポーツ少年団をはじめ,小学生,中学生が参加できる各競技の専門的な民間スポーツクラブがあり,指導者の方も手弁当で熱心に指導されていますが,月謝が必要なことからも,参加できる子供が限られているのも現状です。 そこで,私は,世界の舞台で活躍したいと願う全ての子供たちにチャレンジできる機会を保障するためには,やはり,本市立学校における運動部部活動の充実,活性化が大変重要であると考えています。とりわけ,小学校,中学校段階の部活動では,単にトップアスリートを目指す子供たちのためだけでなく,子供たちが目標に向かって一生懸命に取り組むことの大切さや苦しさ,またやり遂げたときの達成感や失敗したときの悔しさを通して多くのことを学ぶことができるものであり,様々な種目の部活動が各学校で用意されているような横の広がりが必要だと考えています。この点,平成28年度からは,本市が昭和40年代から導入されてきた外部コーチ制度の拡大も打ち出されており,是非,指導者不足に悩む学校現場で有効な活用が進むように人材の確保に努めていただくことをお願いいたします。 そして高校段階では,競技の専門性が高まることも踏まえ,どこの学校にいても,生徒たちが優れた指導力を有する方の指導を受けることのできるような制度を整備し,生徒一人一人が,競技の専門性を深められるような縦の広がりが求められるのではないでしょうか。幸い本市には,学校現場に我が国有数の指導者がおられると伺っています。そこで是非,各校の顧問の指導力向上を図るための講習会の実施などとともに,優れた指導者の指導を,他校の生徒も受けることのできるような仕組みづくりを検討していただきたいと思いますが,教育長いかがお考えでしょうか。 次に,家庭と連携した,京都ならではの道徳教育の充実についてお伺いします。近年の悪質ないじめ,また薬物乱用の低年齢化など社会問題となっている様々な課題を解決するためには,子供たちが社会性や規範意識,善悪を判断する力を身に付けるとともに,思いやりや弱者へのいたわりなどの豊かな心を育むことが求められています。本市の小学校では平成30年度から,中学校では31年度から実施される道徳の教科化についても,特別な教科として格上げされた意義を踏まえ,しっかりと各学校で取り組まれることを期待しています。 一方,子供たちの道徳性を高めるためには,学校の教育活動の中だけで一生懸命取り組めばよいわけではないことは言うまでもありませんし,保護者である親の役目である家庭におけるしつけが今をもって大変重要であると考えています。そのうえで本市ではこれまでから,国において道徳の時間が特設される以前から研究会の活動を開始するとともに,故河合隼人元文化庁長官を座長とする道徳教育振興市民会議を平成13年度に立ち上げ,2万2,000人を超える市民アンケートを基に,市民ぐるみで取り組むしなやかな道徳教育として積極的に道徳教育の充実に取り組んでこられました。 本市がこうした市民ぐるみの道徳教育の重要性を掲げられた背景には,やはり道徳教育は,京都の地域力を最大限活用し,家庭や地域を巻き込んだ取組として実践しなければ,本当の意味で子供たちが道徳性を身に付けることはできないと考えられていたからではないでしょうか。 今,家庭の教育力の低下への警鐘が鳴らされて久しい中ですが,是非,道徳の教科化に併せて保護者,地域と連携した道徳教育を更に充実し,学校生活とそれぞれの家庭や地域での生活の全体を通して,子供たちに,多様な人々と協調しながら,自立して生きる力を育む取組を推進していただきたいと考えています。 また,あわせて,この度の道徳の教科化では,国の検定教科書だけでなく,各自治体で,それぞれの地域性も踏まえた多様な教材の活用を推進する方針も示されています。本市でも,現在研究を進められているとお聞きしていますが,独自教材の作成に当たっては,是非,京都の歴史伝統や地域力を踏まえ,家庭での親子での会話にもいかせるようなものを検討いただきたいと願っています。 こうした点を踏まえ,今後の本市道徳教育の方向性について教育長のお考えをお聞かせください。 次に,今後の西京区のまちづくりについてお尋ねします。一昨年9月から12月にかけて本市で実施された自治会,町内会アンケートの報告書による推計では,本市全体の推計自治会加入率は69.8パーセントで,市内全体で,西京区は60パーセントと最下位であり,ちなみに洛西を除いた本所管内は一番低く57.6パーセントです。これは,世帯分離による若年世帯の増加や新規入居者の増加などがあり,こういった世帯が自治会に加入されていないのが大きな原因だと考えられます。 このような状況の中で,本市では平成24年4月に地域コミュニティ活性化推進条例が施行され,地域を支援する取組の一つとして自治会の加入促進を取り組まれてこられましたが,地域では,「自治会に加入していないと災害時に備蓄物資がもらえないから入会しときや」という風に言っておられるような事例なども見受けられます。自治会の入会によって,地域のつながりやまち全体の活性化を引き出していくことも重要だと思いますし,否定するものではありませんせんが,配り物が多い,自治会役員をしたくないなど,義務感に対する嫌悪感を覚えられるのも実情です。 このような状況の中で,本市では,平成17年度に,地域の実情に応じたきめ細やかな施策,事業を進めるための区政策提案予算システムが創設され,平成24年度には,区民提案・共汗型まちづくり支援事業が開始されました。事業開始以降の4年間の検証について,立木茂雄同志社大学教授が分析された結果,費用対効果が高く,民間の力をお借りして地域が活性化されているという結果報告をいただきました。例えば,昨年11月1日に開催されました桂のまちの資源と人材をつなげるイベント桂村祭-The Village-は西京区地域力サポート事業補助金を活用された区民の力がいかされた成功事例でありました。私も,一市民として参加させていただきました。当日は天気もよく,桂駅近くの本願寺西山別院の境内を借りて音楽会が開催され,西京区内の飲食店なども出店もされました。行政主導のイベントとは異なる様子で,そこに来られる住民の方々は若い世代の親子連れが中心であり,そこに,おじいちゃん,おばあちゃんが一緒に楽しく過ごされておられました。このように区民の方々が文化,芸術,スポーツ,趣味,特技等の視点から活躍できる場を提供するのも行政の務めと考えます。いかがお考えですか。 あわせて,先の市長選挙における,かどかわ大作戦2016 133のお約束には,今週の5日に両線の運行が実施される阪急京都線洛西口駅付近連続立体交差化事業に伴う高架下利用,洛西口~桂駅間 プロジェクトもその項目に挙げられています。これは,西京区の地域をよく理解していただいたうえで,民間電鉄会社である阪急電車が実施主体として高架下利用を展開していく事業であり,これも民間の協力をいただいたうえでの本市のまちづくりの一例だと考えます。また,市長マニフェストでは,西京区の新たな活性化のためのビジョンを策定すること,少子高齢化,人口減少が進む洛西ニュータウンを活性化することにも言及されています。大いに期待いたしております。 今後,私たちが暮らす西京区の課題を明確にしたうえで,区民の力,民間の力を引き出すことが必要だと考えますがいかがお考えでしょうか。 最後に,西京区役所の総合庁舎化についてお尋ねします。本市の11行政区には,11区役所,3支所が設置されています。平成21年度に伏見区,平成23年度に左京区,平成26年度に上京区と,福祉事務所,保健所などとの総合庁舎化の整備を進めてこられ,西京区役所の総合庁舎化を残すのみとなりました。現在の西京区役所は,国道9号線千代原口より北約200メートルに位置し,本市とURとの共同所有の6階建て集合住宅の1階,2階を区分所有しております。今後,区役所の設置場所について議論がされると思いますが,西京区民が利用しやすく,立ち寄りやすい場所であってほしいと思います。現在の区役所が区分所有している建物についても耐震構造ができていること,隣接しております上下水道局西京営業所が来年5月までに移転する計画があること,また東隣に位置している西文化会館ウェスティは本市所有であること,隣接して建設局西京土木事務所があることなど,既存の場所についても,もちろん検討の余地があると思います。今後,市街化区域内で物件を探すことは容易ではないと想定されます。西京区内の調整区域を含めて,広く柔軟に議論を尽くしてほしいと願います。いかがお考えでしょうか。 あわせて,西京区は,比較的若年世代が多いのが特徴ですが,青少年活動センターやいきいき市民活動センターなどもないこと,住宅街が多いまちであり用途地域の規制により開発行為がしにくいことなどが挙げられます。また西京区内に点在している施設,例えば西京区役所周辺の住宅街に立地している西京図書館や西京老人福祉センターなどについても再点検をしていただき,地域の総合行政機関を目指しての検討をお願いいたします。 以上で,私の代表質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 天方浩之議員の御質問にお答えします。 景観保全の取組についてでございます。本市では,京都御苑に近接する梨木神社境内のマンション計画等を契機に,この2年余り歴史的景観の保全に関する全市的な検証事業に全力で取り組んでまいっております。昨年度は,世界遺産を含む大規模な寺社等とその周辺など61エリアの景観調査を実施するとともに,958件に及ぶ寺社及び近代建築物の現地調査を行い,景観法に基づく景観重要建造物等への指定候補リストを作成し,これまでに上御霊神社などを順次景観重要建造物に指定して改修助成にも取り組んでおります。今年度は,清水寺周辺などのモデル地区における詳細な調査を行うとともに,学識者による検討会において歴史的景観の保全に向け議論を重ねているところでございます。 来年度以降は,これらの調査結果や議論を踏まえて,市民の皆様や寺社業界団体等からの御意見をしっかりとお聴きし,地域の特性に応じた保全策や新たな支援制度の検討を行います。これらの取組を通じまして,新景観政策の五つの基本理念の下,政策を更に進化させるため,世界遺産はもとより京都にとって大切な歴史的景観をしっかりと守り育てていくとともに活力ある経済と豊かさを実感できる市民生活の実現に向けた必要な見直しも行いつつ,都市格の一層の向上を目指してまいります。 次に,自転車政策についてでございます。自転車は,身近な乗り物である一方,ルールを守らない走行等により,非常に危険な存在となるものであります。そのため,昨年度に策定した京都・新自転車計画では,自転車政策のみえる化をキーワードに,矢羽根などを車道の左側に明示し,見て,体感して分かる走行環境の整備を進めるとともに,ながら運転の禁止など,自転車を安全に利用していただくためのルール,マナーの周知徹底を図るなど様々な施策を総合的に進めております。今後,重点地区での走行環境の整備や学校での安全教室の開催などを通じて,より一層,多くの市民,観光客の方々にルール,マナーを周知できるよう,関係機関と連携した情報発信を積極的に行ってまいります。 また,今後の整備の進め方につきましては,三つの重点地区の整備効果を検証したうえで,自転車政策審議会,市会の御意見を踏まえまして,全ての方に分かりやすく楽しい自転車環境の整備に向けた方針を定めてまいります。 いわゆるシェアサイクルにつきましては,レンタサイクル業者が多い京都の特性を踏まえまして,有識者や事業者等から成る研究会を立ち上げ,既存事業者が連携した,例えば自転車を借りた場所に戻さなくても一定の場所で返還できるシステムを構築することなども目指しまして,市民や観光客が安心安全で,便利さを享受できる京都ならではのレンタサイクルの在り方を深く議論し,また実現へ努力してまいります。 次に,西京区のまちづくりについてでございます。地域のまちづくりの原動力は,何よりも地域力,人間力であります。天方議員御指摘のとおり,区民の皆様が活躍できる場の提供は,区民の皆様の自主的な取組を引き出し,地域力,人間力,ネットワーク力の強化につながる非常に重要な取組であると考えております。今年度中に策定予定の今後の区政の在り方を示す共汗で進める新たな区政創生におきましても,区民が区政に主体的に参画できる機会の創出などを主な取組に掲げることといたしております。西京区は,歴史と伝統,また生物多様性に満ちた豊かな自然環境の中,子育てや教育,安心安全,スポーツ,文化,更には農業など地域力をいかした様々なまちづくりが力強く進められている魅力にあふれた地域であります。私も,大原野地域でのイベントやらくさいマルシェ,地域に根差した様々な文化事業などに参加させていただく度に,その地域力の高さに感動いたしております。 西京区は,今年10月に区制40周年の節目を迎えます。少子高齢化や人口減少,地域コミュニティの希薄化が進む中,子育て環境の充実や若者世代の定住促進を図るとともに,京都の新たな西の玄関にふさわしいにぎわいや世代間交流を促進し,大原野地域ブランド戦略等との相乗効果を発揮する阪急京都線高架下の活用の推進などに,区民の皆様,民間事業者と一丸となって,50年後,100年後の先も見通した希望に満ちあふれた西京区の未来を共々に創ってまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 私からは,西京区役所の総合庁舎化についてでございます。本市におきましては,まちづくりや防災はもとより,保健福祉など市民生活に密着した御要望や地域課題の解決に向けて,それぞれの地域のニーズや実情を踏まえ,総合的に市民サービスの向上を図るため,市民の皆様に最も身近な地域の総合行政機関である区役所の総合庁舎化を順次進めてまいりました。残されました西京区役所につきましても,西京保健センターが離れた場所に立地していることから総合庁舎化が不可欠であると考えており,今年度中に策定予定であります。今後の区政の在り方や区役所像を示す共汗で進める新たな区政創生,京都市における区政の在り方における主な取組の一つとしまして,西京区役所の総合庁舎化の検討を掲げ,実現に向けて検討を進めることとしております。現下の厳しい財政状況など多くの課題がございますが,天方議員御提案のように,あらゆる可能性を排除せず,西京区における今後のまちづくり,活性化に向けての活動拠点にふさわしいものとなるよう,本所と支所の在り方や既存の各種施設も含めて,将来的なまちづくりの観点から検討を深めてまいります。検討に当たりましては,西京区民の皆様から,より便利で,より身近に感じていただける庁舎を目指し,様々な機会を通じて御意見や御要望をお聴きしながら進めてまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 運動部活動の活性化についてでございます。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会開催決定を契機に,今年度から従来の競技力向上策を拡充し,中学校でバレーボールやバスケットボール等の選抜チームを編成し強化試合や合同合宿を行うとともに,高校の強化指定部による強豪校や大学への練習参加などの取組を進めております。また,天方浩之議員御指摘のとおり,本市には,オリンピックのメダリストをはじめ日本代表選手など卓越した経歴と指導力を有する教員が勤務しており,生徒たちがその貴重な経験をいかした指導を受ける機会として,学校間の連携による合同練習や種目ごとに体育関係団体が中心となって開催する学校横断的な練習会などの取組を今後一層進めてまいります。さらに来年度から外部コーチ派遣制度を拡充し,より多くの部に専門性の高い指導者を派遣するとともに,顧問の指導力の一層の向上を目指しトップアスリートや日本を代表する指導者,スポーツドクターなどによる指導者講習会を新たに実施するなどして,天方議員御指摘の様々な教育的意義を有する運動部活動が更に活性化するよう積極的に取り組んでまいります。 次に,道徳教育についてでございます。天方浩之議員の御指摘のとおり,道徳性は子供の生活全体に関わるものであり,道徳的実践力を養うためには,学校,家庭,地域が連携した取組が重要であります。そうした認識の下,本市では,2万2,000人を超える市民アンケートを基にした市民会議からの提言に基づき,これまでから地域ぐるみの取組を積み重ね,今年度からは新たに6月及び10月を道徳教育推進月間とし,全ての小中学校で授業を保護者や地域へ公開するなど,共に学び合う道徳教育の実践を進めております。さらに来年度からは,全国に先駆け,本市の全ての小中学校で道徳が教科となる次期学習指導要領の内容を2年前倒しして実施するとともに,全校に配置している道徳教育推進教師に加え指導力に特に秀でた者を道徳教育推進リーダー教師として行政区単位で配置し,家庭や地域と連携した道徳教育をけん引する役割の下,実践を進めるなど地域力と教員の専門性をいかした道徳教育の一層の充実を図ってまいります。また,本年度中に作成予定の独自の道徳教材につきましては,地蔵盆や門掃き,時代祭など,京都の伝統,文化等に関連した教材を用い,道徳の時間だけでなく家庭学習や親子での会話に活用できるものとするなど,京都ならではの家庭,地域と連携した道徳教育の更なる推進に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 次に,宇佐美けんいち議員に発言を許します。宇佐美議員。 〔宇佐美けんいち議員登壇(拍手)〕 ◆(宇佐美けんいち議員) 京都維新の会・無所属京都市会議員団を代表して質問をさせていただきます。私は,左京区選出の宇佐美けんいちです。 冒頭に,門川市長,御当選おめでとうございます。民主党が国政において共産党と協調し,市政においては自民党と公明党とタッグを組むなど,自民,公明を除く勢力に,何かが違うと違和感が漂う中,我々維新は,改革提案型の責任政党として今回の選挙で市政課題についての前向きな論戦に挑むべき立場でありましたが,残念ながら力及ばず関与するに至りませんでした。この場をお借りして,新しい選択に御期待をいただいた市民の皆様に心よりお詫び申し上げます。改めまして,右か左か,与党か野党かではなく,二元代表制の一翼を担う,前へ進む政策集団としての維新の活動に今一度御期待をいただけるよう,全員一丸となって活動してまいりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 せんだっての11月代表質問で我が会派は,門川市政に及第点である60点との評価をさせていただきました。それは,パフォーマンスで反発したり足を引っ張る勢力ではなく,市政改革を前から引っ張る立場として,今の改革に物足りなさを感じるという評価です。私も,せんだって9月定例会の総括質疑で,門川市政は改革のハードルが低いのではないか,いびつになってはいないかと質問をさせていただきました。今回の平成28年度京都市予算全般について,そういった観点から市長の目指される市政の姿についてお伺いします。 第一に,京都市の財政運営は,ますます将来へのツケの先送りになっているのではないかという点についてお伺いします。今回の予算を見て,私が感じたのは,借金の質が本当に悪くなったということです。(パネルを示す)一般会計の市債残高は,平成18年度に1兆913億円から平成28年度末見込みで1兆3,237億円と2,324億円増加し,その絶対額増加も問題ですが,今回指摘したいのは借金の中身です。全体に占める臨時財政対策債,公営企業への出資等に係る市債,退職手当債の割合が平成18年度決算で約25パーセントであったものが,平成28年度末見込みで約50パーセント,全体の半分にまで膨らんでいる,つまり中身のない赤字借金が激増しているのです。 まず,臨時財政対策債,これは国が地方へ支払う交付税,つまり地方への仕送りが国の財政難で全額払えず,足りない分を臨時に地方で借金して立て替えておくというものです。国は,後日交付税で100パーセント返すと言われていますが,国の財政は皆様御存じのとおりです。返してもらうどころか新たに借金が積み重なり,この10年で約3,000億円増加,平成28年度末で4,181億円にまで膨む見込みです。ちゃんと国が返してくれるのか誰しも不安な赤字公債を抱え込み,その額は一般会計の借金総額の約30パーセントにまで膨らんでいます。 また,公営企業への出資等に係る市債,これは地下鉄の経営難により増加しています。本来公営企業である地下鉄は,独立採算制で一般会計から切り離されており,もうけから設備投資を返済すべきところです。しかし地下鉄が経営難で返済できず,一般会計で借金をし,その借金で得た現金を出資名目で毎年地下鉄へ送り続けています。これもこの10年で約480億円増加,借金全体の14パーセントにもなっています。一般会計で本来使うべき子育て,教育,福祉の重大な足かせになっています。 そして退職手当債,これが一番借金の質が悪い。職員の退職金を払えないから,市民の借金で払う。正に赤字公債であり,しかも交付税措置がないので100パーセント市民だけで返済する。その残高は,この10年で約450億円増加,平成28年度残高見込みは約580億円にもなります。 先日,私が街頭に立って市政報告をしているとき,大学生の方に声を掛けていただきました。その方いわく,「維新は公務員の給与アップを反対している。僕の友達も公務員になるために一生懸命勉強している。そうやって頑張って公務員になっているのに給与アップがないのはかわいそうだ」とのことでした。私は,「確かにそうだと思いますし,職員の皆さんが一生懸命働いていただいているのではと思っています。しかし,定年で辞めてしまった職員の退職金を支払うために借金をし,その残高が500億円を軽く超え,君たち若者世代に払ってねとツケを回す財政運営は駄目だと思います。財政運営も公務員がしっかりとコントロールすべき仕事です。仮に学校を造る,そのために借金をする,それならば君たちにも価値あるものだから頑張って返そうと力が入ると思います。そのような前向きな借金でさえ,少子高齢化に直面し一人当たり社会保障費の負担がますます増える,あなたたち世代に先送りすべきかどうかというようなタイミングで,退職手当債をのんべんだらりと発行する。しかも今後まだまだ発行する。そんな財政運営は即刻やめるべきだし,そんな中での給与アップはとても容認できません」と申し上げました。それに対し,「知らなかった。そんな赤字借金の押付けは勘弁してほしい。頑張って」という御声援を頂きました。 退職手当債は,団塊の世代の大量退職がピークを迎え財源が足りなくなるとの理由で作られた10年間の臨時の制度ですが,あくまで借金するかどうかは自治体の判断です。本来は平成27年度で制度が終了でした。しかし,国と地方が話し合って,更に10年延長になり,今回の予算が制度延長後初の起債となります。また,本市はこれからもますます退職金のために借金をする計画を立てています。 市長,まずこの借金の質が悪くなったことについての御認識をお伺いします。そのうえで,なぜこういった退職手当債を継続して発行する決断をされたのか,その理由をお聞かせください。「子や孫に借金を押し付けない」とおっしゃっていたそうですが,それならば事実上の特別の財源対策である退職手当債の発行をやめるべきです。気が付けば,若者が背負っているものが未来への希望ではなく過去のツケにすり替わっている。それが市長の目指す市政ですか。明確な御答弁をお願いします。 さて,そういった財政状況の中,改革が手付かずになっている分野が役所の中にまだまだあるのではないでしょうか。その一例として特別職の公務員の報酬,今回は行政委員の報酬について指摘をさせていただきます。京都市には法律に基づき,各種の行政委員会が設置されています。その委員の皆さんの報酬は本当に市民の納得を得られるものになっているのでしょうか。例えば,選挙管理委員会はどうなっているでしょうか。昨年度の活動実績を拝見いたしました。市の選挙管理委員長は月額30万円,委員は27万円,11行政区の選挙管理委員長は12万1,000円,委員は10万7,000円の報酬となっておりますが,昨年7月活動実績はたったの1日。1回の会議に出席しただけで,そういった月額報酬が支払われています。また,教育委員会を見てみましても,昨年度8月は3回出席で教育委員には月額33万5,000円が支払われています。1回11万円の計算です。 実は,京都府は,選挙管理委員会委員の報酬を月額制から日額2万9,500円に変更しました。また,大阪市や名古屋市などは行政委員の報酬を日額制に全面的に見直しをしています。今回頂いた資料を見ておりますと,例えば選挙管理委員会でいえば選挙がある月は忙しくなり,それ以外は忙しくないといった変動もあり,月額制はそぐわないのではないかと思います。市長,この行政委員会の報酬制度について,日額制への変更も視野に入れ,制度の妥当性についての再検討を行うべきではないかと考えますがいかがでしょうか。 3番目に,電力自由化の中,原発に依存しない社会に向けた京都市の姿勢についてお伺いします。市民の皆様も御存じのとおり,新聞紙上またテレビで電力の小売り自由化が話題になっております。これまで,従来の電力会社が独占してきた電力の小売りを他の新しい会社にも認めるもので,大規模な電力の購入先から順次自由化が進み,この春からついに御家庭の電力も自由化になります。実は京都市役所が保有する施設,例えばこの市役所本庁舎,小中学校,クリーンセンター,美術館などほとんどの市有施設は以前から自由化の対象となっており,市役所は様々な電力会社から電力を購入しています。この1月に行われた平成28年度電力購入先の入札結果では,246もの小中高,総合支援学校はもとより2件の入札不調を除く全てを関西電力以外の新電力会社が落札しました。しかし,原発の再稼働が着々と始まり,今後,関西電力は安い値段で入札をしてくるのではないかと予想されます。京都市役所が電力を購入する際,現在は国基準に準じて,CO2排出係数が少ないかどうかを第一に評価し,その次に再生可能エネルギーの導入度合いが高いものを評価する基準となっています。その基準を満たしたものが入札に参加し,その中で単純に一番安い金額の会社が落札するとのことです。皆さん御想像のとおり,この基準は,CO2排出の少ない原発にとって有利であり,原発と再生可能エネルギーを持っている会社が安ければ,そこから電力を買うことになってしまうのではないでしょうか。 市長は,原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会を目指すとされていますが,現在の入札制度で電力を購入していくことが本当にその実現につながるのでしょうか。京都市役所ならではの新しい総合評価入札制度を考えるべきではないでしょうか。市役所がそういった制度を作りお示しをすることは,自由化を前に御家庭の電力をどうしようかと迷っていらっしゃる市民の皆様への市長からのメッセージとなるのではないでしょうか。市長,お答えください。 また,市長は,「再生可能エネルギーを3倍以上にする」とおっしゃっています。しかしそれは,総エネルギー量のわずか0.6パーセントの再生エネルギーを2.3パーセントにするだけであって,とてもそれと省エネだけで新しいエネルギー社会の実現ができるとは思えません。先日,北九州市に視察に行ってまいりました。北九州市では,市長のトップマネジメントの下,低炭素,安定,安価な電力実現に向けて中規模高効率火力発電を30万キロワット,洋上風力発電を50万キロワット分建設する計画が進んでおります。足し算すると80万キロワット。高浜原発1基分くらいの規模のものを市がリードして造っていこうというもので,とても大きな計画です。こういった話を聞きますと,北九州市の市長の意気込みが伝わり,これは本当に新しいエネルギー社会ができそうだと夢を抱くことができます。京都市には北九州市のように海はありません。しかし幅広い視野で様々な主体と一緒に検討できることがたくさん残されているのではないでしょうか。 先日の新聞にも掲載されていましたが,世界の風力発電の発電能力がついに原子力を上回ったとのことです。平成27年度に世界で新設された風力発電の合計は,原発約60基分に相当するそうです。ちなみに中国の風力発電能力は合計で1億4,510万キロワット,ドイツは4,495万キロワット,対して日本は304万キロワット。ドイツは国土が日本よりわずかに小さいにもかかわらず,海の上を活用し日本の約15倍の風力発電の能力を持っているそうです。世界はどんどんと変化し日本は出遅れているのではないでしょうか。 京都市という地理的な枠組みばかりで考える,国が何とかしてくれと要望してじっと待つだけではなく,例えば北九州市のようにエネルギー確保に取り組んでいる自治体や企業と共同で洋上風力発電など新しい電源の開発に取り組み,出資をする。市長,殻を破って飛び出して,そういった大きな夢を描いていきませんか。併せてお伺いいたします。 最後に,全国で議論が起こっています,学校の運動会での組体操についてお伺いします。去る2月9日に大阪市教育委員会が全国で初めて運動会の組体操でのピラミッドや塔の禁止を決定しました。こういった対策を取る動きは他の自治体でも見受けられ,学校向けのガイドラインの作成や段数制限をする自治体もあると聞き及んでおります。また,文部科学省でもついに対策に乗り出す方針を決め,自治体の実態調査などを経てこの3月末をめどに各地の教育委員会などに安全確保策を求める考えのようです。馳文部科学大臣も記者会見の中で,「ピラミッドの周りに先生がいても真ん中が崩れたらどうしようもない。十分に体が出来ていない中学生が圧迫を受けたらどうなるのかは想像すれば分かる」とまで踏み込んだ発言をされていました。また,「学習指導要領に組体操をしましょうとは書いていないと認識している」ともおっしゃっていました。私の子供二人も小学校の運動会で組体操をしました。みんなが一生懸命力を合わせて演技する様を見て,感動を覚えたことを思い起こしますが,それはお友達や自分の子供に骨折などの大けががなかったから言えるものであって,クラスのお友達が骨折していたら,しゃあないしゃあないで済ませることができただろうかと思います。 まず,確認させていただきたいのですが,京都市において今年度,小中学校での組体操での事故の件数,またそのうちで骨折に至った件数を小学校と中学校の別で教えていただけますでしょうか。そのうえでお伺いいたしますが,現在,教育委員会から段数や演目などの制限や安全に係るガイドラインはどういったものがあるのか,判断は全て学校現場に任せているのかお教えください。また,保護者へ事故に関する情報公開は十分になされているのでしょうか。その現状を踏まえ,市長は組体操について指導体制に不備がないとお考えかどうか,また今後どのような方針で臨まれるのか御所見をお伺いしたいと思います。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 宇佐美けんいち議員の御質問にお答えいたします。 市債についてであります。私は市長就任早々,財政の健全化と市民生活を守り抜き,活力ある京都をつくることを一体的に推進するため,財政改革有識者会議を発足させ,公開の下に深く議論をいただき,その提言に基づき,市債残高の縮減などに全力を傾け,着実に実行してまいりました。この10年間で市債残高が2,324億円増加しているとの御指摘ですが,国が措置すべき地方交付税の代わりに地方が発行している臨時財政対策債が2,994億円増加しているもので,これを除いた京都市が返済に責任を持つ実質市債残高は,退職手当債や地下鉄の経営健全化出資債も含めても670億円縮減しております。 臨時財政対策債の発行額は,国により機械的に配分され,その配分も全国の市町村との比較で財政力の高い自治体に多くを割り振る国の仕組みとなっております。このため本市も含め政令指定都市は特に残高が増加しております。臨時財政対策債については,その償還の全額が地方交付税等で措置されることが法律に明確に定められており,現に実行されております。このことから,本市ではこれを除いた残高を財政運営の指標として定め,縮減してきております。国に対して地方自治体の財源不足は,地方交付税を増額して対応すべきであり,地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止を引き続き強く求めてまいります。 次に,地下鉄の経営健全化出資債についてでありますが,市民の貴重な財産である地下鉄を将来にわたって安定的に守るための経営健全化計画に基づき,国の定めた基準以内で発行しているものであり,決して質の悪いものではございません。その発行額についても,全庁を挙げた増収増客の取組により,この議会で議決いただいた計画の8割以下に抑えております。 続いて,退職手当債については,職員数の削減によって生み出される財源の範囲内でのみ起債が国によって認められるもので,本市では,この8年間で2,965人の職員を削減しており,全体として将来負担を増加させるものではございません。一般財源収入が減少したまま回復していない厳しい財政状況の中で,市民生活を守り将来を見据えた政策を推進するためには,当面は公債償還基金の取崩しなどの特別の財源対策や退職手当債も活用せざるを得ない状況にありますが,これは将来確かな京都の発展と担税力の強化につながるものであり,現に人口減少が歯止めが掛かろうとしているなど成果も上がってきております。平成32年度には特別の財源対策からの脱却を目指すとともに,実質市債残高を引き続き縮減してまいります。そして未来に責任を持つ市政運営に全力を注いでまいります。 したがいまして,可能性のまだ分からない洋上発電に投資するというようなことはやりませんので,よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(津田大三) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) 行政委員会委員の報酬制度についてでございます。地方公共団体における行政委員会は,首長から独立した執行機関として,その担当する行政事務について,自らの判断と責任において執行する義務を負うとともに最終的な意思決定を下す機関であり,大変重要な職務権限と責任を担っております。そのような行政委員会において,意思決定を行う主体となる各委員は,それぞれの根拠法令の趣旨を踏まえ,専門的識見を有する者の中から,市会の同意を得て選任されております。その職務,職責は重要かつ広範であり,定例の会議への出席以外にも日常的な事務局との協議のほか判断を適正に行うために必要な知識の習得,情報収集等に常日頃から努めなければならず,加えて任期中の活動制限や服務上の義務,任期中又は退職後の守秘義務などもあり,必ずしも会議等に出席した日数のみによって評価できるものではございません。そうした職務の性質や有為な人材を確保する必要性からも,行政委員会委員への報酬を月額単位で支給することには合理性があるものと考えております。また,本市を被告として行政委員の月額報酬制の適法性が問われた住民訴訟に係る平成23年5月の大阪高等裁判所における確定判決においても,十分な合理性と地方自治体の裁量の範囲内であることが認められたところでもあり,現行制度を直ちに見直す必要はないと考えておりますが,引き続き他都市の状況などを注視し,それぞれの行政委員の職務,職責にふさわしい報酬制度の在り方について検証してまいります。 次に,エネルギー政策についてでございます。本市では,庁舎への電力入札の際,環境配慮契約法に基づき,評価基準を満たした事業者のみ入札に参加できる仕組みとしております。この制度では,非効率な発電等により二酸化炭素排出係数の極めて高い事業者を不適格とする評価基準を設定しております。実際にも,平成28年度の電力調達の競争入札参加希望者を評価した結果,応募した全事業者7者全てが評価基準を満たしており,原発由来の電力を供給する事業者が有利となっているわけではございません。今後とも現在の仕組みにより,温暖化対策を促進するとともに,コストが低い電力調達に取り組んでまいります。 次に,新たな電源の開発についてでございます。大規模な火力発電所や洋上風力発電の開発に取り組むべきではないかとの質問でございますが,京都市では,市会決議を踏まえまして,エネルギー政策推進のための戦略を策定し,市民力,地域力といった本市の強みをいかしながら,市民,事業者の皆様と共に,地域に根差した京都ならではのエネルギー政策を推進しているところでございます。まず,最も効果的でエネルギー消費量そのものを減らす省エネ対策といたしましては,既存住宅の省エネリフォーム補助や中小企業を対象とした省エネ設備導入補助などに取り組み,省エネ15パーセント以上という高い目標に対し,既に9.5パーセントを達成いたしました。また,再エネの飛躍的な普及拡大に向けましては,政令市初の市民協働発電制度の創設や埋立処分地を活用した固定価格買取制度による全国初のメガソーラーの誘致など自立分散型電源の確保に取り組み,再エネ導入3倍以上という目標に対し,1.5倍に増加しております。あらゆる政策の推進に当たりましては,民間活力を最大限に活用すべきとともに,地理的状況も踏まえまして,地域特性を踏まえるべきと考えております。このため,民間の火力発電所や大規模な風力発電,これは地形的に風向きが安定しない日本では不向きとされ,大型風車の落下事故が相次ぐなど安全性に対する懸念もございまして,とりわけ例示された浮体式の洋上風力発電は,いまだ実証段階にあることから,これらに出資する考えはございません。なお,北九州市では,港湾事業による埋立地等を活用し,民間火力発電所等の誘致に取り組まれている計画でございますが,出資をされるものではございません。以上であります。 ○議長(津田大三) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 組体操についてでございます。組体操は,子供たちが集団演技を通して運動に親しみ,協調性や連帯性を養い,達成感を味わいつつ,体力,運動能力の向上を図る有意義な体育活動の一つであります。本市におきましても,各校で創意工夫して組体操に取り組んできており,今年度は小学校166校のうち155校,中学校73校のうち14校で実施されております。なお,今年度組体操による事故は小学校で16件となっており,そのうち指や手首などの骨折やひびに至る事故が12件発生しておりますが,中学校では事故報告はございません。本市では,こうした事故の発生状況を踏まえ,組体操を実施する場合は,これまでの事故原因や,児童生徒の実態から種目の難易度を段階的に工夫するなど安全に留意した計画づくりを進め,適切な指導体制の下,落下や転倒防止のための要員を必ず配置するなど安全管理に万全を期すよう校長会や体育主任研修会等の場で毎年指導の徹底に努めてきており,組体操の演目や段数,高さなどに関する一律のガイドラインは設けておりません。また,学校安全の手引きに基づき,事故の発生やその状況,けがの状態などを保護者へ迅速に報告するなど保護者との連絡連携を密にすることや,状況に応じてPTA等にも連絡することなどを各校に徹底してきております。学校教育におきましては,体育をはじめ,ある程度の危険を伴う活動であっても,十分な安全配慮の下で,子供たちに様々な体験をさせることが危険から自らの身を守る力を身に付けさせることにつながるものであり,組体操における事故防止につきましては,近く策定されます文部科学省の方針等を十分参考にし,組体操の教育的意義も踏まえ,子供たちの事故防止に万全を期してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 暫時休憩いたします。 〔午後2時47分休憩〕 〔午後3時11分再開〕 ○議長(津田大三) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。菅谷浩平議員に発言を許します。菅谷議員。 〔菅谷浩平議員登壇(拍手)〕 ◆(菅谷浩平議員) 北区選出,京都維新の会・無所属京都市会議員団の菅谷浩平です。昨年春の初当選から10箇月余りが経過しましたが,こうして初めての代表質疑の機会を与えてくださった有権者の皆様に改めて感謝の気持ちを抱きながらこの場に立たせていただいております。 代表質疑に入らせていただく前に,私は,9月市会の市長総括の場で,市職員の持ち家に対する住居手当を廃止すべきではないかと市長に質問いたしました。その後,職員の住居手当の在り方を見直した内容の議案をこうしてこの2月市会に提案してくださったことを高く評価させていただきます。 そもそも私が政治の世界に飛び込んだのも,この閉塞した今の日本を自分が住んでいるここ京都から変えていきたい,1円たりとも税金の無駄遣いが許されない,そんな世の中の仕組みに変えていく,そのためにもまず我々議員も含めた市役所の組織改革や意識改革を実行していきたい,そんな思いからであります。引き続き,国の借金とは別に,市民一人当たり200万円の借金があるこの京都市を再生していくために,維新の議員として取り組んでまいります。この場でも市長の真摯な御答弁をお願いいたします。 それではまず,入洛客への新たな課税策についてお尋ねします。市長は,公約の中で,「入洛客への新たな負担の在り方や超過課税等の課税自主権活用を検討します」とうたっておられます。また選挙期間中は,さらに新税の候補のあくまでも一つとしてではありますが,駐車場税を挙げられていました。 2000年に施行された地方分権一括法により,地方自治体が自らの判断と責任で課税をする権限が拡充され,これまでにも多くの自治体がそれぞれの地域の特性に合った新税の調査,研究を実施した結果,幾つかの新税が制度化をされています。市長が口にされたいわゆる駐車場税もこういった流れを受けて,既に福岡県の太宰府市で制度化をされています。この太宰府市の歴史と文化の環境税,いわゆる駐車場税は,2003年からその徴収がスタートをし,月ぎめ駐車場や店舗用駐車場などを除く駐車可能台数が6台以上の有料駐車場に車をとめた場合に課税をされる仕組みです。市民の方も一部,課税対象となりますが,安定した税収があり,観光,産業の振興,まちづくりのための財源として活用されています。そのほか地方独自の課税としては,東京都が1泊1万円以上の宿泊料金を支払う方に対して100円から200円を徴収する宿泊税があります。この財源については,観光振興のために活用されております。大阪府でも同様の税金を徴収する方針を決めており,現在開かれている大阪府議会において条例案が可決されれば,2017年1月から大阪においても宿泊税が課税されることになります。また過去には本市においても,古都税や犬税といった税が課されていたことがあります。 そもそも国は地方自治体の自主財源である地方税を拡充するための方策として,この法定外目的税の制度を創設しました。正にこの法定外目的税は,地方分権への一歩であります。我々維新が党是としている地方分権を推進するためには,地方自治体が自主的かつ自立的な行財政運営を行うことができるよう税源移譲により国への財源依存度を減らしつつ,地方税の裁量の拡大とその積極的活用が必要であると考えます。本年度の当初予算案と共に公表された今後5年間の中期財政収支見通しによると,歳入の不足額が最大で297億円に上ると推計されており,同じく公約で掲げた徹底した行財政改革を本市が計画どおりに実施したとしても不足分を埋めることはできず,将来にツケを先送りにしてしまうことになります。 我々維新は,まず徹底した行財政改革による無駄の見直しを進め,そのうえで財政運営と行政サービスを持続可能なものとしていくために,その受益者に対して一定の負担をお願いするのは致し方ないと考えます。ただし法定外目的税については,特定の政策の実現や特定の行為の抑制,促進のための手段としての側面にも期待が寄せられているところであり,単に税源があるのかという財政的な観点ばかりで語られるべきものでもなく,その税をもって実現しようとする政策目標は適当なのか,他の施策や政策目標との整合性が取れているのか,得られた税収をもって負担に見合った行政サービスを提供することができるのかといった観点から総合的に研究,検討する必要があります。 是非とも市長にはその点を踏まえてもらい,何のための税金なのかについて,入洛客はもちろんのこと,市民が望み,市民が納得する構想となるように,まずは公約どおり早急に有識者を含めた検討に着手していただきたいと思います。市長が公約でうたわれた入洛客を対象とした新税構想について,現時点での市長のお考えをお聞かせください。 次に,今回の各行政区に対する予算の在り方についてお尋ねします。地域振興対策費として京都ならではの地域力をいかした区民提案型・共汗型まちづくり支援事業予算がおよそ2億9,000万円計上されております。平成24年度から本市でも各行政区の自主事業予算として,現在のような仕組みを採用しているようですが,各区への配分の算定方法には少しばかり問題があるように思います。本市は,2億9,000万円のうち,まず各区役所に対して800万円を一律に配分し,そこに各区の人口比で金額を上乗せしていく仕組みを取っています。2015年度の国勢調査によると,本市の人口は,京都市全体で微増という結果でしたが,各行政区別に見ると中京区や下京区では人口が増加しているのに対して,北区そして東山区の二つの行政区だけが人口減という結果となっています。例えば本年度の北区の予算であれば,今回2,000万円でありますが,そもそも地域振興のための予算であるにもかかわらず,地域の実情や特性には配慮せず,人口が減少しているような区も含めて全行政区一律に扱われていることに疑問を抱きます。2億9,000万円もの税金が地域振興という名目で市民一人一人に同じ金額で配分されている今の仕組みは平等といえば聞こえはいいですが,より柔軟な対応ができる制度への改善を市長に求めます。 そのうえで,私は,北区役所の職員の方から本年度当初予算における北区の予算が2,000万円だと聞いて,率直に少ないと感じました。各行政区で予算がどのように使われているか,あるいは取組の内容が適正かどうかなどの検証は必要だと考えますが,これからは各区役所が主体的に区長のリーダーシップの下,より多くの財源が任せられ,区の特性や地域の実情に応じた施策,事業の選択と集中が可能な体制づくりが必要と考えます。 本市は,現在147万人の人口を抱える日本で8番目の大都市であります。しかし,20ある政令指定都市で4番目に高齢化率が高い一方で,女性が生涯に産む子供の数は同じ政令市の中で下位に属します。国の推計を見ても45年後には最大で36万人,実に25パーセントの人口が減少する可能性があります。厳しい財政をやり繰りしつつ,他の大都市よりも進む高齢化と少子化に対応するという難題が本市には待ち受けております。このような人口減少や少子高齢化の進行が加速する中,平成26年に地方自治法の改正が行われ,それぞれの自治体でどのような区の在り方がふさわしいかを十分に検討するよう求められていました。 今回,その検討を求められていた区の在り方について文化市民局から一定の方向性が発表されております。これによると目標とする四つの区役所像が掲げられ,そこには,「市政をリードする区役所」とあります。では,市政をリードする区役所とは一体どういったものなのか。詳しく見てみますと,「区役所の組織,職員定数及び予算要求に係る区長の権限を強化する方向で検討します」とあります。では,区長の権限を強化するとは具体的にどういったことなのでしょうか。昨年の5月市会で我が会派の宇佐美けんいち議員から,当時,市長に対して区役所の権限を強化する総合区制度についての質問がなされ,「本市は,総合区制度の採用を当面考えていない」と御答弁をされました。総合区制に係る本市の考え方は次のとおりです。「本市では,総合区によって可能とされる区長権限の強化については,これまでから既に取り組んでおり,平成24年度に創設した京都ならではの地域力をいかした協働型まちづくりを支援する区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算では,区の特性を発揮できる予算権限を区長は付与され,制度を導入するメリットはないものと考えています」とされています。 まず現行制度と総合区制度の違いとして,総合区制度は,区長が新たに任期4年の特別職として任用される制度であります。私は,これからの区役所には多くの財源と権限が与えられる方が望ましいと考えております。当然そのような組織のトップには今まで以上の権限が与えられることになるため,これからは特別職の区長が区役所をマネジメントした方がよいとも考えております。むしろこれからの区役所やその区長には責任が伴うからこそ権限が与えられるべきであり,本市が総合区制度にメリットがないと言い張ることには理解ができません。また既にまちづくりを支援するための予算権限が付与されているとのことですが,年間2,000万円や3,000万円の予算編成権を与えられただけでは足りません。他の政令市では,それまで各局が区ごとに使い道を指定して予算配分していた施策,事業に係る予算を市から区に下ろすやり方から,一旦まとまった財源枠を区に示し,その枠の中で区長自ら予算編成をし,区の特性や地域の実情に応じた特色ある事業展開を既に行っております。この政令市の区長が自由に予算編成をできるようになった金額は,本市の各区長のそれと比べておよそ45倍の大きさになります。 厳しい財政や地域課題の多様化,複雑化が進む今の時代だからこそ,市民に身近な区長の権限と責任の拡大がこれからの区役所の在り方に欠かせないと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。 最後に,交通局の経営姿勢についてお尋ねします。普段から京都の市バスや地下鉄を利用していると,車内広告に目が留まります。乗る度に思うことは広告の空きスペースが多いということであります。私は,交通局がこの広告の空きスペースによって一体どれほどの収益を逃してしまっているのかがずっと気になっておりました。一般的に広告は景気にも大きく影響されると言いますが,今の京都市交通局にそんなことを言っている余裕はどこにもありません。利用者の安全と市民生活の足としての役割を保証するのはもちろんのことながら,利益の確保に努めなくてはなりません。本市交通局の予算を見ますと,市バス事業は前年度黒字となるなど好調なようですが,地下鉄事業に関しては,企業債見込み残高が3,700億円を上回るなど今なお非常に厳しい状態にあります。 市長は自身のこれまでの取組として,以前は1日当たり4,600万円あった赤字を100万円にまで圧縮することに成功したと御発言されています。ここにおられる皆様には釈迦に説法ではありますが,この100万円という赤字は市民から集めた税金28億円が補助金として投入されたうえでの赤字額であり,そのほかにも一般会計から72億円もの税金が出資金として更に繰入れをされるなど,ほかにも合わせて145億円もの資金が市から交通局に入っています。経営健全化団体であるということを今一度御認識をされ,どうすれば更に収益が上げられるかを職員一人一人が考える組織に変えていかなくては自立した経営など夢のまた夢ではないでしょうか。 そこで話を広告に戻しますと,例えば現在の市バスの車内広告は,市内を走る全車両約800台にそれぞれ1枚ずつ広告が掲載をされるもので,料金が4日間でおよそ32万円であります。本市バスの車内広告の稼働率が広報発表によると71パーセントであります。おおむね市バスの車内広告はバス1台当たり22箇所ありますので,大体6枚から7枚の広告枠が常に空いている状態になります。ですがこれは他都市の市営バスと比べると非常に優秀な数字とのことです。しかしながらこの稼働率の内訳を見てみますと,交通局が年間およそ40パーセントを自分たちの広告枠に割いており,この数字を差し引きしますとおおむね30パーセントに稼働率はぐっと下がります。さらにこの交通局の広告は自社広告に当たりますので,直接的な収益はゼロ円であります。さらに交通局以外の市役所関連の広告の割合がおよそ8パーセントあるそうなので,純粋な民間の事業者の車内広告の利用率は20パーセント台にまで落ち込みます。平成26年度の市バスの天井付近の車内広告の売上げはおよそ1億円でした。もし仮に365日隙間なくバスの車内広告を埋められていたとしたら,それだけで3億円の増収につながります。先ほどの1日当たりの赤字額100万円もこれでほぼ解消される計算になります。交通局の経営を少しでも楽にするために,民間事業者からより広告利用をしてもらうように本市は取り組まなくてはなりません。 よく市長は,市民一人当たりの市税収入が政令市の平均より1万円以上少なく,大阪市と比べても7万円も開きがあるということで,本市のぜい弱な財政基盤について答弁をされております。そうであるならば,なおさら足りないところを交通局の皆さんにも頑張っていただいて,少しでも京都市の財政を改善すべきではないでしょうか。 本2月市会の予算議案における市長説明の中に,全庁挙げた連結の視点で財政運営と政策の推進に努めていかれるそうですが,何はともあれ,まずは交通局自身が当事者意識を持って,より収益の拡大に努めるべきと考えます。ただでさえ市の一般会計から多額の税が投入されて成り立っている交通局の経営なのですから,市財政への悪影響を及ぼさないよう自ら営業活動をするくらいの気概でいてほしいと考えますが,市長の御見解はいかがでしょうか。 以上,新税構想,区の予算の在り方,交通局の経営姿勢の3点に関する私からの代表質疑を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 菅谷浩平議員の御質問にお答えします。 区政の在り方についてでございます。私は,これまでから区役所が区民の皆様と共に,本庁を,更には京都府や国をも動かす,そのためにも,区長はその区の担当市長であるとの気概を持って区政を推進するように,区長,担当区長に申し伝え取組を進めてまいりました。本市の区政改革の最大の成果は,徹底した区民参加による地域づくりであると同時に,147万市民が,また京都市全体が一体感を持ちながら区の特色を発揮し,京都ならではの発展につなげてきたことであります。具体的には,本市では区役所には地域力を伸ばすことにつながる権限,予算を積極的に配分する一方で,本庁には,例えば都市計画や道路,河川等の維持管理のように専門性や効率性の観点による権限予算を持たせており,区長も区民の要望を踏まえて,そうしたことは本庁に要望していく,そして区政を充実させつつ都市としての一体的な成長を図っており,こうした本市の基本的な考え方と総合区制とは求めるところが異なるものと考えております。区の特色と全市の一体感,これを両立させていくということが私は大事であると思います。 今後より高い次元の京都市政,まちづくりを進めるためには,様々な地域ごとの課題を住民の皆さんが自分ごと,自分たちごと,みんなごととする意識,行動の共有,すなわち,広範な市民の参加と協働によるまちづくりが重要であり,その第一線に位置するのが市民の皆様に最も身近で総合的な地域まちづくりの拠点である区役所であります。このため,区長権限と責任の拡大が不可欠であると考えており,徹底した市民参加の下,全庁挙げて練り上げた今後の区政の在り方を示す共汗で進める区政創生,さらには,私の公約でも区役所機能の強化策を具体的に明示しております。まずは,来年度予算において,年々提案件数が増加している区民提案型支援事業につきまして,制度創設時の2倍となる1億1,200万円まで予算の拡充をお願いしているところであります。 さらには,そうした予算面の充実に加えまして,一つに,まちづくりカフェ事業の全区拡大をはじめ区役所が地域自治組織はもとより,NPOや大学,民間事業者など,あらゆる主体をネットワーク化する核となり,地域力,文化力,歴史力,何よりも人間力を最大限に引き出し,まちづくりの総合調整,けん引役を果たすこと,二つには,平成25年度から,ふるさと納税だいすきっ!京都。寄付金の応援メニューに地域振興を加え,当該寄付を全額区の独自財源に充てるよう改革したように,区役所が,知恵を絞って独自財源を開拓することにより区の特性に応じた事業展開を図ること,これらによって,各区固有の様々な課題により的確かつ柔軟に対応できるものと考えております。 今後とも,たゆまぬ区役所改革により京都の誇る自治の伝統や各区の特色をいかした京都モデルの参加と協働による区のまちづくりを発展させてまいる所存であります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕 ◎副市長(小笠原憲一) 市バス・地下鉄事業の経営姿勢,特に広告をはじめとする収益拡大の取組についてでございます。公営企業にとりまして,安定した経営基盤の確立は極めて重要な使命であり,この間,経営改革におきまして,増収,増客策,収益の拡大につきましては,最重点課題の一つに位置付け,攻めの経営を大胆に推進してまいりました。地下鉄事業の増客につきましては,駅周辺の活性化,観光,集客イベントの積極的な開催,歩くまち京都のまちづくりの推進など全庁を挙げた取組を進め,特に市バス事業におきましては,40両の増車により大幅に路線,ダイヤの拡充をしてまいりました。これらの取組につきまして,市民の御理解と御協力をいただいた結果,1日当たりの増客数は,26年度までの5年間で,地下鉄が3万2,000人,市バスが3万人の増,年間運賃収入は,両事業合計でおよそ44億円増と,お客様数,運賃収入とも約1割増加しております。この伸びは,全国九つある公営企業の中でも一,二を争うトップ水準の数字でございます。また,地下鉄事業の収益の拡大の取組としまして,駅に新たなにぎわいを生み出し,お客様の利便性向上を図る,駅ナカビジネスを積極的に展開してまいりました。この間,職員の創意工夫により駅空間の積極的な活用に努めたことにより,19年度の事業開始当時に5,600万円でありました収入は,昨年度実績で8億円と大幅に増加しており,年間収入10億円の目標達成に向けて,しっかりと取り組んでまいります。 議員御指摘の広告についてでございますが,広告代理店との連携により,お客様数の増加に伴う広告価値の高まりをいかし販売を強化するとともに,デジタルサイネージや可動式ホーム柵のシート広告など,新しい媒体の開発にも積極的に取り組んでおります。その結果,広告の種別によって稼働率は異なるものの,トータルの広告収入は,この5年間で9億8,000万円から11億3,000万円へと堅調に増加しており,こちらも同規模の公営企業と比較しまして,トップクラスの広告料収入となっております。 こうした収益拡大の取組によりまして,市バス事業は一般会計からの任意補助金に頼らない自立経営を実現し,地下鉄事業につきましては,依然厳しい経営状況でございますが,両事業とも利便性を向上させ,安全性を確保しながら,計画を上回る経営健全化の進捗を図ってまいりました。今後とも,職員一人一人が営業マンという気概を持って,お客様サービスの向上と営業活動の推進により一層努力してまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 後藤財政担当局長。 〔後藤財政担当局長登壇〕 ◎行財政局財政担当局長(後藤友宏) 入洛客への新たな負担の在り方の検討についてでございます。本市におきましては,世界が憧れる観光都市を目指し,市民の皆様と多くの取組を進め,観光人気都市で2年連続世界一という誇らしい評価を得ることができました。そしてこの間,観光客や観光消費額は大幅に増加し,京都経済は確実に活気付いていると考えております。この好調な観光による経済効果を,京都経済全体に波及させ,安定した雇用の創出や伝統産業の活性化等により市民の皆様の豊かさの実感につなげ,ひいては市税収入の増加を実現していくことにしっかりと取り組んでまいります。さらに,入洛客への新たな負担の在り方など,課税自主権の活用についても,市民や関係者の御意見もお聴きしながら,前提条件を付すことなく,あらゆる角度からしっかりと議論をしていく必要があると考えております。他の自治体における観光客等に対する法定外税の事例については,これまでも研究を行ってまいりましたが,市長の指示により私をリーダーとした庁内での検討を既に始めており,来年度のできる限り早い時期に第三者である有識者による会議を設置して更に検討を深めてまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 次に,江村理紗議員に発言を許します。江村議員。 〔江村理紗議員登壇(拍手)〕 ◆(江村理紗議員) 地域政党京都党,右京区選出の江村理紗です。会派を代表しまして,森かれん議員と共に平成28年度京都市予算に関して質疑を行います。 さて,先日の京都市長選挙においては,門川大作京都市長が大差を付け3期目の御当選を果たされました。これまでの市政運営を市民が追認し,市政運営を門川市長に委ねた結果であります。投票率が大変低調であったということは誠に残念でありますが,京都党市会議員団といたしましては,この結果を重く受け止めるとともに,引き続き納税者目線で議会のチェック機能を果たすべく議会活動に取り組んでまいる所存であります。 さて,それでは京都市長選挙後最初の予算編成に当たる京都市の28年度予算案について申し上げます。 冒頭に人口減少社会に立ち向かうことを掲げ,最優先に雇用をはじめとする経済政策を柱に,文化首都の構築など,私たちがこれまでから主張してまいりました点がふんだんに盛り込まれており,これらにおいては目指すべき課題やビジョンが同じ方向性であると捉えております。しかし,財政課題に対する取組については,将来のことを考えると更に一歩踏み込んでいただきたいところです。 第一に,これは毎年申し上げていることですが,特別な財源対策を繰り返し,公債償還基金の取崩しを危険水域いっぱいまで,まだ大丈夫,まだ大丈夫と続けていることは看過できない問題です。この点については容認できず,禁じ手はあくまで禁じ手として取り崩さない構えで臨んでいただきたいものであります。 第二に,財源不足を補うために,基金の取崩しなど特別の財源対策をしておりますが,まず財源不足の認識を改めなければなりません。財源不足を少しでも減らすために,人件費をはじめとした様々な費用をカットされ,努力の跡を示されていることは重々承知いたします。しかし,長きにわたり限られた財源の中で,複数の新規事業に着手される以上,何らかの予算が削られることは当然です。本来財源不足とは,生活保護費や職員の人件費など行政として絶対に支払わねばならない義務的経費の支払いが滞ることで,その場合は緊急回避的に特別な財源対策をすべきです。しかし現状は,次々と新規事業に着手し,その結果財源が不足している状況です。 このように現在の行政運営は,支出から考えておりますが,与えられた予算を基準にした予算編成にするよう求めます。そのうえで,改めて特別な財源対策について市長の考え方をお答えいただきたいと存じます。 それでは次に,公務員給料表の見直しについて提案いたします。今回,京都市職員給与条例等の一部を改正する条例の制定において,国に準じた給与制度の総合見直し案が出ていますが,財政再建を進展させるためには,まず公務員給料の構造自体を抜本的に見直す必要があります。なぜなら,現在の給料表は,職員が昇給,昇格を目指す上での意欲が非常に得られにくいものとなっているためです。(パネルを示す)今回,市民の皆様も御覧いただいておりますので,公務員給与の仕組みについて説明いたします。 公務員給与は1級の係員から8級の局長まで8階級に分かれ,さらに1級係員であれば1号給13万2,200円から最大号給である97号給では26万9,600円など階級によっては100段階以上の号給に細かく分類されています。また,1級から2級と昇格する際は1級のときの給料を下回らない程度の2級の途中号給からまた昇級していく仕組みです。 それではこの給料表の実態を掘り下げて見てみることにしましょう。(パネルを示す)図に示すことで,まず目に入るのは階級ごとに給料が右上がりにこそなっているものの,各級ごとの給料が相当重なっていることです。例えば係長と課長補佐では,最高額の差額が1万6,400円,最低額の差額が2万1,300円と,何と給料幅の78.2パーセントが重複しています。さらに驚くべきことは,最大階級である局長の給料に,主任の上限付近の給料が達しているということです。では,なぜこれほどまでに給料が重複しているのでしょうか。そこには,根強い年功序列の仕組みが敷かれているためです。 (パネルを示す)そこで,年功序列がどのような状態で起こっているのかを図で示しますと,例えば30代から定年までの職員が幅広く在籍する係長級ではこのようになっております。この図を見れば,号給が上がるにつれて,30代後半から50代後半へと徐々に年齢が上がっていることが見て取れます。京都市職員の行政職給料は主任級でも課長級でも,毎年その階級内にて4号給上がる仕組みになっており,課長級以上のいわゆる幹部職員に就かなくても,主任級で最大149号給,係長級で最大116号給と,同級内に所属しながら長きにわたって給料が上がり続けます。そのために,主任級でも年齢を重ねれば,最終的には局長級の給料にまで達することになります。 それでは,局長級と一部給料の重複があります主任級職員の給料支給状況を見ていきます。(パネルを示す)この図は,横軸が号給ごとの月給,縦軸がその月給を受け取る職員の数を表示したものです。赤い点線で囲っているところが管理職員と月給が重複している部分です。つまり31万7,300円以上は課長級給料と重複,35万100円以上は部長級,39万3,500円以上は,何と局長級の給料に匹敵します。しかも主任級職員の最高額である39万4,800円を受け取る職員は突出して多い状況です。そもそも,地方公務員法第24条には,職務給の原則として,職員の給料は,その職務と責任に応ずるものでなければならないと定められていますが,京都市職員の給料支給状況は,この原則から掛け離れたものであります。現行の京都市の給料体系では,課長や部長の重責をわざわざ担ってまで昇進することへの収入的還元が少ない状況です。同じ係長でも,年齢によっては月額に約15万円もの差が発生しますが,それに対して係長から課長補佐に責務が大幅に増えたとしても,最高月額は1万6,400円しか上がりません。それだけ職責以上に年功序列が給料に影響する仕組みになっているということです。 また,公務員給料が高いと言われるゆえんは,高齢層になるにつれ民間企業であればいわゆる平社員に当たる主任級職員の給料でも,市民感覚からすれば一定の地位と職責の下,粉骨砕身の末にようやく手に入る高額なものであることが一つの大きな要因ではないでしょうか。先ほど示しました主任級の最高月額の職員の平均年収は781万6,000円となっています。民間感覚からすれば,極めて安定した環境で,管理職でない職員の方がこれほどの収入を得ることができる現実は驚くべきものです。ここに市民感覚とのかい離が生じてしまっております。 そのため,まず給料表の全体像として改善すべきは,給料額の階級をまたいでの重複の是正と係員から係長級までの職員の上限額の引下げです。大阪市では,各級の最高の給料月額は,2階級上位の級の最低の給料月額を超えないよう努めるものと定められ,実際に給料表に反映されています。係長級まで給料の上限額を引き下げ,例えばその代わりに財源の一部は管理職員に妥当な範囲で配分することも有効であり,給料配分の最適化を図るべきです。職員数比率からして,1級係員から4級係長級までは全体の85パーセントを占めていることから,私の述べました給料配分の最適化を実施しましても,総人件費は削られることになります。 以上のことから,給料体系の全体的な考え方として,給料額の階級をまたいでの重複の是正と係員から係長級までの職員の上限額の引下げを実施したうえで,職務給の原則に基づいた給料配分の最適化を行うべきではないでしょうか。市長の御所見をお聞かせください。 続いて,人事評価制度についても提案します。公務員給与の年功序列を見直すには,人事評価制度による給与や昇任昇格への反映が必要となります。京都市の人事評価制度に係る勤務実績の給与反映は,平成24年度,平成25年度と設けられたことは望ましい取組です。しかし課長補佐級以下の職員には減額方向の給与反映しかなく,50点前後を平均水準として,30点台の職員も60点台の成績優秀者も,評価には大差が付いているものの,給与反映にはつながっておりません。 公務員の人事改革というと,人材育成のために行うというお題目がよく言われます。特に,自治体では,人材育成という面を前面に出して人事評価を実施してきたので,後になって人事評価結果を給与へ反映させることには二の足を踏む実態もあるようです。しかし,本質的に考えると,人材育成自体が人事改革の目的ではなく,顧客である京都市民に質の高いサービスを供給することが人事改革の目的のはずです。そのため,いかなる人事制度が必要なのかが問われているのです。 昇任昇格に反映する人事評価制度にするためには,評価項目の事前開示やフィードバック面接の充実,産休で評価がマイナスにならないなどの配慮,上司からだけでなく部下からの評価も加えるなど制度への信頼が大前提で幾つか乗り越えるべき壁もあります。しかし,職員の意欲や能力,実績が正当に評価され,努力している職員が報われる環境にするためにも,昇給幅には差を設けるべきです。 具体的には,現在の毎年一律での4号給昇給を見直し,1年の昇給号給数を人事評価制度に応じて,昇給なしから8号給昇給まで範囲を設けてはいかがでしょうか。昇給号給数に差を付けることで,若手職員のモチベーションの維持や長期的キャリアを見据えた昇格意欲につながり,ひいては低迷の続く係長能力認定試験の受験率向上につながると考えます。また,そのためには限りある財源の分配であるため,相対評価の導入にも踏み込むべきです。既に横浜市や大阪市でも導入されておりますとおり,職員の頑張り度や成果に即した絶対評価のうえで,局横断的に評価者による差を調整し,相対評価区分の割合をA評価を5パーセント,Bを20パーセント,Cを60パーセント,Dを10パーセント,Eを5パーセントといったおおよその比率を設け,相対評価結果に基づき,ゼロから8号給の昇給を行うべきと考えてますが,市長の御所見をお聞かせください。 地域政党京都党は,厳しい財政状況を踏まえ,職員給与においても見直しを図るべきだと考えます。しかし,単なるコストカットを推進せよと言うつもりはありません。身を切る改革には限界があります。だからこそ,私たちの考える人事給与制度改革は,公務員のモチベーションを引き出し,そのことで市民サービスの向上をもたらし,あわせて公務員給与の全体の削減にもつながることを描いています。相対評価には配分の難しい部署ももちろんありますが,所々の弊害ばかりに目を向けるより,相対評価の導入や人事制度評価の活用見直しによる効果の大きさに目を向け,どうすれば実現できるかの視点で向き合っていただきたいと思います。改革を恐れず,市民にとって納得を得られやすく,また頑張る職員にとっても待望となる給与制度の見直しを切望いたします。 以上で私の質問を終えます。御清聴,誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 江村理紗議員の御質問にお答えいたします。 予算編成の考え方についてでございます。本市予算は,徹底した市民参加の下に議論し,市会の議決を頂いて策定しました京都市基本計画に基づき,かつ毎年度の編成において,市会議員や市民の皆様の御意見をしっかり受け止め,局横断的な観点で政策の優先順位を判断し,全庁一丸となって,都市の成長戦略と行財政改革を推進する予算として編成しております。来年度予算においても,一般財源収入がピーク時から300億円以上減少したままの厳しい状況の中,徹底した行財政改革,身を削る改革で81億円もの財源を捻出する一方で,公債償還基金の取崩しなどの特別の財源対策も活用して,待機児童ゼロを継続するための保育所整備,独自の保育士加配といった全国最高水準の福祉や子育て支援,中小企業の下支え,新産業の成長支援といった経済活性化,水害対策や耐震補強といった安心安全の確保など,未来の京都を力強く支え,未来を切り開く施策を盛り込みました。 仮に特別の財源対策を活用せず新規事業を一切盛り込まない予算とした場合,子育て支援の充実ができず,また未来への投資ができなくなり,人口減少社会の克服等もできません。担税力の向上,将来の税収増は見込めません。また,公債償還基金については,来年度予算で特別の財源対策として50億円,そして市債の償還のために,全体で402億円を取り崩しますが,新たに来年度391億円を積み立て,来年度末においても950億円の残高を確保しており,将来の市債償還に全く支障を来すものではございません。 しかしながら,もとよりこうした特別の財源対策は,無制限に続けていくものではありません。この度お示しした「京プラン」後期実施計画では,当面は特別の財源対策をおおむね100億円を限度に活用したうえで,平成32年度には脱却を目指すことを明確にしております。これまで都市の成長戦略を進めてきたことで,人口は5年連続で転入超過となり,雇用状況も大きく改善が進むなど着実に成果も表れてきております。特別の財源対策脱却のためにも,こうした成長の芽を育むため未来への先行投資は不可欠であり,今後とも都市の成長戦略と行財政改革を一体として,より一層強力に推進してまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 田中人材育成政策監。 〔田中人材育成政策監登壇〕 ◎人材育成政策監(田中照人) まず,職員の給料体系についてでございます。職員の給与につきましては,地方公務員法におきまして,生計費や国及び他都市の制度との均衡等を考慮して定めなければならないとされております。こうしたことを踏まえ,本市職員の給料は,課長,係長など,職責ごとの職務の複雑,困難,責任の度合いにより段階が上がっていく級という要素と,同じ係長の級の中でも経験年数による習熟や生計費の上昇に応じて毎年,昇給していく号給という二つ要素により決定しております。したがいまして,これら二つの要素を組み合わせて設定いたしました給料表におきまして,級をまたいで給料月額に重なりが生じること自体は,経験年数を考慮する以上は直ちに問題となるものではなく,国や他都市でも同様の状況にあります。また,実際には,一定の経験年数を経なければ管理職とならないことから,最も若い管理職であっても主任級より低い給料月額を受けることは,本市においては通常ございません。本市では,これらの制度をベースとしつつ,これまでから,職務,職責を重視した給与構造への転換に努めているところであり,平成19年度の給与構造改革におきましては,より高い職務に昇格した場合の給料の増額幅を大きくする一方で,毎年の昇給による給料の上昇幅を抑制いたしました。また,平成24年度には,係長以上のポストに昇格しない場合における給料額を引き下げております。さらに,給与制度の総合的見直しとして,平成28年度から給与水準を平均2パーセント引き下げるとともに,世代別,役職別の給与水準の適正化を図るための給与条例改正案を本市会に御提案しておりますが,その中でとりわけ高齢層の主任級の給料水準を重点的に引き下げることとしており,主任級と管理職の給料月額の重なりは更に縮減いたします。職員の給与制度は,給与決定上の基本原則を踏まえるとともに,職員の職務に対する意欲や意識が高まり,組織の活性化に資するものであることが重要と考えており,今後とも,職務,職責に見合った適切な給与体系の構築につきまして,引き続き検討を行ってまいります。 次に,人事評価制度についてでございます。人事評価制度は,職員一人一人が組織の目標を共有のうえ,そのうえで自分が果たすべき役割を自覚することで主体性を持って仕事を進める,また,上司と部下で仕事の進め方や達成状況について話し合うことにより,日々のコミュニケーションを充実させ,チームワークで結ばれた働きがいのある職場づくりを進めるなど,人材の育成と組織の活性化を目的として,平成23年度から全ての職員を対象に実施しております。本市では,これまでから人事評価制度を基本とした各種人事施策の構築を進めてきており,その中で,議員御指摘の給与への反映につきましては,平成25年度から人事評価の評価結果が低い職員について,昇給やボーナスを抑制する制度を導入しているところです。また,管理職員のボーナスにつきましては,相対評価による増額も行っておりますが,一方で課長補佐級以下の職員につきましては,様々な行政分野において性質の大きく異なる業務に従事しており,その職務への貢献が業績という形で表れにくいことから評価を相対化することが難しく,相対評価の導入には慎重な検討が必要であると考えております。他方で地方公務員法の改正により,来年度から人事評価を任用や給与など職員の人事管理の基礎として更に活用することが求められております。こうしたことも十分に踏まえながら,引き続き人材の育成と組織の活性化を目的としまして人事評価制度を更に深化させ,給与制度を含む各種人事施策に活用するよう取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 次に,森かれん議員に発言を許します。森議員。 〔森かれん議員登壇(拍手)〕 ◆(森かれん議員) 地域政党京都党市会議員団を代表し,江村理紗議員に引き続き上京区選出の森かれんが質疑をいたします。 私は,平成27年4月に初めて議席を頂戴し,議員として初めて訪れた視察は,地元翔鸞学区で実施された京都市初となる空き家条例に基づく行政代執行の現場でありました。廃きょと化した空き家が解体されていく様子を目の当たりにし,これ以上,空き家を増やしてはならないと感じて以来,特に空き家対策については独自に調査を重ね,他都市視察も行ってまいりました。空き家が問題になるときには,空きになることが問題なのか,空き家があることが問題なのかによって対策は変わります。農村部では,人口が流出することで空き家になることが問題ですが,都市部では,景観や異臭,防犯,防災の観点から,空き家があることで迷惑が掛かる。老朽危険家屋化している空き家については,除却,解体を促す必要があります。 京都市は,他都市に比べても空き家流通促進事業,耐震補強への助成,無料耐震診断などの取組においては早くから危機感を持って取り組んでおられます。しかし幾ら空き家をなくす努力をしていても,次から次へと新たな空き家が誕生する今日において特効薬がないというのも一定事実であります。ただ,空き家も突然発生したわけではなく,人口減少社会に突入し世帯数よりも住宅数のほうが上回っているのにもかかわらず,住宅建設への投資こそ経済刺激になると新規住宅を奨励してきた結果によって生み出されたものであります。 しかも,今空き家を抱えておられる方よりも,事態が更に深刻化するのは,その空き家が相続等によって次の世代に渡るときです。なぜなら,今ある空き家も既に老朽危険家屋化しているものもありますが,多くの空き家は放置していてもすぐに近隣に迷惑を掛けることはありません。しかし,いざ相続した家を活用,除却しようとするときになって,今の状態では買い手が付かない,壊すと都合が悪いという事態が発生し,問題が出るくらいならそのままにしておこうということで,更に放置をされることによって空き家の問題は加速していきます。つまり,今がよければ全てよいという先送り思考が空き家を生み出す要因なのであり,空き家増加を食い止める一つの方法として,過去に制定された法律や制度によって矛盾が生じている点に関しては早急に対応すべきと考えます。 地元で実際に空き家を保有している方や,空き家の両隣にお住まいの方から直接お話を聞かせていただくと,持ち主に除却しなければならないという認識があっても,更地にすると固定資産税が上がる,建築基準法の関係で再建築ができないなどの理由で,そのまま放置せざるを得ないという声を多数頂きました。 そこで市長に2点,お尋ねいたします。1点目は,固定資産税の住宅用地減免措置についてであります。固定資産税の課税の根拠は,固定資産とその所在市町村の受益関係に着目して,所在市町村が課すものとされています。しかし,土地については住宅用地として使用されている場合,課税標準額を6分の1に,200平方メートルを超える部分については3分の1にするという軽減措置が講じられています。固定資産税は地方税でありますが,地方税法という法律によって定められているため,地方自治体が独自に見直すことはできません。住宅用地軽減措置が設定された当時とは,社会を取り巻く環境が大きく変化しているのにもかかわらず,制度だけ残っているのは甚だ疑問です。 そこで,徴税の現場を担う地方自治体から国に対して改めて住宅用地減免措置について見直しの声を上げること,さらに,空き家を除却した後の更地に関して,すぐに住宅用地の特例措置を適応しないとなると納税者の負担が大きいため,負担軽減のために何らかの経過措置を国に要望してはいかがでしょうか。 2点目は,細街路対策における再建築不可の家屋についてであります。京都市では,建築基準法第43条第1項ただし書き規定に基づく許可基準,あるいは路地のある町並みを再生するための道路指定制度を通じて,今まで再建築不可であった幅員1.8メートル未満の家屋についても一定の条件を付加したうえで建築審査会,住民の合意を取ることを前提に建替え可能となりました。今まで建替えができず老朽化が進む家屋をお持ちの皆様にとって,京都市の細街路対策は大変心強い制度であります。しかし,京都市が優先的に防災対策を進める地区,11学区360ヘクタール分のエリアについては,(パネルを示す)1.5メートル未満の通路幅員に接する家屋については再建築不可であります。この写真の道幅は,手で測りましたら1.4メートルでございました。今回はあくまでイメージとして提示をさせていただきます。 私が視察で訪れた東京都足立区では,東京都が定める特別区域においては通路幅員1.8メートル以上から1.2メートルにまで基準を緩和しており,実際に運用がされております。京都市においてもこの優先地区においては,43条ただし書き許可規定において通路幅員1.2メートル以上から建替え可能にすることを検討していただきたいのですがいかがでしょうか。 また,これらの制度は複雑化しており,非常に分かりにくく,特に通路幅員が1.8メートル未満の通路に接する家に住んでおられる方にとって自分の家が再建築可か否かの判断は極めて困難です。さらに再建築の際のセットバック緩和の必要条件などを含め,43条ただし書き許可と道路指定制度の違いを簡単に分かるように説明していただきたいのですがいかがでしょうか。 さらに,空き家問題を解決していくために,市民しんぶんや広報物でこれらの制度の違いと活用方法を誰にでも分かるように掲載し,この制度の必要性が高い場所においては概要版をポスティングするなど,きめ細かく行政広報を徹底していただきたいのですがいかがでしょうか。 続いて,ロームシアター京都のコンセプトの実現について質問をさせていただきます。私は,中学生の時から10年間,京都会館で開催されていた吹奏楽コンクールの予選大会に毎年出場しており,観客という立場だけでなく楽器奏者として長年京都会館を愛し活動しておりました。その京都会館が2016年1月にロームシアター京都として,今まで上演が難しかったオペラをはじめ多くの演目をお客様に披露できるようになったことは大変喜ばしいことあります。しかし,近隣にはびわ湖ホールや兵庫県立芸術文化センターなどの一流の劇場が既に存在しており,ロームシアターのコンセプトである「劇場文化をつくる」においては既に既存のホールで育まれたお客様の奪い合いは避けなければなりません。劇場文化を創るということは,京都で新たな舞台芸術ファンを作り出し,芸術文化を一から築き上げることであり,劇場という箱を造っておしまいでは京都の劇場文化が世界に発信される可能性は極めて低く,舞台芸術に携わる皆様が劇場を通じて成長し,世界へ発信できる場所にしていくことが,ロームシアター京都にとって至上命題であります。 劇場運営をする上で,舞台芸術が莫大な経費が掛かる割に採算が取れない根本的な課題を持つ事業であることは,念頭に入れなければなりません。なぜなら,ベートーベン交響曲第5番「運命」を演奏するためには,編成にもよりますが,最低でも指揮者を合わせて40名人数が必要です。しかし人件費が掛かるからといって,勝手に奏者の数を減らすことができません。また,演奏時間に35分掛かるという事実は曲が完成した200年前も現在も同じです。つまり,オペラやクラシック音楽は技術革新の恩恵を受けることができず,時間に比例して経費が上がるという性質を持っており,技術進歩が進んでも大量生産をして単価を下げるという戦略が取りにくい性質を持つ事業であります。既に総工費約110億円,運営費は前年度増の約1億4,000万円という大胆な予算が計上されており,補助金ありきで劇場を運営をするということは,京都市の厳しい財政状況から更に首を絞めることになります。 劇場の収益は,貸館事業による収入と自主事業のチケット収入で決定いたします。貸館事業を中心にすると,ロームシアター京都の独自性を演目に出しづらくなるだけではなく,メディアの発信力の強い大阪に隣接する京都にとって,劇場経営をするのに不利な状況と考えられます。 一方,ロームシアター京都オープニング事業のような自主事業においては,市民ニーズや地域性に応じた演目を提供できるという特徴があります。自主事業はチケット収入が全てであるため,劇場の空席を限りなくゼロにしながら,長期スパンでチケット収益を上げる取組が必要です。お客様が劇場や舞台に何を求めているのか,どんな舞台を見たいのかというマーケティングの徹底,舞台芸術に興味があっても時間や場所,価格の障壁があって劇場に行くことができなかった人たちに対して,その障壁を取る動きを試みることで,潜在的なニーズを掘り起こし,お客様の劇場リピート率を上げ続けることがチケット収益を上げることにつながり,その努力が劇場文化を創る上で重要な独自性のある演目を提供することに直結するのです。 ロームシアター京都では,バラエティーに富んだ幅広い演目を提供できるようにと芸術監督を設置しておりません。しかしどの分野にも対応できる反面,発信内容が総花的になりやすく,特にオープニング事業が終わってから,ロームシアター京都といえばこれという独自性を発揮できなければ,既に関西にある劇場の中で埋没していく可能性も考えられます。実際に芸術監督を設置している兵庫県立芸術文化センターにおいては,2005年オープン当初約15万人の入場者数から年々自主公演数と入場者数を毎年増やし続け,チケットが売り切れる劇場というブランディングに成功し,2015年では約73万人,累計で既に約450万人を突破しております。また,芸術監督を設置していても特定の分野に特化することなく,ポップス,伝統芸能,演劇と幅広い演目を発信しておられます。劇場として独自性を発揮する自主事業を積極的に取り入れるためにも,専門性の高い芸術監督を設置する必要があると考えますがいかがでしょうか。 次に,劇場におけるハードとソフトの連携についてお尋ねいたします。舞台芸術が盛んな欧米では,劇場に付き一つないし二つ,専属の芸術団体を保有しているのが一般的です。京都市でも京都コンサートホールは京都市交響楽団とフランチャイズ契約が行われておりますが,このようなフランチャイズ契約の最大の利点は,芸術団体にとっては同じ場所で安定的に練習ができるため表現の質の向上につながる点,劇場側としても断続的な講演の実施によって地域での観客開拓や文化教育の大きな力を発揮すると,ウィンウィンな関係が築けるところにあります。さらに,フランチャイズ契約は芸術団体の育成支援にもつながるため,ぜひ検討していただきたいのですがいかがでしょうか。 以上で,私の質疑を終えます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 森かれん議員の御質問にお答えいたします。 空き家対策についてでございます。本市では,市会で様々な貴重な御意見を頂き,議論を深めていただき,全国でも先進的な空き家対策条例を制定し,平成26年4月に施行いたしました。この条例に基づき,空き家の改修助成による空き家活用を支援するとともに,管理不全状態にある空き家については所有者に対して助言や指導などを段階的に行い,改善が見込まれない場合は代執行による解体撤去を実施するなど,断固たる姿勢で臨んでおります。また,本市から国に対し強く要望し続けてきた結果,管理不全空き家に対して,空き家の特別措置法に基づく勧告を行った場合には,住宅用地特例の解除により,敷地の固定資産税等の額が大幅に上昇することになりました。 こうした取扱いを広く周知するとともに,対象となる空き家に対しては,この法律に基づく勧告を遅滞なく行うことにより空き家の適正管理を促進してまいります。さらに密集市街地対策,細街路対策など,現在あらゆる施策と融合させ,市民の皆様,民間事業者としっかりと連携を深めて空き家対策に取り組んでおり,市民の皆様の安心安全な生活環境,魅力ある景観の継承,地域の活性化に一層努めてまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(津田大三) 黒田都市計画局長。 〔黒田都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(黒田芳秀) 森議員御指摘の空き家対策の観点からの各種制度の在り方についてでございます。 初めに,空き家に係る固定資産税等の軽減措置については,これまでから,指定都市が共同して住宅用地の特例措置など固定資産税等の軽減措置を抜本的に見直すよう国に要望しているところです。また,空き家除却後の更地について,固定資産税等を軽減することは,同様の他の土地に対する税負担との公平性の観点及び日常生活に必要な住宅用地に対する税負担に配慮するという特例措置の趣旨を考慮すると,選択すべきではないと考えております。 次に,路地などの細街路における家屋の建替えについてでございます。本市には,道幅が狭く建替えが困難な細街路が多数ありますが,こうした細街路の多くは,京都らしい風情を醸し出し,歴史都市・京都の魅力となっています。このため,平成24年度に密集市街地や細街路における取組指針を策定し,道幅が1.5メートル以上あれば建築が可能となる道路に指定することにより建替えを可能とする制度を設けるなど,空き家の解消に加え,路地の保全や再生を図る京都らしいまちづくりを進めているところでございます。また,避難路を新たに設けるなど防災性や住環境の向上に資すると判断できる場合には,より狭い道幅であっても建替えが可能となるといった安全性に配慮した柔軟な制度についても,従来から頂いている地元住民の皆様の声を踏まえまして,研究を深めているところでございます。こうした制度につきましては,専門的な内容が多いのも事実であるため,手引きやその概要版を作成し地域の防災まちづくり活動などにおいて,分かりやすく丁寧な説明を積み重ね,市民や事業者の皆様と共に空き家対策を推進してまいります。以上でございます。 ○議長(津田大三) 平竹文化芸術政策監。 〔平竹文化芸術政策監登壇〕 ◎文化芸術政策監(平竹耕三) ロームシアター京都についてでございます。昭和35年の開館以来,50年以上にわたり文化の殿堂として多くの皆様に愛されてきた京都会館が,去る1月10日,ロームシアター京都として新たな門出を迎えることができました。リニューアルオープンを心待ちに応援していただいていた市民や議員の皆様,御来場いただいた多くの方から賞賛の声を頂いており,心から御礼申し上げます。さて,京都には,市民生活と文化芸術が密接につながり,共に発展してきた歴史があります。このような京都が大切にしてきたつながりを深化させ若い世代に引き継ぐことがロームシアター京都の大切な役割であると考えております。こうしたことから,ロームシアター京都は「京都に劇場文化をつくる」とのコンセプトの下,その実現のために,創造,育成,交流,そして生活を4本の柱として,これまでの市民の皆様のハレ舞台としての役割に加え,開館後1年間にわたる31公演ものオープニング事業を皮切りに,質の高い自主事業を展開してまいります。あわせて,公演がなくても十分に楽しめるにぎわいスペースを設置したことにより,生活の場に憩いや交流をもたらします。今後の運営に当たりましては,開館以降の状況や利用団体,来場者など皆様の声を反映させることはもちろんのこと,再整備により大幅に向上した劇場機能や特徴の異なる三つのホールを十二分に活用し,あらゆるジャンルの公演に対応できる強みをいかしていきたいと考えております。まず,市民の皆様に広く御利用いただく貸館事業は基本的な収入源としてしっかりと確保し,さらににぎわい事業により収益を上げることで,安定したホール運営を目指してまいります。また,自主事業につきましては多額の制作費の確保が大きな課題となりますが,小澤征爾音楽塾のオペラ制作とその公演や京都国際舞台芸術祭の開催など,他のホールにはない独自性を発揮し,質の高い文化芸術を京都から世界に向けて発信してまいります。ロームシアター京都におきましては,現在のところ,こうした多様な芸術家,芸術団体との連携により,特定のジャンルにとらわれることなく,制作や上演に取り組むこととしており,芸術監督を設置することは考えておりません。フランチャイズ制につきましては,リニューアルオープンを契機に小澤征爾音楽塾の制作拠点としてホールを活用するなど文化芸術団体と連携した取組を新たに実施しておりますが,今後ホール運営を進めていく中で,その在り方について研究してまいります。ロームシアター京都は,世界文化自由都市宣言を実現し,現在,オール京都体制で文化庁の誘致を進めている世界の文化首都・京都の文化的基盤となるべく,新たな劇場としてオンリーワンの存在を目指して,全力を挙げて取組を進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) これをもって質疑を終結いたします。 しまもと京司議員。 ◆(しまもと京司議員) 議事進行について動議を提出いたします。 ただ今議題となっております議第1号から議第20号,議第22号,議第24号から議第26号,議第29号から議第31号,議第33号,議第37号,議第38号,議第40号から議第44号,議第46号,議第48号から議第52号,議第71号から議第76号及び議第270号の48件については,現在設置されております予算特別委員会に付託のうえ,慎重審議願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(津田大三) ただ今,しまもと京司議員から動議が提出され,動議は成立いたしております。 お諮りいたします。ただ今のしまもと議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(津田大三) 御異議なしと認めます。よってしまもと議員の動議のとおり決します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 日程第2ないし日程第97,議第21号京都市地球温暖化対策条例の一部を改正する条例の制定についてほか95件,以上96件を一括議題といたします。 2月24日の議事を継続いたします。 本案は,ただ今お手元に配付してあります議案付託表のとおり,所管の常任委員会に付託いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 日程第98,請願審査結果についてを議題といたします。 委員会報告書は配付いたしておきました。 お諮りいたします。本件は,経済総務委員会報告書のとおり,1件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(津田大三) 御異議なしと認めます。よって,本件は,経済総務委員会報告書のとおり決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 日程第99,請願審査結果についてを議題といたします。 委員会報告書は配付いたしておきました。 お諮りいたします。本件は,まちづくり委員会報告書のとおり,1件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(津田大三) 御異議なしと認めます。よって,本件は,まちづくり委員会報告書のとおり決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 日程第100,議第253号ないし議第266号,議第273号ないし議第280号,議第284号ないし議第286号及び議第346号,平成27年度京都市一般会計補正予算ほか25件,以上26件を一括議題といたします。 予算特別委員長の報告を求めます。予算特別委員長田中明秀議員。 〔田中予算特別委員長登壇(拍手)〕 ◆予算特別委員長(田中明秀) 本委員会に付託されました議第253号平成27年度京都市一般会計補正予算ほか25件につきまして,審査の経過と結果を御報告申し上げます。 当委員会といたしましては,2月24日の本会議で付託を受け,25日に第1分科会では,選挙管理委員会事務局,会計室,環境政策局,行財政局,総合企画局,文化市民局及び産業観光局に対して,第2分科会では,保健福祉局,都市計画局,建設局及び教育委員会に対して,第3分科会では,消防局,交通局及び上下水道局に対してそれぞれ質疑を行い,26日に各分科会の報告を受けた次第であります。 今回の補正予算は,地方創生加速化交付金を活用した京都ならではの地方創生推進事業や出産・子育てを支援するための緊急対策等に加え,市営住宅の耐震改修工事や横大路運動公園防災機能強化など市民の命と暮らしを守る防災・老朽化対策等の推進,また,利用者が見込みを上回った障害者自立支援給付費などの福祉給付費等を増額するほか,人事委員会勧告に基づく職員給与改定等に要する経費など,国・府支出金や市債等を財源として総額81億5,200万円を補正しようとするものであります。 以下,審査の過程において論議されました主な事項について順次申し上げます。 まず,国の補正予算等に対応した地方創生,出産・子育て支援,防災・老朽化対策等の推進につきましては,国の意図を理解した地方創生加速化交付金の効率的な活用,地方創生加速化交付金における加速化の意味と交付金の活用が地方創生に逆行するとの指摘,安心して伝統産業製品を買うことができる環境づくりとして生産履歴システムを積極的に支援する必要性,国内での知名度向上にもつながる国際見本市への更なる出展,京都駅利用の観光客をターゲットとして伝統産業ふれあい館の知名度向上のためにタクシー業界にアピールする考え,伝統産業ふれあい館の展示物の見せ方の工夫や関連施設との連携など来館者数増加に向けた思い切った取組の実施,まちづくり推進事業において一般化されていない「みんなごと」を事業名称とした理由,横大路運動公園再整備事業の総工事費と防災機能の強化に要する経費及び全体の整備スケジュール,障害者給付費の増加と質の担保,児童養護施設における大学等進学率及び大学卒業まで支援する体制の必要性,年金生活者等支援臨時給付金事業の丁寧な周知と便乗詐欺への注意喚起,近鉄桃山御陵駅前付近高架橋脚柱の耐震補強工事の安全対策などについて質疑や御意見がありました。 次に,職員の給与改定につきましては,本市の厳しい財政状況の下で人事委員会勧告に従い職員給与を引き上げることへの疑問,公営企業であることを踏まえ人事委員会勧告をそのまま適用するのではなく,民間企業や経営状況を考慮したうえで給与改定を実施する必要性,児童館,学童保育所職員給与への反映の確認の有無,政府が打ち出す同一労働,同一賃金の観点から見た交通局の若年嘱託制度の是非に対する見解,人事評価の給与への反映の一層の推進などについて質疑や御意見がありました。 そのほか,会場貸しを行う京都市美術館が空調設備のメンテナンス結果を放置していたことへの認識と職員の意識改革の必要性,建築許可・確認等事務における誤った教示について,複数職員によるチェック体制やホームページでの周知など再発防止の徹底,建築許可・確認等の窓口業務における職員体制の実態と職員配置増の必要性,二条城東側空間整備事業の見直し案の周知,住民の意見を聴く必要性等住民理解を得るための徹底した取組の実施,南部クリーンセンター建替え整備のため実施した環境アセスメント調査で土壌汚染が事前に確認できなかった理由,駅等のバリアフリー化整備に係る今後の整備に当たっての優先順位の考え方,修学旅行生を受け入れるホテル・旅館等の防火改修助成において,改修せず既存不適格のまま修学旅行生を受け入れることに対する見解と宿泊の有無,防火未改修の助成対象施設に対し金融機関等と連携した取組及び指導する職員の技術力だけでない金融面での知識向上の必要性,市内消防出張所の再編に伴う人員削減に対する懸念及び消防・救急体制の十分な検証,給水開始から10数年しか経過していないにもかかわらず中川・小野郷地域水道の水源が枯渇した理由,細野地域水道再整備事業の完了見通し及び工事内容の見直しによる事業費増加の見込みなどについて質疑や御意見がありました。 概略以上のような審査の後,更に各会派等において御検討いただき,その結果を2月29日の委員会で御発表いただきましたところ,次のとおりでありました。すなわち,自民党,公明党,民主・都みらいの各議員団及び無所属2名の委員は,いずれも原案に賛成する。自民党議員団は,議第253号に2個,議第253号及び286号に1個の付帯決議を付す。共産党議員団は,議第253号及び265号に反対し,その他の議案についてはいずれも原案に賛成する。京都維新の会及び京都党の各議員団は,議第253号,261号から266号,273号及び274号については反対し,その他の議案についてはいずれも原案に賛成するとのことでありました。そこで直ちに表決を採りましたところ,ただ今お手元に配付してあります委員会報告書のとおり,議第253号,261号から266号,273号及び274号については多数をもって,残余の議案については全会一致をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 引き続き,付帯決議の調整を行いました結果,議第253号に2個,議第253号及び286号に1個の付帯決議を付すことに決定した次第であります。 以下,付帯決議を順次申し上げます。   議第253号に対する付帯決議1,今回,昨年の2月市会において可決し,議会として進めることを認めた二条城東側空間整備に関する繰越明許費が計上されているが,この間の市民の皆様や議会からの規模縮小も含めた見直しの意見への対応には一定の評価ができる。 しかしながら,時間を要していることに対する地元への負担を考えると,今後は速やかに地元へ説明を行い,京都市は,安全を重視した計画を立案するとともに,工事中における施工,管理を徹底させること。2,“みんなごと”のまちづくり推進事業の“みんなごと”については,一般的な言葉ではないことから,市民と京都市が参加と協働によるまちづくりを推進するという理念が十分に理解されるよう,市民に対し,しっかりと説明,周知すること。   議第253号及び286号に対する付帯決議 今回,民間事業者の相談に対して誤った回答をし,多額の損害賠償を行うことになった結果,行政に対する信頼を損なったことは大変憂慮すべきである。今後,全庁を挙げて再発防止に取り組まなければならない。一方,事業者は民間の専門職等に相談し事業を推進することが多いことを考えると,今後は京都市はもとより,民間専門職のレベルアップに取り組み,その連携を密にすること。 以上であります。これをもちまして委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(津田大三) これより,討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。西村善美議員。 〔西村善美議員登壇(拍手)〕 ◆(西村善美議員) 日本共産党市会議員団は,議第253号2015年度京都市一般会計補正予算及び議第265号京都市会議員の議員報酬等の支給に関する条例の一部改正については反対の態度を表明していますので,私は議員団を代表して,その理由を述べます。 今回提案の補正予算は,国の地方創生加速化交付金等を活用し,京都ならではの地方創生推進事業を進めるとして編成されたものです。政府の地方創生総合戦略では,東京一極集中の是正,人口減少の克服などを口実に,トップランナー方式の導入で社会保障費と地方交付税の削減を進め,足らなければ民間投資の活用と住民へ自助,共助を求めるというものです。この下で本市は,補正予算は新年度予算と一体のものとして編成して,京都版地方創生を推し進めるため,職員削減,事業見直し,資産活用などを推進しようとしています。委託化,民営化を推進し,徹底した行財政改革断行によって,自治体の公的責任をますます弱め,市民生活を後退させようとするものです。 以下,補正予算案全体について申し述べます。第一は,京都市職員給与費の増額に伴い,市会議員と市長の期末手当まで引き上げることには反対です。京都市職員給与等の増額については,予算特別委員会でも指摘したとおり,労働基本権の制約の下にある公務員の給与が人事院勧告により引き上げられるもので当然の措置です。しかし,議員の期末手当や歳費は職員給与とは異なるもので,引き上げることには理由がありません。我が党議員団はこれまでから,市会議員の報酬については市民の厳しい生活を考慮する立場から3割削減を主張してきました。議員の期末手当等は引上げではなく全会派で一致している1割削減を引き続き維持すべきであります。同時に提案の市長の期末手当についても引上げすることには反対です。市長選挙でも市民から,たった4年間の任期で約3,500万円の退職金は高すぎると批判されました。そのうえ,市長の期末手当の引上げは,一層市民の納得は得られません。 第二に,マイナンバーカードの通知及び個人番号カード交付事務については,更に巨額な税金を投入しようとするもので反対です。我が党議員団は,これまでから,個人情報の漏えい,システムのトラブル,巨額の税金投入などの問題を指摘し,マイナンバー制度の中止を求めてきました。予算特別委員会の質疑でも明らかになりましたが,この事務を受け持つ地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のトラブルが頻発し,全国の自治体で大きな支障が生じています。マイナンバー制度の問題について改善されるどころか,制度の根幹に関わる問題が更に拡大しているのであります。今からでも国は,マイナンバー制度については一旦中止をすべきであることを指摘します。 第三に,第二駐車場建設計画が含まれる二条城東側空間整備には反対です。二条城の整備については必要なものではありますが,第二駐車場設置については,市民から景観破壊などの理由で,本市に対して4,500筆の白紙撤回を求める署名が提出されるなど批判が高まっています。そのため,2015年度予算は,新年度に繰り越され,第二駐車場のバス台数も当初計画から半減する変更提案がされました。しかし,計画変更されても景観破壊,交通,住環境負荷などの問題が根本的に解決されるものではありません。修正案の強行は認められません。第二駐車場建設計画は白紙撤回すべきであります。 第四に,南部クリーンセンター第二工場(仮称)建設に伴う展望台,バイオガス化施設整備の問題であります。クリーンセンターの再整備は市民にとっても必要なものでありますが,有料ごみ袋代の収益12億円を流用して2億5,000万円の展望台建設は市民のごみ減量とは全く無関係であり,事業を中止すべきであります。また,他都市でトラブル続きの施設と同式のやり方である京都市のバイオガス化施設はやめるべきであります。 次に,幾つかの事業について指摘をいたします。京都市美術館の空調設備故障に伴う損害賠償問題についてです。事前に空調設備の故障を把握しながら,財政難や美術館再整備計画が目前を理由に美術館運営者としての責任が果されず,信頼を失墜させたもので問題であります。また,建築許可,確認等事務に関わる損害賠償の議案についてであります。この問題の背景には職員削減の影響が懸念されることを指摘しておきます。中央卸売市場第二市場の整備事業については必要なものであります。ただ,今回の補正予算には国のTPP関連対策費が含まれています。TPPについては国内意見が二分しており,米国での成立も不透明であります。批准の前にもかかわらず,TPPの成立を前提に推進の財源措置をすることに対しては厳しく批判するものであります。推進すれば農畜産業に壊滅的打撃を与え,国内産業に深刻な影響を与えるものであります。 最後に,今回の補正予算の中で,伝統産業活性化,不妊治療助成,障害者施策,インフルエンザ予防接種,市営住宅耐震化など大切な事業も盛り込まれています。これらの事業はいずれも,本来自治体が推進すべき当然の事業であります。 以上を指摘して,私の討論といたします。(拍手) ○議長(津田大三) 次に,こうち大輔議員に発言を許します。こうち議員。 〔こうち大輔議員登壇(拍手)〕 ◆(こうち大輔議員) 京都維新の会・無所属市会議員団を代表し,予算特別委員会に付託されている議案のうち,議第253号,議第261号から議第266号,議第273号及び議第274号の議案9件に反対する立場から討論を行います。 まず,議第253号につきましては,職員の給与等に要する経費,議員の期末手当の支給割合を改定する項目,つまりは,職員及び議員の給与,報酬を引き上げる部分につきまして反対するものであります。 今回,人事委員会勧告等に基づき,平成27年度分の職員給与改定及び議員の期末手当の支給割合の改定を実施することにより,京都市全体で公営企業も含め総額約11億円の予算が組まれ,職員一人当たり平均約6万円から7万円,そして我々議員については,議員一人当たり約7万円の支給が行われることになります。人事委員会による勧告,すなわち官民格差をうたい文句に給与の引上げを行おうとしていることについて,人事委員会が基準とする事業所は,事業所規模50人以上の企業であり,中小零細事業所が多く,また非正規雇用者の多い本市の実態を反映しているものとはとても言えません。また,我々議員の報酬を引き上げることにつきましては,議員の姿勢がより問われている昨今,我々は結党以来,まず議員自らが身を切る覚悟で臨まなければいけないと考えています。どちらも市民感覚とかい離し,納税者の理解が得られるとは思えません。また,門川市長が折角推し進めてきた行財政改革にも水を差すことにもなると感じます。本市の財政状況を見ると,どうすればいいか明らかです。給与引上げに使う予算があるなら,本市の膨大な借金返済,子育て,福祉,教育に少しでも費やすのが当たり前ではないでしょうか。 最後に,民主党におかれましては,我々本家本元の維新からたもとを分かったニセ維新と新党を結党されるとの報道がありましたが,ニセ維新が身を切る改革を標ぼうしている以上,今回の給与引上げに賛成するとあらば,更に市民から野合と称されるのではないかとの危惧を申し上げ討論とさせていただきます。(拍手) ○議長(津田大三) 次に,森かれん議員に発言を許します。森議員。 〔森かれん議員登壇(拍手)〕 ◆(森かれん議員) 再びの登壇でございます。地域政党京都党市会議員団は,平成27年度一般会計補正予算,議第253号,議第261号から266号,議第273号及び議第274号の9件の議案について反対の態度を示しておりますので会派を代表して討論を行います。 今回の補正予算の全体像は,1,国の補正予算等に対応した地方創生,出産・子育て支援,防災・老朽化対策等の推進,2,利用者が見込みを上回ったことによる福祉給与費の増強,3,給与費補正,4,その他に分類されます。伝統産業活性化につながる京もの海外進出支援事業について,また保育所等防音壁設置や不妊治療費助成の拡充などの更なる出産・子育て充実支援,障害者自立支援,医療費の増額など,おおむね門川市長が市民の皆様にお約束された暮らしに安心,豊かさ実感の部分に即した補正予算の内容であると考えております。 しかし,今回の補正予算の給与費補正につきましては,依然として特別な財源対策である公債償還基金の取崩しから脱却できていない状況の中で,京都市における職員給与や議員報酬を上げることについては,適切な対応とは言えません。果たして未来に責任を持って行財政改革にまい進なさる覚悟が市長におありなのか,その部分が非常に見えにくいため,会派としてのその意見を申し述べます。 今回,人事委員会勧告によって,職員給与条例等を一部改正し,職員給与の引上げが提案されておりますが,下記の点において問題を指摘したいと存じます。 第一に,人事院勧告に関する考え方について言及いたします。これまでは人事院勧告に基づく考え方を盲目的に受け止めてまいりましたが,そもそも人事院勧告には法的拘束力はありません。京都市が置かれている状況に応じ,本当に人事院勧告が本市にとって適正かどうか,地方の目線で判断していくことが今後の地域主権時代には一層求められるものと考えます。人事委員会勧告のベースは50人以上の企業の平均給与により算出されております。しかも,局長級の給与は500人以上の事業規模の工場長や部長級に対応し,課長級の給与も50人以上100人未満の事業規模の工場長や部長と対応しております。これはつまり京都市イコール大企業と想定し,同等の大企業と比較し給与を設定しているという考え方に立っております。そしてその視点が必ずしも正しいとは言えないということです。同業種別給与比較導入や,中小企業の動向も含めて検討すべきであります。よって,地方分権時代にあっては国によってもたらされる人事院勧告は全知万能の権威ではないと認識を新たにすべきであります。 第二に,市職員の給与引上げに併せて公営企業職員の給与も引き上げております。引上げの理由として人事委員会勧告等を踏まえとされておりますが,そもそも公営企業は人事委員会勧告の対象外です。公営企業の職員の給与については,地方公営企業法38条第3項に,「企業職員の給与は,生計費,同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与,当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮して定めなければならない」としており,人事委員会勧告を踏まえた引上げは理由として適当ではありません。また,行政法は法治主義が原則であり,その原則にのっとり経営状況を考慮すべきと条文に明記されているように,財政状況が安定していない今日,引き上げるべきではないと考えます。 第三に,児童館及び学童保育運営への委託料,社会福祉協議会等への補助金が人事委員会勧告を反映し増額しています。しかし,増額に対する明確な法的根拠や契約根拠はなく,過去からの慣例によって行われております。そして明確な基準がない中で,数ある委託先,補助金支出先の中で一部の事業にのみ増額されています。また,人事委員会勧告に連動した増額であれば,委託先,補助金支出先の職員の給与に直接反映させるのが筋でありますが,あくまで委託料,補助金の増額であり,職員の給与に反映させるかは事業者次第という状況であり,市民への説明が十分にできるものとは言い難いです。当該対象事業の給与水準向上自体には賛同いたしますが,人事委員会勧告に連動させるという形は適当ではないと考えます。 第四に,給料を遡って引き上げるということは,市民感覚として受け入れ難いものがあります。公務員はストライキを禁止されており,労働条件改善の運動ができないため,その部分に人事院勧告が一定の役割を果たしていること,また,8月の人事院勧告を踏まえて各調整を経ておおむね12月に改定の実施が決定されることにより,給料を遡って引き上げるということは理論的には理解します。しかし,一般的な市民感覚で言えば,やはり遡っての引上げには抵抗があります。 最後に,厳しい財政状況下にあって,市役所に率先垂範の姿勢を示すべく給与カットを続けている京都市会議員については,ストライキなどの労働権とは無縁の立場です。この状況下で引き上げるのは理にかなったものだとは言い難いため,引き上げるべきではないと考えております。 これらのことを鑑み,総合的な観点から官民格差の是正より,本市の財政状況を優先的に考慮すべきと判断いたします。一定民間の業績向上があるにせよ,市民に広くその効果が行き渡っていない中での2年連続給与の引上げは,市民理解が得られるとは言い難いと判断をした次第です。 結びに,これまで職員給与について会派の考えを申し述べてまいりましたが,是非とも他会派の皆様にも御理解,御賛同いただくことを強く求めまして反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(津田大三) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。まず,議第253号及び議第265号を一括表決に付します。本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(津田大三) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。 次に,議第261号ないし議第264号,議第266号,議第273号及び議第274号を一括表決に付します。本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(津田大三) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。 次に,残余の議案17件を一括表決に付します。本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに,御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(津田大三) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。 次に,ただ今議決いたしました議案に対する付帯決議についてお諮りいたします。 委員会報告書の議第253号に対する付帯決議2個,議第253号及び議第286号に対する付帯決議1個を一括表決に付します。本件は,委員長報告のとおり付すことに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(津田大三) 多数であります。よって委員長報告のとおり決します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(津田大三) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時58分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    津田大三          副議長   大道義知          署名議員  田中たかのり          同     森田ゆみ子 △(イメージ)請願文書表「受理番号24」「保育・学童保育制度の充実」・請願文書表「受理番号25」「七条通の拡幅整備等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号24」「平和安全保障関連法の廃止の要請」・陳情文書表「受理番号25」「辺野古新基地の建設強行反対の要請」 △(イメージ)議案付託表・経済総務委員会報告書 △(イメージ)まちづくり委員会報告書・予算特別委員会報告書 △(イメージ)予算特別委員会報告書...